進軍開始
【グリモダロ】を支配した翌日。
表向きはいつも通りに過ごしている人々の裏で、僕達は動き始めていた。
「さて、まずは禁書庫に行ってくるよ。ちょっと待っててね」
僕の言葉にルティエラ達は頷く。
禁書庫漁りが終わり次第、他国侵略を始めるつもり。
コーリジェアはすでに他国の機密を見に行っている。それも含めて、どう侵略するかも決めるしね。
そして地下の書庫に入る。
鍵は昨日のうちに僕だけフリーに入れるようにしておいた。
「おぉ~。暴れてるねぇ」
僕が入った瞬間、本達が騒ぎ出す。禁書って言うとやっぱり呪いに近いものが多いんだな。
魔力を放出すると、ピタッと大人しくなる。
ふむ。ちゃんと相手がどんな奴か判断しているようだね。
まぁ、もう無駄だけどさ。
「寄こせ」
僕が呟いた瞬間、書庫にある無数の本からモヤっとしたものが飛び出し、僕に吸い込まれていく。頭の中に膨大な情報が流れてくる。
おぉ……結構キツイな。ふむ?思ったより反抗してくるじゃないか。僕を乗っ取ろうなんて馬鹿なことをする。
無数の禁書の意思を魔力で握り潰して、知識だけを吸い取っていく。
大抵は既に使える力だけど、使い方を新たに知ることは出来る。
そして全てを吸い尽くす。
「ふぅ……これはしばらく整理する時間もいるかな。やっぱり【全知】なんてものには程遠いな。まぁ、無理だってのは分かってるけど」
というか【全能】を持っている時点で、【全知】なんて関係ないんだけどね。
どんな知識があろうとも、それを実行できる能力がなければ意味はない。けれど、能力があれば、後から知識を得ても十分に挽回出来る。
どんな大発見をしても、それを実証出来る設備や研究成果を出せなければ、それは大発見として認められない。
ここが研究者が不遇になりやすい原因だよねぇ。
英雄は暴れれば認められるんだもの。楽だよねぇ。
「それにしても面白いものもあったなぁ。魔王の生まれ方とか神界への行き方、精神と魂の関係性とか……」
神界はもう知ってるけど、それを人間が見つけるとはねぇ。
そりゃあ、禁書にされるよね。
僕は禁書に結界を張り、出る直前に火の玉を放置する。そして扉を閉めると中で爆発が起こる。
これで禁書は終わり。機密情報は……コーリジェアに任せておけばいいか。
国造りに関してはコーリジェア主体でいいでしょ。僕は王様に興味はない。
ルティエラ達の元に戻る。
「おかえりなさいませ」
「もう終わったのかい?」
「まぁ、整理はいるけどね。別に暴れるだけなら問題ないよ」
「では、後はコーリジェアの情報収集待ちですか?」
「そうだね。最初にどの国を攻め落とすか決めないとね。そこらへんはコリィの方が適任さ」
「あの子、倒れないかい?」
「近いうちに【賢者】の誰かを助手に付けるさ」
「失礼しますわぁん」
話していると、1人の女が声を掛けてくる。
「どうしたの?デルボラ」
赤いロングヘアに茶色の瞳を持ち、ボンキュボンのスタイルをしている女性。
「禁書の確認は終わったのかしらぁん?」
「終わったよ」
「うふふぅん♪ありましたのぉん?ホムンクルスの製法はぁん」
「あったよ。もちろん後で君にも手伝ってもらうから、安心しなよ」
「ありがとうございますわぁん」
僕の言葉に優雅に頭を下げるデルボラ。そして頭を上げると、妖艶に微笑む
「うふふぅん♪やはりぃナオ様にぃ降ってよかったですわぁん」
「……これが【賢者】の1人とは……」
「まぁ、研究者ってこんなもんじゃないかい?」
「……それに私と見た目が……」
「……そっちかい?」
ルティエラの言葉にシフラがジト目を向ける。
まぁ、髪の色もスタイルも似ているからね。
デルボラは他の賢者共と違い、【操命】を使っていない。純粋に僕の行動に賛同して、協力すると言ってきたのだ。
まぁ、僕の行動って言うか、ホムンクルスやオートマタの製法に興味があるだけなんだけどね。
