異界ってそういうもの。
「うわぁぁぁ!人だぁぁぁぁ!」
「「ギャァァァァ!?なんか出たァァァ!?」」
つい興奮して四足歩行で飛び出してしまった。
やべ。脅かしちゃったかな?
なにぶんいつかぶりの人だったもんで…。
いや客観的に見たらそうとう気持ち悪いわ。失敗失敗。
「何だこいつ…?さっきの火魔法を打ち上げたのもお前か?」
そう言ってこちらに近づいてきたのは2人組の覆面男だった。
どちらも後ろに風呂敷みたいなのを背負っているようだ。
なんか風呂敷の後ろから剣みたいなのが飛び出してるのは気のせいだろう…。
……ん?なんだって?火魔法?魔法?
「何だお前…魔法知らねぇのか?」
え?なんて?いやいや?え?ちょっと待て?
ここはもはや地球ですらないのか?それともイタい奴らに騙されてるのか…?
「す、すいません?ここって何処っすか?地球じゃないんすか?」
「はぁ?何言ってんだよ。ここはフラル村の南の森だぜ?地球って何だよ?」
フラル村?どこやねーん
てか地球を知らないって…。え?マジで?
もしかしてここ…
異世界?
「んん〜?さてはお前、迷い人か?」
迷い人?なんじゃそりゃ?俺は地球人や。日本人や。関西圏の関西人や。
「あぁ、迷い人ってのは異界人の総称だよ。んで、お前は異界人なのか?」
俺…心よまれてる?えっ…てことはここって地球じゃなくて…
「ここって…異界っすか…?」
「まぁ…お前らからしたらそうなるな。と、するとお前は異界人か。しゃーねえ。俺らが保護してフラル村まで届けてやるよ。ここにいちゃなんにもできねぇだろ?(いい金づるが手に入ったなぁ…。)」
マジ…?ここ異界なの?嘘やろ…?
しかし、今更後悔しても何も始まんないし…保護して届けてくれるって言うからお言葉に甘えようかな?
最後の方にもボソボソ言った気がするが気のせいだろう。魔法ってのも気になるしな!
この時誠は浮かれていた。魔法があるから?異界だから?
どちらにせよ、これが後に面倒な事になるとは当時の誠は知る由もなかった。
村の名前を考えてたらウラル山脈が出てきたので、名前をいじってフラル村になりました。