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第215話 王都版の簡易地図


「アントムさん、お世話になりました。昨日と一昨日泊まらせていただいた宿もとても素晴らしかったです」


「お気に召していただけてなによりです。こちらこそ今後とも皆様とは良き関係を続けていければと思います」


 エイブラの街を訪れて2日後の朝、今日はエイブラの街を出て再び王都までの道を進む。


 この街の冒険者ギルドマスターのアントムさんとその職員さんはわざわざ街の入り口まで見送りに来てくれた。アウトドアショップの能力で購入した商品はこの街にも卸しているので、こちらこそ今度ともよろしくお願いしたいところだ。




「とりあえずベルマルコンから砂糖が抽出できることは確認できたけれど、そのことについては一旦保留にしておこう」


 スレプの引く馬車に揺られながら、昨日確認したベルマルコンのことをみんなと相談する。


「砂糖の利権がらみは面倒だからね。とりあえず既存の商会は独占しているってわけじゃなさそうだけれど、それでも慎重に扱った方がいいと思うよ」


「ランジェの言う通り、砂糖は複数の商会で取り扱っていて、値段が高額なのもその希少性によってだから仕方のないことらしいな」


 昨日アントムさんから話を聞いたり、街中で情報を集めた結果によると、どうやら砂糖は複数の商会が扱っていることが分かった。そして砂糖の価格が高価なのはこの国では砂糖の元となる植物が気候的に育たず、遠くの国から買い付けているから高額になっていたらしい。


 そういえば昔のコショウとかも輸送費がかなり掛かっていたんだっけな。


 ひとつの商会が不正に砂糖を独占していたというなら、遠慮なくいろんな方面にベルマルコンから砂糖を抽出する方法を広げるのだが、正規の理由で高額になっているならいろいろと考えなければならない。


 その辺りのことについてはお偉い様の方々にぶん投げようかと思っている。これから王都へ行くわけだから、もしも王都でもベルマルコンが確保できるなら、お世話になりつつ信頼できる王都のギルドマスターであるルハイルさんに任せても良いかもしれない。


 ライザックさんと同様、冒険者のことを考えてくれているルハイルさんなら信用もできる。


「とりあえず王都の市場でもベルマルコンがあるかを確認して、それからルハイルさんに相談してみるかな」


「ええ、それが良いかと思います。冒険者ギルドマスターなら、きっと素晴らしい方法を一緒に考えてくれると思いますわ」


「ギルドマスターに任せておけば安心」


 ベルナさんとフェリーさんは普段王都の冒険者ギルドで依頼を受けていることもあって、ギルドマスターのルハイルさんとも付き合いが長い。その2人がそう言ってくれるのならたぶん大丈夫だろう。


 ……ベルマルコンのことを話す際に植物図鑑や魔物図鑑、そして地図についてを話すかは迷うところであるな。実は前回購入した王都の地図から、簡易版の地図を作っている。


 アレフレアの街で販売しているような精密な地図を書き写して簡易版の地図を作ってもらい、旅をしている商人がたまたま手に入れたといったていを装ってその街の冒険者ギルドへ流そうとしていた。


 実際のところ、地図や図鑑は方位磁石と同様に便利で人命にも関わってくるものだからな。本当に危険な情報は無償でも提供しておきたかった。アレフレアの街のライザックさんとパトリスさんと同様に本当のことを打ち明けて対価をもらうのもありなんだが、その分危険も増えるから難しいところなんだよね……


「相変わらずテツヤのそばにいると退屈しないね! いやあ~早くルハイルさんに会いたいよ!」


「………………」


 そういえば王都を出る時にルハイルさんと初めて会ったランジェさんはまた会いたいと何度も言っていたっけ。まあ、ランジェさんのことだから、さすがに問題を起こすようなことはないと思うけれど……






「さて、今日の晩ご飯ができたよ。せっかくだから、エイブラの街でたくさん買ってみたベルマルコンを使って作ってみたんだ」


 無事に今日の道のりを進み、予定通りの場所へやってきた。野営の準備をしてもらいつつ、フィアちゃんとアンジュに手伝ってもらって今日の晩ご飯が完成した。


 砂糖の材料となるベルマルコンだが、本来の使い方である野菜はどんな味になるのか気になって作ってみたわけだ。


「まずは生のまま薄くスライスしたサラダだよ」


 アウトドアショップの能力が上がったことによって購入できることになったアウトドア用のピーラーとスライサーが合わさった道具、これがあるおかげでだいぶ楽にサラダを作れるようになった。


 この道具もとても便利なので、新しい店がオープンする際には店の棚へ並ぶことになるだろうな。


「……うん、少し甘みがありつつシャキッとした歯ごたえだから、サラダにはよく合うぞ」


「ああ、他の野菜とも合って、生で食べてもなかなかいけるな」


「お野菜に掛かっているドレッシングもおいしいですね!」


 ドルファもアンジュにも好感触のようだ。


 ドレッシングの方は醤油も手に入ったことで、醤油ベースのドレッシングも作ってみたがなかなかいける。やはり調味料や香辛料が増えると料理の幅が広がるので良いものである。


最後まで読んで頂きまして誠にありがとうございます!

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誤字脱字、日本語のおかしいところがありましたら教えて頂けますと非常に嬉しいです( ^ω^ )

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◆アウトドアショップin異世界店◆
◇冒険者の始まりの街でオープン!◇

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― 新着の感想 ―
[一言] 「商会」が数カ所「紹介」になってますね。 地図は戦略的にヤベー物になるから王都周辺に関しては「なんて物持ち込みやがるんだ」って頭抱えることになりそう。
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