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君だけの理解者になりたい  作者: ラリックマ
彼女の心境……
14/80

学生とテスト……

 テスト……。

 学生である以上は、避けては通れない道……。

 もちろん俺たちの高校にも当然のようにあり、かくいう俺も覚悟を決めていた……。


「よし! かえってゲームしよ」


「待ちなさい、どこへ行く気?」


「いや、テスト期間だから部活もないし、帰ろうかなって……」


 俺はこの、テスト前の準備期間という名の執行猶予を、ゲームをして過ごすことに決めていた……。


「何言ってるの? あなたどうせ帰っても勉強なんてしないじゃない? それに私たちが入ってるのは同窓会よ? だから今日もあるわよ」


「えぇ、テスト前部活まで部活動とかどんなブラック部活? しかも別に俺たちいつも何もしてないからいいだろ」


「あなたに拒否権はないのよ。いいから早く来なさい」


 言われるがままに、矢木澤の三歩後を歩く……。


「で、来たけど何すんだよ?」


「あなた馬鹿なの? 一週間後にテストがあるんだから、テスト勉強をするに決まってるじゃない」


 何と、急に部室に連れて来た矢木澤は、『テスト勉強をする』と言い出した……。


「うん、頑張ってください……」


 俺はすぐさま部屋を出ようとするが、矢木澤にえ後ろえりをつかまれてしまった。

 

「待ちなさい、あなたも一緒にやるのよ?」


「いやいいよ、別に大学行く気ないし……」


「何言ってるの? 学年最下位の馬鹿をやとってくれるとこなんて、ブラックしかないわよ」


 もう最下位取ることは確定してるのかよ……。

 でも確かに、中学の頃はたいして勉強してないから、割と下の方の順位だったしな……。


「でも友達とやると集中できないだろ? だからやっぱ俺帰るわ」


「大丈夫よ、あなたは友達じゃなくて召使だから」


 何も大丈夫じゃないんだけど……。

 てか前は奴隷とか言ってなかった?

 役職変わっちゃってるよ!


「いや本当に、俺のことは心配しないでいいから」


「誰もあなたの心配なんてしてないわよ。あなたに悪い成績をとられると、部の評価が下がるから……」


「いや多分誰も気にしてないと思うぞ?」


 まず誰もこの部活が活動してることすら知らないと思う……。

 もう一回部屋を出ようとすると……。


「いいから!」


 俺は、無理やり後ろ襟を引っ張られて、椅子にぶん投げられた。


「いたた……。分かったよ、ここにいてやるからやってていいぞ」


 倒れた椅子を立ち上げて、携帯を出す。


「俺は携帯いじってるから、終わったら言ってくれ」


「何言ってるの? あなたも勉強するのよ。分かったらまず問題集をやりなさい」


「いや別にいいよ、問題集とか一問目から分からなくて、結局一時間ぐらい問題とにらめっこしてやめるタイプなんだよ……」


 そう、問題集はまず、問題の解き方が分からない……。

 解説見ろとか言われても、その解説が分からない……。

 まずあの解説作ってる奴、ちょっと勉強分かるやつ前提で作るのやめてくれない?

 小学一年生が見ても理解できる解説を作るようにしてほしい……。


「まあだから、俺のことは気にしないでくれ……」


 俺が携帯を取り出そうとすると……。


「じゃあ私が教えてあげるわ」


「え!?」


 あれ?

 幻聴?

 いきなりどうしたんだコイツ……?

 いつもの矢木澤らしくない発言に、俺は戸惑った。


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