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君だけの理解者になりたい  作者: ラリックマ
新しい生活とこれから……
12/80

来世……

「私たちの班は、『どちらの肩も持たずに仲裁する』という結論に至りました」


 結局橋川は戻ってこず、グループディスカッションの結果は、渡部さんのアイディアで決まった。


「まあ今回の授業を生かして、就職の時とかに頑張ってくれたまえ!」

 

 そうして、長かった六時間目が終わった……。

 帰りの会が終わり、矢木澤が教室を出るタイミングで、俺も教室を出る。

 俺はいつも通りに、コミュ部に行くと。


「遅い……何で帰りの会がおわったらすぐに来ないの?」


「いや、お前が時間合わせんなとか言ったから、俺は毎回少し教室に残ってだな……」


「そんなこと言ったかしら?  まあそんなことより、今日のあれは何かしら?」


「あれ?」


 矢木澤が言っている”あれ”のことがよくわからなかった……。


「だから、グループディスカッションのアイディアのことよ。『ほっとく』って、あんな変な意見出すから、橋川さんと揉めちゃったじゃない」


 あれって俺のせいなの?


「仕方ないだろ……。俺友達いないんだから、なんて言っていいか分からなかったんだよ」


「まあ確かに、今後も矢須君に友達は出来ないと思うけど……」


「おい、何勝手に人の未来予想してんの? もしかしたら一人ぐらいできるかもしれないだろ!」


「無理よ、もう高校生活が始まって一週間経つのよ? それなのに、あなたが私以外の人と話しているところを見たことがないわ」


「いや、それはまだ誰も話しかけに来ないからだ! そろそろ誰か来るはずだ……」


「そうやって話しかけられるのを待ってる時点でもうだめね。だいたい話しかけられる人は話しかけられるのよ? 私とか……」


 た、確かに矢木澤は二日目ぐらいから、めっちゃ話しかけられてる……。

 それどころか告白までされてると来た……。

 なのになぜ、俺のところには誰も来ないんだ?

 まさか、俺は産まれた時から、生涯孤独で生きていくことを約束されていたのか!?

 誰だよ勝手にそんな約束したやつ!


「まあ来世に期待することね」


「来世もまた人間やれてるか分かんねぇよ……」


「そうね、貝なんかどうかしら? あなたいつも自分の部屋に引きこもってるじゃない。お似合いよ」


 そんなお勧めされても困る。

 大体引き籠りじゃないし。

 引き籠ってるのは休日だけで、平日は学校行ってるから引き籠りじゃないし!


「まあそんな矢須君の友達出来ない話は置いといて……。橋川さん、どうしようかしら……」


「ほっとけよ。たいして仲良くないだろ、てかむしろ悪いだろ」


「でもこのままじゃ私の積み重ねてきたものが、崩れてしまうわ」


 お前はたった一週間で、何を積み上げてきたんだ……。

 なんて言ったらまたディスられそうだからやめておく……。


「じゃあどうすんだ?」


「探そうと思ったのだけど、多分私が見つけて話しかけたところで逆効果だと思うの……。だからほっとくわ」


 結局なんもしないのかよ!

 まあ確かに、こいつが話しかけに言ったところで、また口論が始まりそうだそな……。

 


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