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君だけの理解者になりたい  作者: ラリックマ
そして彼は、今までの失敗を学ぶ……
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杞憂……

 あれから一週間ほどが経ち、来週には文化祭というところまで迫ってきてしまった……。

 俺達は毎度のごとく、作戦会議という名のお話し会を開いていた。

 橋川が何か案を出しては、それを否定するという作業を繰り返す時間……。

 いつものサイゼで、俺達はぐでーっと机に倒れこんでいた。

 もう話し合いすらしてない。

 本当に無駄な時間を過ごしていると思う……。

 橋川も多分同じことを考えていると思うのだが、何故か律義(りちぎ)に手伝ってくれている。

 橋川は机に伏せたまま、話しかけてくる。


「ねえ優太ー、私この一週間阿澄と矢木澤を観察してて思ったんだけどさー」


「なんだ?」


 そう問い返すが、橋川が言おうとしていることは大体わかった。

 それでも一応確認のために、続きを話すように促す。


「多分このまま何もしなくても矢木澤がいじめられることはないと思うんだよね」


「うん……なんか最近俺もそう思ってきた……」


 昔花が些細(ささい)なことがきっかけでいじめられたから、大事に考えすぎてしまったかもしれない。

 そもそも花がいじめられたきっかけは、中学二年の夏休みだと思う。

 それまでは悪口を言われるか、軽い嫌がらせをされるぐらいで、いじめというほどではなかった。

 あの夏休みに”何か”があったから、あそこまでひどくなったのだと思う……。

 まあ俺は花が夏休みに何があったのか知らないから、これは俺の想像でしかないけど。

 つまるところ、別に花と阿澄達がこれ以上何か()めなければ、花がいじめられるなんてことはないと思う。


「じゃあこれからは花と阿澄達の様子を見つつ、何かあったらまた集合するってことで。だから明日以降は放課後残らないで、また何かあったら残るってことでいいか……?」


「まあこのまま残ってても何もないし、それが妥当だよねー」


 橋川はそういって、鞄を肩にかけて立ち上がった。

 俺も同じように立ち上がり、会計を済ませる。

 そうして俺たちはサイゼを出ていき、それぞれ家に帰った。

 まあ放課後残ったところで何か進展するわけでもないし、花も別に今後阿澄と何か揉め事を起こすこともないと思うから大丈夫だろ。

 フラグっぽいことを考えるが、まあ現実にフラグなんてものは無い。

 嫌な予感が当たったりするのも偶然であり、そういうフラグっぽいことを考えて当たってしまうのも偶然である。

 そしてそんな偶然が、今回一番当たって欲しくないときに当たるなんてことはありえない!

 俺は今までが杞憂(きゆう)過ぎたと思い、少しポジティブに今後のことを考えていた。


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