デルボラの研究テーマは【人形兵器】。そしてデルボラの真の目的はホムンクルスの作製なんだよね。そのために、ここに所属して禁書を見ようとしていた。それを知った僕は、デルボラに『僕も禁書が目的で、ホムンクルス作る気なんだけど、どう?』って声を掛けたら、一瞬で靡いた。
まぁ、彼女は倫理観なんてぶっ飛んでるしね。裏切られても殺せばいいし。協力させてあげることにした。
ちなみにデルボラは【人形の賢者】。人形を操ることが出来る。ホムンクルスは人形の分類じゃないけどね。オートマタの研究をしていて、興味を持ったらしい。気持ちは分かる。彼女は人形を作ってるみたいだし、そんなことしていると『人の形をした生命を作ってみたい』って思うこともあるさ。
「デビュは面白かったかい?」
「もちろんですわぁん!あれだけの人形はぁ見たことがありませんわぁん!」
デルボラはクネクネして興奮する。
それは良かった。ちょっと気持ち悪いけど。
そこにコーリジェアが戻ってきた。
「もう終わったのかい?」
「いえ、とりあえずこの国周囲の国だけを見てきただけです」
「どうだったのですか?」
「まぁ、大した情報はありませんね。汚職とか王族の隠し子とかばかりです」
「十分大した情報だよ」
「これから滅びる国の王族のことや汚職などどうでもいいでしょう?」
シフラの言葉にコーリジェアが不思議そうに首を傾げる。
「で?どの国から行けばいいかな?」
僕はテーブルに地図を広げる。
さりげなくデルボラもいるけど、誰も気にしない。
「う~ん……どの国と言いますか……」
「うん?」
「もう一気に3か国くらい同時に落としたら如何ですか?」
「……ふむ。なるほど」
「ナオ様が3人に分身されて、それぞれお1人ずつにルティエラさん達が付いて行けば十分かと」
「まぁねぇ」
「ナオ様1人で十分ですからねぇ」
「どうせならこの国も含めて隣接する国全て支配すれば、この国を支配したことも大々的に伝わるかと」
確かにねぇ。
「出来れば僕の代わりに政務をしてくれる人が欲しいんだよねぇ。コリィでもいいけどさ」
「う~ん……嫌ではないですが……王族だった方が好ましいですね」
「だよね。どこかで捕まえないとなぁ」
まぁ、3,4個も行けば、どこかに良いのいるでしょ。
とりあえず今回は4か国行くことにした。もちろん一塊になる位置の4つ。うち1つはそこそこの大国【ロムリダ王国】である。この国やクルダソスには劣るけどね。
そこを起点にしようか。
【ロムリダ王国】はルティエラと行くことに。
ロムリダ王国とグラフィレオラとの間の小国3つをシフラ、ラクミル、デビュと何故かデルボラで担当することに。
「デルボラはなんでだい?」
「デビュちゃんのぉ活躍を見たいのよぉん」
「なるほど」
「コリィは僕とクルダソスや聖国の情報見ようか」
「はい!」
ということで、5人に分身する。
……我ら、ナオレンジャー!ってね。色なんて付けないけど。だって、全員同じ色選ぶに決まってるからね。
「「「「じゃ、さっさと行こうか」」」」
「はい」
「はいよ」
「は~い!」
「了解」
「【転移陣】あるわよぉん」
というデルボラの言葉で転移陣を使って、それぞれの国に行く。
なんでそんな物あるのかというと、各国が機密を持って行ったり、賢者の知恵を借りたいときにすぐにでも移動できるようにするためだそうだ。
ただクルダソスや聖国などは普段は閉じているそうな。そう上手くはいかないかっていうか、それが普通だよね。
ということでまずは【ロムリダ王国】から。
転移した先は王城の一角。
とりあえず【探査】で王都全てを見る。
ふむ。【勇者】が1人だけ。特に面白いのはいないなぁ。
ん?これは……教会か?ほ~う。
「ルティ。王城はお前に任せるよ。一応、もう1人分身出すけどね」
「はい。もう一方はどちらへ?」
「聖神教会。ちょっと気になるの見つけちゃった」
「分かりました。こちらはお任せを」
もう1人分身を出して、王都内へ移動する。
