極端な性格。
ユーリは元々『リュウ』という名前で通そうとしてましたが、昇竜権の侵害しそうだったので断念しました。残念。
「あのぉ〜?そろそろ拘束を解いてもらっても?」
起きぬけに声が聞こえてきた。えっと…『ユーリ』だっけ…あと誰かいたような…?
「ちょっとぉ!人を拘束しておきながら忘れないでよ!後私は誰って名前じゃないし!私には神より賜った『アリエス』って名前があるんですぅ〜!」
えっそんなボケかましたつもり無いんすけど…。
てか神より賜った名前って…言動までイタイとか末期だね。
カムイに悪影響だしここで病死してもらおうか…
死因は【厨二病】…と
「なぜそうなるの!?ちょ、違うの!ちょ、ちょっとお花つみに行きたいな〜なんて?大丈夫、全く敵意は無いから!拘束解いてください!」
お花つみ…?あぁそういうことかよ。
ホントか?
「危害加えないから!絶対!危害加えたらユーリの首飛ばしてもいい!」
「やめたれ。」
何気にひでぇな。まぁこれで人質いただきました!
とりあえず俺はアリエスの拘束を解除してやった。ついでに横に横たわっていたユーリの麻痺も解除してやった。
こいつずっと横たわってるけど生きてるよな?
「…あのぉ〜、カムイさん、でしたっけ?ちょっと…お花つみに付いてきてくれませんか…?いや!別に?いざという時の為に付いてきてくれると助かるな〜なんて?」
「え?いや…別に今行きたい気分ではないでな、遠慮しておこう。」
「えっ!それは困りますよぉ!?ほら!えっと…いざ襲われたら抵抗できないじゃないですか!」
それはさっき聞いた。
しかし、なにか不自然極まりない演技だな…?なんか隠してるんじゃないだろうな?
「…すまない…カムイさん、だっけ?アリエスに付いて行ってやってくれないか?実は…アリエスはちっとばかし面倒な性格でな?」
おわぁ!?
ユーリが突然喋った。ビックリした…おま、起きてるなら言えよ!マジでビビったわ!
しかし…面倒な性格…?厨ニ病かな?
「ちょ、ちょっと!言わないでよ!コンプレックスなの!」
「いや、言わねえと始まんねぇだろ…。あのな、こいつさ…
凄いビビりなんだよ。少しばかり過剰な性格なんだ…。」
おん?ビビり?ついさっき戦闘狂のビビりもどきに襲われたんですが…?
「いやぁ〜!い、言わないでよ!そ、そうだ!さ!カムイさん、行きましょ!」
「え?どこに?いや…わらわは行かなくても…」
「いいから!」
なんかカムイが無理やり連れてかれた。大丈夫か?
まぁカムイなら大丈夫かな?
アリエスが行ったのを確認するとユーリはまた話し出した。
「いや…あいつさ、戦闘とかいう生臭いやり取りがすげぇ苦手みたいでな?恐怖心を押し殺して戦ってるんだよ。あのとき襲ったのも悪かった。どうか許してやってくんねぇか?」
なるほど…さっきの戦闘狂もどきはそういうことかよ。
てかお花つみに行くのにもビビるとか…まだ昼だぜ?
しかし…
「少しばかり失礼なことを聞くが…あいつと旅をするのにキツイと思う事はあるのか?」
するとユーリは苦笑いしてこう話した。
「大丈夫だ。こういう事はよく聞かれたからさ。
俺には夢があってな?もしこういう場所に来たら冒険者とかやって1番になりたい!って思ったんだよ。それをアリエスに話したら思ったより受けてな?『なら私達でコンビを組んで1番になりましょ!だから…これからも私と一緒にいてくれる?』って言われてさ。まぁキツかった時もあるけど、俺は一緒にいて楽しいぜ?」
まぁ、楽しいんだな?それはいいんだけど…
こいつさ、もしかして遠回しの告白に気づいてない?
告白かどうかはわからんが…。
鈍感男は死にたまへ。
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「お前も…苦労してたんだな…?」
「ちょ、ちょっと!なんでそんなに同情の目でこっちを見てくるの!?なんかウザいわよ!」
お花つみから戻ってきたアリエスを励ましてやったのにウザがられた。解せぬ。
もうちょっとで村へ着くはず。急げ急げ。