暴言の理由……
「というか、私に友達ができないのはあなたのせいよ」
「えぇ……」
「あなたと話していたら、普通の人とどういう会話をすればいいか分からなくなったのよ!」
「いやいや、流石に俺は悪くねぇだろ……」
「いや、毎回私に暴言を吐かせるあなたが悪いのよ! どうしてそんなに罵られたそうな顔をしているの?」
「いや別にしてねーし!」
半ば理不尽な理由で俺のせいにされる……。
「あなたのせいで、人と話すときに暴言を通さないと会話できなくなったじゃない。どうしてくれるの?」
「どうしろといわれても……。暴言吐くのをやめればいいんじゃないか?」
「それは無理よ……」
「どうしてだ? 前はそんなに暴言なんて吐いてなかったのに……」
そう……。
中学時代の矢木澤は、暴言なんて全く言わなかったし、こんなに偉そうでもなかった……。
「というか、何で私は毎回あなたに暴言を吐いたりしてるのに、平気にしていられるの? 何なの? ドMなの?」
「なわけあるか!」
俺は断じてそんな性癖になど、目覚めていない……はず。
「まあいいわ、次の競技は私が出るからもう行くわ」
そうして矢木澤は、『すたすた』と赤組の方へ戻っていった……。
俺はここにいるか……。
どうせ戻っても居心地が悪いだけなので、俺は白組の後ろの方で観ることにした。
「次のプログラムは、一学年の学年種目”全員リレー”です」
次は一年の学年種目か……、って俺一年じゃねぇか!
矢木澤の奴、わざと教えなかったな……。
俺は慌てて赤組のところに合流する。
「はぁはぁ……」
走ってきたので、だいぶ疲れた……。
合流したところには、先に来ていた矢木澤が、腕を組んで待っていた。
「あら、これから走るというのに何でそんなに疲れてるのかしら?」
コイツ……。
さっきコイツが、次は一年の学年種目だということを教えてくれれば、俺はこんなに疲れる必要もなかったのに……。
「お前なぁ……」
「まあどうせ、あなたは走らないのだからいいじゃない」
そういえばそうだった……。
予行練習では、走順が一番の奴しか走らなくていいんだった……。
「お前は何走目なんだ?」
「私? 私は14走よ」
14?
コイツのことだから、アンカーかと思ったが、意外と普通の所なんだな……。
「あなたは?」
「俺? 俺は8走だけど」
「ずいぶんと中途半端ね……」
それお前に言われる!?
なんて思ったが、疲れて言い返す気にもならなかった。
「偶数の方はこっちに並んでください」
体育祭実行委員に案内されて、俺達は番号の場所に並ぶ。
合図を出す先生が前に出てきて。
「よーい……」
といって、ピストルを上に掲げる。
「パン!」
銃声とともに、一走者目の奴が走り出した。
俺たちの組が、一番早くゴールテープを切ると……。
「パンパン」
と、銃声が二回鳴らされた……。
一瞬でリレーが終わり、俺達は退場していく……。
残るは綱引きだけになった俺は、早く家に帰りたかった……。




