表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君だけの理解者になりたい  作者: ラリックマ
新しい生活とこれから……
10/80

グループディスカッショ……

 六時間目……。

 授業の最後の時間……。

 この六時間目の終わりのチャイムが鳴った時、人はどう思うだろうか……。 

 長くてつらい学校からようやく解放されると嬉しむか、楽しかった学校が終わってしまったと嘆くか……。

 もちろん俺は、前者だ。


「よーし、じゃあこの時間は交友を深める意味も込めて、簡単なグループディスカッションをやってもらう。議論を30分、発表を20分と考えている」


 で、でたーグループディスカッション……。

 ”答えのないテーマ”に沿って、複数人で討論して結論を出すグループディスカッション。

 しかも、まだ入学してそんな時間が経ってないこの時期に……。

 こんなの誰も意見出さずに、一時間静かなまま終わるのが目に見えて分かる……。

 こんなの交友どころかみぞが深まるだけだろ……。


「じゃあ役割等は、各班で決めてくれたまえ。じゃあテーマは『自分の友達二人が喧嘩をしてます。あなたならどうする?』だ!」


 なんてお題だしやがるこのクソ教師……。

 友達がいない生徒のことも、しっかり考えてからお題を出しましょう!

 

「ではまず役割を決めましょうか。司会、書記、タイムキーパーの中で、やりたいものがある方はいませんか?」


 そういったのは、隣の矢木澤だった。

 てかもうすでに進行してるし、コイツが司会でいいだろ……。


「じゃあ私タイムキーパーやるよ!」


 手を挙げたのは、クラス委員の渡部さんだった。

 ってっきりクラス委員だから、司会をやるものだと思っていた……。


「分かりました、じゃあ後の二つですが……」


「司会……あんたがやりなよ。今だって勝手に仕切ってるし……」


 喧嘩腰けんかごしで言ったのは、いつも針谷の取り巻きにいる女だった。

 めっちゃ性格悪そう……。

 初対面で、俺の苦手なタイプだと判断した。


「分かりました。あとは書記ですが……」


 そういって矢木澤はこちらをにらみつけてくる。

 怖! 

 目で殺しに来てるよ!

 『さっさと手を挙げろ』と言わんばかりに、矢木澤が睨め付けてくるので、仕方なく書記をやる……。


「では各々の役割も決まったことですし、さっそく時間配分を決めましょう」


「やっぱ議論する時間を多めにとった方が、いいと思うな!」


「では、議論を20分、まとめる時間を10分としたいと思います。何か意見がなければこのまま進めますが……」


「うん、それでいいと思うよ! 他のみんなもいいよね?」


「まあいんじゃない? うち会話する気あんまないし」


「そ、そう……。えーと矢須君はこれでいいかな?」


「うん、いんじゃないか」


 と、さっそく話しあいが始まろうとしているが……。


「では『自分の友達二人が喧嘩をしてます。あなたならどうする?』について、話しあいをしていきたいと思います。何か意見のある方はいますか……?」


「うーんと、私ならどっちかの肩を持たずに、仲裁するかな……」


 渡部さんの意見を、配られた紙に書く。

 書記なんてやったことないので、とりあえず意見を書いていくことにする。

 というかこのままじゃ、矢木澤と渡部さんの二人が議論して終わることになりそうだ……。

 突然のグループディスカッションに不安を感じづにはいられなかった。

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