和楽器の演奏は楽しい
無事に魔法のデモンストレーションも終わりました。
と、いうわけで、リフォームを始めましょう。
基本的なリフォーム計画は昨日のうちに作り上げています。
ある程度部品も出来上がっています。
内装の部品はハイマンガン鋼をベースにする予定ですよ。
……それにしても気になる事があります。
大門でゴンスケさんが言っていた一言です。
――2の姫様を診てやってくれないか。俺らの前では気丈に……
カロリーナのダイエットに関しては、やり過ぎを心配していたのですが、特に衰弱している様子もありません。マルチセンサーのデータを見てもシミュレートの範囲に収まっています。
つまり、この方面は順調だという事です。
あとは何が考えられるでしょうか。
リフォームをしながら、考えを進めていきます。
ユーディが言っていましたね。『カロリーナが怖い…』と。
少し気になりますね。
「ナーギーぃ、いるー?」
「いらっしゃい、ユーディ」
おや、気が付いたら夕方ですね。
床の補強は終わりましたから、今日の作業はここまでにしましょう。
クラウゼルさんは田植え完了の食事会に誘われています。どうせ宴会に突入する事になるので、帰りは遅くなるでしょう。
だから私たちはこっちで夕食会をする事にしたのです。
「そう言えば聞いたわよ。魔法で石灯籠を作ったんですって?」
「大した出来ではありませんけれどね」
リセットさん達の前で作った石灯籠は、その後台座を作って庭のあちこちに置いておきました。こういうものはデータがあればいくらでも量産できるのです。
今のところ出来たのは8基しかありませんけれど。
「精巧な出来栄えですね。何かで研ぎ出したようにぴかぴかですよ!」
「余裕があれば、もっときれいに仕上げたのですけれどね」
表面をぴかぴかにしたのは、その方が汚れが付きにくいからです。
汚れというものは、私たちの目には見えない細かい傷やへこみに入り込みます。
カビやコケはそれを足掛かりにして増えていくのです。
それをごしごしと洗えばキズが増えます。悪循環の始まりですね。
最後には、うああ! な状態になるのです……
「へぇ、そうなんだ… って?」
「ふんむぅ…… 結構、重いのね」
横からにゅっと手を伸ばしたカロリーナが石灯籠を抱え上げていました。
背中に背負っているのは琵琶ですか。ずいぶん派手な仕上げですね。
「あら、カロリーナ。早かったわね」
「伊達に日がな一日篳篥を吹いていたわけじゃないのよ」
「それはすごいですね。音を出すだけでも大変だと聞きましたよ」
篳篥というのは古典的な木管楽器です。
竹筒の端に、葦の茎を削り出したリードを取り付けた楽器で、全体の長さは指を開いた片手の幅くらいです。
音を出すという点でいえば、雅楽器の中では最も難しいものですが……
「ふっふふ。吹きこなせるようになったから、新曲作ってみたのよ」
「それは素晴らしいですね」
「聞いてみる?」
そういうやいなや、カロリーナは篳篥を取り出しました。
ぷおぉぉお……
水神様の祠で儀式をする時に耳にした曲のですが……
実に雅やかで美しい音色です。自慢するだけの事はありますね。
雅楽は聞いていて心が落ち着きます。
ぶぅおおおん! びょヴぁあああ……
聞いているうちにアップテンポになってきましたけれど…
今度は琵琶も同時に… ですか。
びよぃいいいん…… きゅわあぁあぁあぁ……
「GAwWWweuh!」
うわぁあああ……
ここ数年で、和楽器でクラシックとか一般的になってきましたね。
和テイストのメタルという分野もあるそうです。




