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君だけの理解者になりたい  作者: ラリックマ
彼と彼女の過去……
32/80

新学期の憂鬱……

 新学期早々もう学校へ行きたくなくなった……。

 そんな気分で家に着くと、自分の部屋に行きすぐに寝てしまった……。

 それからどれほどたっただろうか……?

 俺はいきなり布団を()がされて目を覚ます……。


「お兄ちゃん、いつまで寝てんの?」

 

 いつも通りに万葉が起こしに来た……。

 コイツはもっと普通に起こせないのかな……。

 なんて思いながら、体を起こす。


「そろそろ夕食の時間か?」


 昼間っから寝てしまったので、そろそろそんな時間だと思ったが……。


「お兄ちゃん寝ぼけてんの? もう朝だよ!」


「へ?」


 俺は間抜けな声を出してしまった……。

 いやいや……。

 だって俺が寝た時間は、昼の一時だぞ?

 仮にもし万葉の言った通り朝だとしたら、俺は17時間寝てることになる……。

 いくら何でも有り得ないだろ……。

 俺は恐る恐る目覚まし時計に手を伸ばす……。


「7時40分!?」


 嘘だろ?

 いや、きっと夜の7時40分に違いない……。

 でもそれだと19時40分ってなってないとおかしいし……。

 これは夢だな!

 俺は夢だということに気づいて、再びベッドに横たわる。


「はぁ……。お兄ちゃん、現実を受け止めようよ」


 万葉は強引に俺の服を引っ張って、ベッドから落とそうとしてくる……。

 俺はそれに抵抗するように、シーツにしがみつく。


「いい加減早く起きないと花ちゃん来ちゃうよ!」


「あいつには今日休むって伝えといてくれ」


往生際(おうじょうぎわ)が……わるうわわわわ!」


 俺はシーツを(つか)んでる手に限界がきて、シーツを放してしまった……。

 いきなり手を放してしまったので、万葉は床に尻もちをついてしまった……。


「大丈夫か?」


「いたた……。全く! 不出来な兄を持つと苦労するのは誰だと思ってるの? 早く下に行って!」


 万葉は立ち上がると俺の背中を押して、無理やり連れてこうとする……。


「分かった、自分で歩くから押すな」


 こうして、妹との激しい戦いも終わり、朝の支度を済ませる。

 制服に着替えて全ての支度が終わったころに、インターホンが鳴った。


「じゃあ行ってくる」


「行ってらっしゃい」


 母親に見送られて、家を出る……。

 玄関の外には、いつも通り花がカバンを両手で持って待っていた。


「あら? なんか疲れた顔をしてるわね?」


「あぁ分かるか。妹と激しい戦いをしてきてな……」


「そう……。こんな不出来な兄を持つなんて、万葉も苦労してるわね……」


 なんかさっきも似たようなこと言われた気がするんだけど……。

 

「それにしてもよく学校へ行く気になったわね。私ならあんな醜態(しゅうたい)をさらしたら、学校なんてとてもじゃないけど行けないわ」


「俺だって行きたくなかったよ……。でも流石に不登校になったら親に迷惑かかるし……」


「何言ってるのよ。あなたはもう取り返しのつかないぐらい、いろんな人に迷惑をかけてるじゃない」


 そんなことを言った花は、クスクス笑っていた……。

 取り返しのつかない迷惑って、俺どんなことしたんだよ……。

 そうしていつも通りのくだらない会話をしながら、俺達は学校に向かう。


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