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第236話 ダンジョンの中


「ここがダンジョンの入り口かあ……」


「ふむ、ダンジョンに入るのは初めてだからドキドキするな」


 俺はダンジョンに入るのは当然初めてだし、どうやらリリアも初めてのようだ。


 ダンジョンの入り口、そこには巨大な金属製の門があり、そこが解放されていて、地下へと続く階段があった。


 これからいよいよダンジョンの中へと入る。一緒に同行してくれているのはリリアとフェリーさんだ。他のみんなは昨日泊まった宿でお留守番になる。どちらにせよダンジョンの一階層目にしか潜らないので、護衛は1人か2人ということで、リリアと収納魔法が使えるフェリーさんになった。


 ベルナさんとランジェさんもダンジョンに来たかったみたいだけれど、ベルナさんとフェリーさんは有名な冒険者だからな。あまり大勢でダンジョンに入って騒ぎになっても面倒だから、悪いけれどお留守番してもらった。フェリーさんもエルフの特徴的な長い耳をフードで隠し、マフラーで口元を隠している。


「こうしてリリアと一緒にダンジョンへ入ることになるとは思わなかった」


「ふふ、入るとはいっても一階層目だけだぞ。だけどあの頃が少しだけ懐かしいな」


 そういえばリリアはベルナさんとフェリーさんと一時的にパーティを組んでいたんだっけ。2人とも少しだけ懐かしそうにしている。


 そういう意味だとベルナさんも一緒に来させてあげればよかったかなあ。でも2人がそろっていると、王都にいた時みたいに冒険者に囲まれてしまってストアで地図や図鑑をこっそり購入することができなくなってしまうから仕方がない。




「おお~ここがダンジョンの中かあ!」


「こんなに広い空間が地下にあるとは凄いな」


 大きな門をくぐり、地下への階段を進んでいくと、大きなフロアへと出た。


 ダンジョンは基本的には冒険者でなくとも入ることができるようになっているが、入り口で簡単なチェックを受けなければならない。フェリーさんが幼すぎるという理由で入れなくなりそうだったのは少し焦った。


 確かにフェリーさんの容姿は子供だからな。ちゃんとエルフの耳を見せて冒険者カードをランク部分を隠して見せたら無事に入れてくれた。


 まあ、基本的にダンジョンに入るのは冒険者ばかりだから俺も結構変に見られていたぞ。


「基本的にダンジョンの階層を繋ぐ階段のあるフロアに魔物は入ってこない。階段があるフロアで準備をしたり休憩するのが基本」


「なるほど」


 フェリーさんが説明してくれた。


 どうやらダンジョンにある階層ごとの階段がセーフゾーンみたいになっているようだ。このフロアにも戦闘の準備をしている人が大勢いる。


 基本的にというのはダンジョンの中に魔物が溢れるスタンピード時はダンジョンの中にいる魔物が階層を上がってきてしまうらしい。もちろんこのダンジョンのように人が大勢いて魔物を適度に討伐していればそんなことは起こらないようだ。


「念のため1階層目の少し奥に行こうか」


「ああ、了解だ」


「了解」


 俺の提案にリリアとフェリーさんが同意してくれる。


 このフロアは少し人が多いから、俺のストアの能力で地図と図鑑を購入して何もないところから出てくるのを見られないようにしないといけない。それに大丈夫だとは思うけれど、このフロアはダンジョンの中と見なされない可能性もゼロではないからな。




「……よし、ここまでくれば大丈夫かな」


 リリアとフェリーさんと一緒にクエトのダンジョンの1階層目を少しだけ進んでいく。どうやらこの階層は洞窟のようになっていて、フロアとフロアが通路でつながっているようだ。


 フェリーさんが言うには大体のダンジョンの一階層目はこうなっているらしい。次の階層からは広い森の階層や見通しのよい草原の階層なんかも出てくるようだ。


 こんな不思議な空間が勝手にできて、その中で魔物が自然に発生するんだから、本当に不思議な仕組みをしているな。こんなに不思議なダンジョンや魔法というものが存在している世界だからこそ、俺が異世界から来たと言ってもみんなあまり驚かなかったのかもしれない。


「それじゃあリリアとフェリーさんは通路の両側の警戒をお願いね。魔物や他の人が来たら教えて」


「ああ、了解だ」


「了解」


 ダンジョンを少しだけ進んで、誰もいない通路へとやってきた。


 ちなみにここへ来るまでに出会った魔物はスライムが2匹だ。ダンジョンのスライムと言えば、女性冒険者の服や防具を溶かすのが定番という流れだったけれど、当然ながら元Bランク冒険者のリリアと現Aランク冒険者のフェリーさんが秒殺してしまった。いや、そりゃ当然なんだけれどね……


 スライムは核に攻撃を加えれば倒せるらしい。初めてこの世界へ来た時、ゴブリンに殺されそうになった俺だから、スライムに勝てるかも怪しいところだ……


「さて、どうなることやら……とりあえず地図も図鑑も購入自体はできるみたいだ。……って分厚いな、これ!」


 リリアとフェリーさんに通路の両側から人や魔物がいないことを確認してもらいつつ、俺のストアのウィンドウを開いて、地図と図鑑を購入する。


 まず地図についてだが、こちらは他の場所と購入した時と同様に、一枚の大きな地図でこのクエトを中心とした地図のようだ。残念ながらダンジョン内のそれぞれの階層の地図というものではないらしい。


 だが、この魔物図鑑はこれまでに購入した魔物図鑑よりも見て分かるほど分厚かった。ということは……


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

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誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

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― 新着の感想 ―
[一言] 地図さんにはガッカリだよ!
[一言]  少なくとも、クエト周辺に生息する種も含めてダンジョン内にいる魔物は網羅してそうだな、厚さからして。…ダンマスが載ってたらギルドが震撼しそうだけど、果たして(笑)
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