異界人への保険機能【能力付与】
ちょっと短い気がする…?
何故異界人だとバレたのだろうか…?
俺ってそんなに顔に出るタイプ?ババ抜きじゃババが回ってきても真顔でいられる自信あるんだけど…あ?真顔だからバレた?
「お主顔に出すぎじゃ。顔が引き攣っとるわ。目も泳いどるし。図星じゃろ?まぁそんなことしなくてもわかるんじゃが。」
え?マジ?だから新年会の親戚一同のババ抜きでも俺ばっか負けるのか…。なんとなくそんな気もしてたけど…。2つも秘密をバラされて…もうお婿にいけな…いけますね、はい。
「因みに他の方法でもわかるってどういうことですか?」
「よくぞ聞いてくれた!なんと!この世界にはラノベなどの如きスキル…いや違うか、能力というものが存在するのじゃ!その能力の一部【情報透過】をわらわは使うことができるでな。それで見る事ができるのじゃよ!」
カムイは得意気に胸を張って能力について教えてくれた。人にはそれぞれ能力が眠っているのだ、と。
これは確かあの覆面男共が言ってた気がする。
ん?するとラノベだの能力を持ってるだの言ってるカムイって…?
「ん?あぁ、わらわは元々日本という小さき強国に住んでおったよ。お主も日本なんじゃろ?」
まさかの同士!?ここに来て初めて興奮した気がする。
仲間がいると安心するよね?
「はい!俺も日本出身なんです!良かった…なんかすごい安心しましたよ…。因みにカムイの能力である【情報透過】って主にどういう情報が見れるんですか?」
「あぁ、主に対象の身体ステータスや能力を見る事ができるのじゃ。お主の場合は無尽蔵な体力と魔力…いや面白いくらいに偏っておったわ、ククク。」
マジかよ。通りで一日中ぶっ通しで走り続けられた訳だ。
しかし、魔力とは…俺【剣術】じゃ無かったっけ?
「しかし…お主、能力をどこへやったんじゃ?お主の能力行使が封じられている…というか、身体の中に存在していないの。」
え?どこへって…え?
「えっと…?俺の能力って【剣術】なんじゃないんすか?」
するとカムイがギョッとしたように俺を見た。
「お主!?それは誰に聞いた!?」
「確か…ここに来てしまった時に出会った卑劣で人の風上にも置けないクズ野郎たちですね。」
「お、おう。そうか、それでお主、そやつらに能力を調べるとか言われて魔導具を使われなかったかの?もし、もしそうだとすれば、恐らくは…
能力を…奪われたかもしれんぞ…?」
察しの良すぎるカムイさん、実は賢いのです。
見た目は幼いですけど。