彼は彼女を気に掛ける……
「皆さん、テストは明日からですよ。しっかりと今まで習ったところを復習して、明日のテストに挑みましょう!」
いよいよ明日からテストが始まる……。
もちろん俺は何の備えもしていない……。
ワークなんかの提出物には手を付けてないし、もちろん勉強もしていない……。
幽霊部員でほとんど帰宅部状態だが、全くしていない……。
帰宅部は勉強時間多めにとれるから、頭がよくないとおかしい! なんてこと言う輩がいるが、そうじゃない……。
部活をしている者は、テストの二週間前から部活休みというものがある……。
普段部活動をしている時間を、勉強に割り当てることが出来るのだ……。
そしたらいつも部活動をしている連中は、手持ち無沙汰になるから仕方なく勉強をする……。
でも帰宅部はそうじゃない……。
テスト二週間前になっても普段と何も変わらずに過ごしている……。
まあこんなこと言っても、帰宅部で頭いい奴はいるし、部活してて頭悪い奴もいる……。
長ったらしい言い訳を心の中でして、俺は帰る準備をする……。
「早くしてくれるかしら? こっちは優太におごらせるために勉強しなくちゃいけないの」
腕を組んで、二の腕を人差し指でトントンとたたいている花がやってきた。
早くしろといわんばかりにトントンしている……。
何で人って相手を急かしたりイラついてる時とかに、机とかを人差し指でトントンたたくんだろう……。
「俺にテストの点で勝つつもりなら多分……というか絶対ノー勉でも平気だと思うぞ……」
多分俺が勉強しても、ノー勉の花に負ける自信がある……。
花は口角を上げてニヤっと笑うと。
「そんなの当り前じゃない。でも私はただ勝ちたいんじゃないの……。完膚なきまでに叩き潰したいの……」
そんな笑顔で言われても……。
てか叩き潰すってなんか怖いよ……。
できれば物理的に叩き潰すのは勘弁していただきたい……。
俺達は教室を施錠して下駄箱に向かう……。
俺が下駄箱で上履きをロッカーに入れると、花は鞄から出したビニール袋の中に上履きを入れた……。
「大変だな……」
「いいのよ別に……。それだけみんなが私に注目してるってことでしょ?」
思考がポジティブすぎる……。
神経が図太いとかそんなレベルじゃない……。
俺達は靴に履き替えて校門を後にする……。
雑談をしながら帰るが、花は嫌がらせを受けてから少し口数が減った気がする……。
まあ、もともと多くないのであんまり変わらない気もするが……。
十分ほどして家の前に着くと、花と別れる……。
俺は家に着くなり勉強……なんてものはせずに、自室でゲームをする……。
しかしそのゲームも集中できない……。
彼女がこのテストでまた学年一位なんて取ったら、この嫌がらせが悪化してしまうのではないか……。
そう思っていた……。
でも彼女が何をされたところで、平然としているのだろう……。
俺なんかが気にかけなくても、彼女は一人で解決して先に進んでいくのだろう……。




