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君だけの理解者になりたい  作者: ラリックマ
そして彼は、今までの失敗を学ぶ……
79/80

感謝……

 俺たちが教室に着くと、教室の中はある特定の人物を囲うような形で輪になっていた。

 いったい誰が囲まれているのかとその輪の中心を見てみると、花がすごいだのかっこいいだのと言われていた……。

 まああんなことがあったんだ。

 こうなっても別におかしくはない……。

 俺たちが輪の方を見ていると、その輪から一人の女子生徒が飛び出してきた。

 

「あ、美咲! どこ行ってたの? あんたのせいで私たちめっちゃ大変だったんだからね」


 輪の中から出てきた阿澄は、橋川と目が合うなりいきなり愚痴を言ってきた。

 だが本気で怒っているといった様子ではなく、むしろ心配していたという様子だ……。


「ごめんごめん。でもバンドの方は大成功だったし良かったじゃん」


「そんな他人事のように……」


 呆れかえっていた阿澄に、橋川があははと微笑していた。

 まあなんにせよ橋川が責められるようなことがなくて良かった……。

 正直そのことについても少し心配していたのだが、杞憂(きゆう)だったようだ……。

 というかいつの間にこの二人仲良くなったんだ……? 

 前は名字で呼び合ってたのに今は名前で呼んでるし……。

 まあ同じバンド仲間なのだから、その最中に仲良くなっても不思議なことじゃないか……。

 俺は空気を読むようにその場を離れて、隅っこの壁に寄りかかる。

 寄りかかりながらクラスの輪の中心にいる花の方を見ていると、一瞬目が合った。

 目が合うや否や、花はクラスメイト達の輪から抜け出してこちらに寄ってきた。


「ちょっといいかしら?」


 花はこっちに来るなり、俺の隣の空いたスペースの壁に寄りかかってきた。


「な、なんだよ……?」


 俺は内心ビクビクしながらそう聞いた。

 もしかしたら余計なお世話と言われたりするのかもしれない……。

 それとも勝手にバンドをやらせたことを怒られるかもしれない……。

 今から花になんて言われるのか俺は想像もつかなかった……。

 だが、花から言われた言葉は俺の想像していた悪いものではなく。


「あの……あなたにこんなことを言うのは大変屈辱(くつじょく)なのだけどその……ありがとう……」


 っと、小さな声で照れながらも花はそういった。

 花が素直にお礼の言葉を俺に送るなんて何事かと思ったが、そのぐらい今回のことに関しては感謝してるってことなのだろう……。


「まあ今回のことをやったのはほとんど橋川だからな……。お礼ならあいつに言ってやってくれ」


 俺がそう言うと花は微笑(ほほえ)んで。


「ええ、分かってるわよ。あなたにこんな大それたことができるわけないもの」


 っと、余計な一言を口に(はさ)んだ。

 そして花は、そのまま橋川たちの方へ体を向けてから。


「放課後に国語研究室に来てちょうだい……」


 そういって橋川たちの方へ向かって行った。

 


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