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第217話 最高級宿


 宿の中へ案内されて、男女に分かれた部屋へと案内された。


 こちらの男性用の部屋はとても3人部屋とは思えないほどの広さで、部屋の中にはとても高価そうな花瓶や美術品なんかが飾られている。そして天井には灯りを点ける魔道具まである。


 魔道具自体けっこうな値段がするらしいけれど、あれはいくらくらいするのだろう……あの花瓶なんかも万一割ったら結構大変なことになるんじゃないのか……?


「いやあ~すごい宿だね! それに従業員の女の子も可愛い子ばかりだったよ!」


「ああ。まさか前回泊まった宿以上の宿があるとはさすが王都だ。それにランジェの言う通り、この宿の従業員は男も含めて美形が多いな。もちろんアンジュとまではいかないがな」


「………………」


 ドルファは相変わらずの平常運転だな。


 確かにランジェさんの言う通り、この宿の従業員はその全員がとても美形だった。最高級宿ともなるとそこで働いている従業員の容姿までこだわるとは驚きだ。


 とはいえ、うちの従業員やベルナさんとフェリーさんはその従業員の中に加わってもまったく違和感がないほどの美形だからな。俺もそこまで動揺することはなかった。


 ……たぶん俺がここで働いていたら、1人だけ滅茶苦茶浮いてしまうんだろうなあ。


「それに明日はいよいよルハイルさんと会えるから楽しみだよ!」


「そういえばルハイルさんと会うのも久しぶりか。明日はランジェさんも護衛として一緒に来てもらうけれど、くれぐれも粗相はないようにね」


「もちろん大丈夫だよ! それにしても楽しみだなあ~」


「………………」


 前回王都を出る時、見送りに来てくれたルハイルさんを見て、ランジェさんはルハイルさんのことがすごく好みだと言っていたから、今回はベルナさん、フェリーさん、リリアと一緒にランジェさんにも冒険者ギルドへと同行してもらう。


 他のことならともかく、女性が絡むとちょっと不安になってしまうランジェさんだ。うちのお店でも接客をしつつ、可愛い女性のお客さんを口説いていたりするもんなあ……


 とはいえ、それで今までお店に迷惑を掛けたことはないから、その辺りは信用するとしよう。


「ルハイルさんはともかく、王族の人と会うのは緊張するよなあ……正直に言ってそっちはキャンセルしたいよ」


 そして今回王都へやってきた理由のメインである王族との面会は数日後になる予定だ。すでに俺たちが王都へ到着したことは門にいた騎士の人たちを通して向こうにも伝えてある。


 向こうから呼ばれたわけだが、立場的にはこちらが面会してもらうような形だ。そのため王族たちの都合の良い時間帯を指定して、俺たちがその時間へ合わせる形になる。


 下手をすれば1週間以上待たせられる可能性もあるらしい。一応今回は俺たちが販売しているドライシャンプーを王都まで販売してほしいという向こうからのお願いなわけだし、そこまで無下にされる可能性は低いとライザックさんとパトリスさんには言われている。


 まあ俺は普通の商人となるわけだし、王都での滞在費は冒険者ギルドが負担しているから文句を言う気もないが、アレフレアの街の新規店舗のこともあるし、遅くとも1週間くらいで王都を出たいところだけれどな。


「テツヤの気持ちも分かるよ。さすがに僕も面倒だから王族とは関わりたくないかな。この国の王族の評判は悪くないけれど、いったいどんな人たちなんだろうね?」


「ドライシャンプーを欲しがるということは女性なのだろうな。王妃様、あるいは王女様という可能性もありそうだ」


「確かにドルファの言う通り、王妃様か王女様の可能性が高いかもね」


 みんなから聞いた事前の情報によると、今の王族は国王様と王妃様、そして兄の王子様と妹の王女様がいるらしい。そうなると例のドライシャンプーを必要としているのは王妃様か王女様の可能性が高い気もする。


「なんにせよ気が重いな……まあ、そっちの方はちょっと後だから、今は気にしてもしょうがないか。明日ルハイルさんと会って、詳細を聞きつつ、地図やベルマルコンのことと一緒に相談してみる感じかな」


「テツヤのことだから大丈夫だとは思うが気を付けてくれ」


「そうだね。あと王女様がどんな女性だったか後で教えてね」


「……ああ、気を付けるよ」


 この国の王族はまともな人だと聞いているし、面倒なことにならないことを祈るとしよう。


 そしてもしも王女様が綺麗な女性だったとしても、ランジェさんには教えられない気がする……


「それじゃあ、まずはこの高級宿のお風呂を楽しませてもらおうか。そのあとはこの宿の料理を楽しませてもらおう!」


「ああ。道中は快適だったとはいえ、風呂に入れるのはありがたいな」


「それにこれだけの宿だから晩ご飯も楽しみだよ! きっと高級な食材も出てくるんだろうね!」


 この宿には風呂がある。王都までの旅の疲れを癒してもらうとしよう。


 そしてそのあとは女性陣と合流しての晩ご飯だ。この宿のことだから、出てくる料理もきっととんでもないのだろうな。想像するだけでお腹が鳴ってしまいそうだ。たまにはこういった贅沢も大事である。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

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誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

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