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帰り道

 数日後、ジェインは虎之助とともに もう少し調べようと再度、西湖へ行った。帰りは小田原を通る事にした。

「小田原城は戦国時代、北条氏の居城だったところね」

「よく知ってますね」

「日本の歴史は少しだけど勉強したわ」

「戦国の北条氏はたった一代で伊豆から武蔵辺りまでの大大名に成り上がった。

 その北条氏を攻めて小田原城の籠城戦に押し込んだ長尾景虎という武将がいたんです」

「景虎? 聞いたことある」

「僕の家はその景虎公の末裔だと聞かされてきたんです。真偽は全く不明ですが」

「へえー、何だか面白い話ね」

「でも戦国時代は華々しい戦いだけがクローズアップされますが、落城した所の人達は殺されたり売られたりしたわけですよ。景虎公もまた然り、戦なので人は死ぬでしょうし、人身売買を許可したという資料も残ってるらしいです。義の人とも言われますが、キレイ事だけではないんですね。彼らは定めと世の習いと諦めるしかないのでしょうか?」

「そうかも知れない。でもそのような世の中を変えようと戦ったのではないかしら、景虎に限らず」

「ええ、そんな武将もいたかも知れないですね。

 それで景虎公もやっぱり人身売買をしてたんですが、歴史好きの人の中には少し違う意見の人もいます。

 人身売買の値段を安く抑えてたようだと、生捕られた者で親族のある者は身代金として払う場合もあったようで、当時としては比較的良心的値段ではなかったのかと? 当時の慣例として一応許可していたが、このような事で大きな儲けには ならないようにしていたのでは? という見方もあります」

「そうよ、そうだと思う」

「あくまでも推測の一つですが、どちらにしても戦乱になると乱取りは起きるのかも知れません」


 研究室までもう少しとなった。

「いつ帰るんですか?」

「あと2週間、来月初めには帰るわ。マスの件も一段落しそうだし。でも又会えると思う」

「そうですか、そうですね、期待しないで待ってますよ」



 (おわり)

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