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第247話 新規店舗


「あとびっくりしたけれど、スヴィーさんってあの姿で300歳を超えているんだね……」


 やはりというべきか、300年前に生きていたアースさんを師匠と呼ぶスヴィーさんの年齢は300歳を超えていると言っていた。


 当時はダークエルフという種族が迫害されていたらしく、まだ子供だったスヴィーさんが酷い目にあいそうなところをアースさんが助けたらしい。詳細はまた明日聞くけれど、どうやらアースさんは俺とは違って戦闘系のチート能力を授かっていたようだ。……まさに物語の主人公みたいだな。


「ダークエルフもエルフと同じで一定まで成長するとその姿で成長は止まるんだよ。どれくらいまで成長するかは個人差が結構あるね。そしてそこから時間が経つと少しずつ老いていく感じかな。それも個人差があるよ」


「な、なるほど……」


 ランジェさんがエルフという種族を説明してくれる。10代後半から20代前半に見えるランジェさんも見た目通りの年齢じゃないらしいからな。実際の年齢はまだ聞いていないけれど、もしかしてランジェさんも100歳を超えていたりするのだろうか?


「………………」


「……テツヤ、私は20代でまだ今も成長中」


「う、うん、そうだったね!」


 チラリとフェリーさんの方を見てしまったことはしっかりとバレていた。


 確かフェリーさんはベルナさんやリリアと同い年くらいと言っていたけれど、見た目が小学校高学年か中学生くらいにしか見えないから、ふと気になってしまった。


 出会った時とまったく変わっていないように見えるけれど、フェリーさんの自己申告によると現在も成長中らしい。


「とりあえずそっちの方は問題なさそうでなによりだ。そんじゃあ王都でのテツヤたちの話を教えてくれ」


 そういえば、スヴィーさんのあまりにも突然の来訪で忘れてしまっていたけれど、まだライザックさんたちにこちらの報告は何もしていなかった。新規店舗の様子を見に行くのはもう少し時間がかかりそうだ。




「さて、新規店舗はどうなっているのかな」


 スヴィーさんの来訪を終え、ライザックさんとパトリスさんに報告をし、今後こちらはどう動くかの話は後日するという話をしてから、ようやく冒険者ギルドをあとにした。


 案の定、ベルマルコンから砂糖を精製できることやクエトのダンジョンの魔物図鑑のことを話したらとても驚かれた。王妃様へオーガニックのシャンプーやリンスを卸すことと、王都にいるルハイルさんへの連絡は後ほどだな。


「おお、テツヤ。みなも無事に帰ってきたようじゃな」


 新しい店舗の場所へみんなで行くと、ちょうど表の方でグレゴさんが指揮を執っていた。肝心の新規店舗は大きな布に囲われていてまだ見えていない。


 おそらく周囲の家に粉塵やら木の屑が飛ばないようにしているのだろう。この辺りは元の世界の建築と一緒らしい。


「ただいまです、グレゴさん。おかげさまで、みんな特に怪我もなく無事に帰ってこられましたよ。これ、王都で有名なお酒とつまみになりそうなお土産を買ってきました。職人さんの分もありますので、みなさんでどうぞ」


「「「あざーす!」」」


 フェリーさんの収納魔法に入れてもらっておいたお土産を取り出してもらって渡す。グレゴさんの工房の職人さんの8割はドワーフなので、みんなお酒が好きなのである。


 グレゴさんの工房には保存パックやテントに寝袋、元の世界のキャンプギアを作ってもらったりと、日頃からかなりお世話になっている。当然職人さんにもたくさん手伝ってもらっているので、滅多にいけない王都のお酒を一杯買ってきたぞ。


「ああ、ありがたくいただくとするぞ。もう建物や内装はすでに終わって、あとは外装の細かいところを仕上げてあと数日で完成といったところじゃな」


「おおっ、こちらこそ本当にありがとうございます!」


 もう新規店舗はほとんど完成しているようだ。まだ1ヶ月も経っていないのに、この世界の建築技術はすごいよな。




「おお~これはすごい! 前の店よりもだいぶ広いですね!」


「なにか気になることがあれば何でも言ってくれ」


 いよいよグレゴさんの案内で新規店舗の中に入る。大きな扉の中には広々としたフロアが広がっていた。


「通路も広くて天井も高くて、前の店舗よりも広々としているな!」


「うん、これなら通路で人とすれ違う時も快適だね!」


 店に入ってすぐのフロアは前の賃貸していたお店の数倍は広く天井も高い。そして通路も広々としているので、リリアとランジェさんの言う通り、以前よりも快適に働けそうである。


 すでに棚も並べられていて、あとは商品と値札を置くだけで、もう商品棚として問題はなさそうだな。


「こっちの中庭も広いですわね」


「前のお店の裏庭よりも日当たりも良さそう」


 メインのフロアの奥の方には、こちらも前の店の裏庭よりも広い芝生の庭がある。営業日にはここにテントやイス、そのほかのキャンプギアを組み立てた状態で展示しておき、実際の使い心地を確認できるようにしておく。


 これまではそこまで大きなキャンプギアは商品として扱っていなかったけれど、アウトドアショップの能力で購入した元の世界のテントや寝袋をグレゴさんたちがこちらの世界の素材で再現してくれた物を販売するつもりだ。


 そして当然休みの日にはここでのんびりと庭キャンができるのである!


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