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第189話 新たな共有


「こんにちは、グレゴさん。お邪魔します」


「おお、テツヤ。先日のバーベキューとやらは最高だったぞ! あれほどうまい酒と料理を楽しんだのは久しぶりであったな。それにしても、リリアはともかく、冒険者ギルドマスターのライザック殿とパトリス殿もいるとはいったいどうしたんだ?」


 新しい商品であるドライシャンプーの販売を始めて5日後。予想通りと言うべきか、次の日から冒険者以外の女性客も多くお店に並んで中々忙しかったのだが、なんとか無事に今週の営業を終えた。


 そして先日予め連絡していた通り、保存パックを作ってもらったドワーフのグレゴさんの鍛冶屋を訪れている。グレゴさんのお店はこのアレフレアの街ではかなり有名な工房であるため、事前に連絡をしていないとお客さんが多くて時間があまり取れないようだからな。


 そして今日はライザックさんとパトリスさんも一緒だ。


「おう、グレゴ殿。今日はテツヤと一緒にグレゴ殿へ相談したいことがあってな。悪いが、ちょっと内密で話したいんだ」


「うむ、了解した。それでは儂の作業場まで来てくれ」


 グレゴさんに案内されて、4人でグレゴさんの作業場まで移動した。今は火が入っていないが、高温に熱するための炉や金属を打つための鎚や道具などが並んでいてちょっと感動した。やはり鍛冶というのも男の浪漫だよな!


 グレゴさんほどの鍛冶師になると、その技術を盗もうとする人もいるだろうから、防音性などが優れた部屋らしい。この部屋の中なら内密な話もできるのだろう。


「実はグレゴさんに話とご相談があります。まず、俺はこの世界とは別の世界からやってきました」




「……ふ~む、別の世界とはいまいちよく分からんな。ようはとても遠い国から来たということで良いのだろうか?」


「はい、そういう認識で問題ないです」


 グレゴさんにもリリアたち従業員やライザックさんたちと同じように俺の秘密を打ち明けたのだが、やはり他のみんなと同様に異世界と言ってもそれほどピンとこないみたいだ。


 元の世界みたいにファンタジーな話とか漫画やアニメなんかはないから、別の世界と言っても難しいのだろう。まあ、遠い国から来るのとそこまで大きな違いはないかもしれない。


「これまでにアウトドアショップの店で販売している商品は俺の世界の物で、なぜか俺が得ることのできた能力によって出した物なんです」


「なるほど……道理で儂がこの国で今まで見たことのない技術が使われていたわけか」


 先ほど実際にアウトドアショップのウインドウを操作して方位磁石を購入した。何もないところから商品が突然現れ、グレゴさんはだいぶ驚いていた。こちらの世界には収納魔法はあるが、これは収納魔法でない。


 グレゴさんにはこれまでにも折り畳みフォークやローチェアなんかを見せていた。あれらのキャンプギアの技術はかなり高いこともあって、グレゴさんはだいぶ興味を持っていたからな。


 どちらかというと、アウトドアショップの能力で商品を購入したのを見るよりも元の世界の商品を見たことによって納得してくれた感じだ。さすが鍛冶職人ということだけある。


「俺らも初めて見た時はだいぶ驚いたな」


「ええ。ですがある意味納得もできましたね」


 ライザックさんとパトリスさんも前にそれを告げた時は驚いていたな。まあ、どちらかというとそのあとに見せた地図と図鑑のヤバさに驚いていたけれど。


「しかし、そんなことを儂に伝えても良かったのか? もちろん他の者にテツヤの秘密を話すことなんかはしないが……」


「実はグレゴさんにお願いしたいことがあります。それでみんなにも一緒に来てもらったわけです」


 今日グレゴさんにそのことを伝えたのはお願いしたいことがあるからだ。そのためには俺の能力のことを先に知ってもらっておいた方が話は早いと思った。これで俺の能力のことを知っているのは店の従業員とベルナさんとフェリーさん、そしてここにいる3人となる。


「まずはこれを見てください。ライザックさん、ちょっと手伝ってくれませんか?」


「おう、任せておけ」


 俺は事前に購入してあったキャンプギアをいくつかリュックから取り出す。ライザックさんとパトリスさんに今回のことは事前に話してあり、これらのキャンプギアの設置の仕方は説明してあるから、一緒に手伝ってもらう。


「……ほう、こいつは面白い!」


 俺とライザックさんがキャンプギアを組み立てていくのを興味深そうに見ているグレゴさん。やはり思った通り、職人であるグレゴさんはこういったキャンプギアの組み立ては面白く見えるのだろう。


「これが俺の世界のテントとテーブルとチェアです。見ての通り、こちらの世界のそれよりも遥かに小さくて、持ち運べるように作られています。グレゴさんには俺の世界の技術を使って、これらの物を作ってほしいんです」


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