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パクスー=ル壊滅

 ジュゲ・Mが率いる艦隊の前では信じられない光景が広がっていった。


「パクスー=ルが… 燃えている?」


 炎と煙に包まれた都市の上空には、いくつもの黒い点が飛び回っている。

 あれが都市を爆撃したのだろうか……


「とにかくパクスー=ルに急行するのだ。急げ!」


 艦隊が都市に近づくにつれて、その惨状ははっきりしてきた。


 都市の上空を飛んでいたドラゴンが、地上に向けて炎を吐き続けているではないか。パクスー=ルの上空を舞う5体のドラゴンは口から吐く炎で、都市を焼き払おうとしているのだ。焼けただれ、廃墟と化した地上からは、生き残った同胞たちが、必死で大砲で応戦している。


「副長、私は… 何を見ているのだろう。アレはおとぎ話に出てくるドラゴンにしか見えないのだが」

「……私にも見えておりますよ。確かに… ドラゴンとしか思えませんな」


 地上で使っているのは都市に近づく大型の野生動物──ケブカゾウやトプスを倒すために配備されている火薬式の大砲だ。素粒子砲が実用化された今とは旧式の部類に入るが、それが発射する直径90ミリ、重量7.5キロもある砲弾は、1.5キロメートル先の目標を確実に撃破する事が出来る。


 この砲弾の直撃に耐えられる生物などいない筈だった。しかし都市の上空を舞うドラゴンの前には無力だった。

 砲弾は命中はしているが、ドラゴンの体を覆う鱗の弾かれているのだ。

 

 その様子は、ジュゲ・Mたちの乗る宇宙船の電子望遠鏡にも捉えられていた。


「よくも我が同胞たちを…」


 そこまで思い至ったジュゲ・Mの視界は、赤く染まった。


「全艦、大砲用意。あのドラゴンを叩き落とすぞ!」


 音速の数倍という超高速で飛行する3隻の宇宙船に備えられた大砲の砲口が鈍く光りはじめた。砲室では砲手たちがカートリッジの装填を進めている。

 隕石を砕く素粒子砲なら、ドラゴンにも効くだろう……


「船長、砲弾はあと2発しかありませんぞ」

「全部、当てれば良いだけだろう……」


 素粒子砲の射程は大気圏内では極端に短くなる。少なくとも数百メートルの距離にまで近づかなければ、効果は期待できないだろう。

 それにいくらドラゴンとはいえ、宇宙船のスピードには反応できまい。


「しっかり狙えよ!」


 やがて衝撃波の尾を引きながら疾走する宇宙船に気が付いたドラゴンの1体が宇宙船に向けて炎を吐くと、大きな翼をはばたかせた。


 どおぉおん!


 ドラゴンの吐く炎が船体に当たったのだろう。

 宇宙船の中ではすさまじい轟音が響き渡った。


「…っく、このスピードで当ててきたか。すぐに被害を確認しろ」


 船体の左側に浅い角度で命中した炎は装甲版で食い止めたが、無傷で済むはずもなかった。着弾のショックでいくつかの機器がショートして火花を噴き出している。すぐに消火することが出来たものの、今までのようなスピードで飛ぶ事は難しいだろう。


「装甲版が焼き切れているそうですぞ」「奴の炎… 鋼鉄を熔かしたのか」


 宇宙空間を駆け、無数の隕石を破壊するために生み出されたラークッジ級宇宙船の装甲は、決してヤワなものではない。幾重にも張り重ねられたその装甲は、厚さ10センチにもなるのだ。


「むう、まだ次は撃てんのか!」

「敵の動きが早過ぎます。狙いが定まりません」


 その巨体に似合わぬ素早い身のこなしで、素粒子砲弾を躱したドラゴンはお返しとばかりに炎を吹きつけてくる。

 ラークッジ級宇宙船は、宇宙空間でのスピードを重視した設計になっている。

 さらに大気圏内では動きの速いドラゴンを相手にするには、分が悪い。


「せめてシャカンナ級だったらな……」

「……今ごろ地面に叩き落とされていましたな」


 シャカンナ級宇宙船はスピードこそラークッジ級に劣るものの、とにかく機動性に優れた宇宙船だ。その性能は大気圏内で曲芸飛行が出来るほど。

 それは宇宙空間で隕石に砲撃を加えるには、必要のないものなのだが……


「照準、よろしい。偏差射撃… 出来る!」


 軽い現実逃避しようとしたジュゲ・Mの耳に、待ちに待った報せが飛び込んだ。


「撃てえぇ!」


 彼の命令で、砲手は素粒子砲の引き金を引いた……

んんんんん…… もっとこう、上手に書きたかったんだけどなぁ…

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