1人のナオを見送ったルティエラは王城に目を向ける。
「では、行きます」
「好きなようにやっていいよ」
「はい!」
ナオの言葉に頷いてルティエラは塔の外に出る。
塔の入り口で警備をしていた兵士2人が目を見開いて、ルティエラ達を見る。
「だ、誰だ!?」
「グラフィレオラからは何も連絡は聞いてないぞ!?」
「うるさいですよ」
騒ぐ兵士2人の首を小烏丸で一瞬で斬り落とす。そして炎で死体を一瞬で燃やす。
ナオは後ろでのんびりとしている。
「う~ん。とりあえず王族を根絶やしにしないと反乱とか面倒ですよね。王城は残しておいた方がいいですか?」
「いや?別にどっちでもいいよ」
「ありがとうございます」
ルティエラはナオの言葉に礼を言うと、トン!と地面をつま先で叩く。
直後、大きく地面が揺れる。王城も大きく揺れる。地面の揺れはすぐに止まったが、王城の揺れはさらに大きくなっていく。そして城壁のあちこちで大きくヒビが入っていく。
「む。誰か抵抗してきてますね」
「勇者かな?」
「それにしては弱いですけど…って、そうか。認知されてないだけですか」
「かもね」
「まぁ、いいですか。終わらせます」
再びトン!と地面を叩く。突き上げるように地面が揺れる。
それがトドメとなり、王城がドドド!!と崩壊する。1階部分から崩落したため、完全に城の形を失ってしまう。
風を起こして、砂塵を吹き飛ばすルティエラ。
崩落した王城に近づいて、生き残りがいないかどうかを探す。
「どうでしょうか?」
「ちらほらいるけど、もう死にかけばっかりかな」
「勇者もですか?」
「勇者もだね。けど、まだ動けそうかな?あ、アレアレ」
ナオが指差したところを見ると、地面が盛り上がり、その中から起き上がる人影が見えた。
「お……のれぇ……ごふっ!」
現れたのは青い鎧を着た妙齢の女性だった。後ろでシニヨンに纏めていた金髪が解けて乱れており、額からは血が流れており、今もルティエラ達を睨みながらも吐血する。
「【地震の勇者】ですか」
「みたいだね」
「き……さま…ら……!なに…もの……だ……!?」
勇者はふらつきながらも、しっかりとルティエラ達を睨みつける。
「【大魔王】とその従者です」
「だい……まおう……?」
「ベルチェ将軍!!」
勇者が訝しむと、そこに複数の兵士が駆けつける。
「こいつらが!?」
「……恐らく…な……」
「くそ!……陛下達は……」
「すまん……守り切れなかった……」
悔し気に顔を歪めるベルチェに、兵士達も歯軋りをしてルティエラ達を睨む。兵士の1人が持っていたハルバードをベルチェに渡して、剣を抜く。
そして他の兵士が近づき、ベルチェに手を当てる。するとベルチェの呼吸が落ち着き始め、背筋もしっかりと伸びる。
「【治癒】持ちですか」
「外回りの連中だね。続々と戻って来てるよ」
「問題ないでしょう」
「……言ってくれるではないか」
ルティエラとナオの会話に、ベルチェがハルバードを構えながら顔を顰める。
それにルティエラが呆れたように目を向ける。
「先ほどの私の攻撃も防げなかった者達が今更何を言っているのですか?」
「……確かにな。しかし不意打ちで勝った気になるなよ。大魔王」
「大魔王は後ろのナオ様です。私ではありません」
「……は?」
ベルチェはポカンとしてナオに目を向ける。
ナオはルティエラの後ろで暇そうに立っている。
「……あの男が……?」
「ええ。私など傷1つ付けられません」
「じゃあ、ちょっと証拠見せようか?」
ナオが左手を横に伸ばすと、そこから巨大な黒い閃光が放たれる。
黒い閃光は城下町に突き刺さり、大爆発を起こす。
『……!?!?』
ベルチェ達はその光景に声を上げることも出来ずに、目を見開いて固まる。
「街に出たナオ様は大丈夫なのですか?」
「問題ないよ。そこは避けたから」
何でもないように会話する2人に、兵士達はゴクリと唾を飲んで震えだす。ベルチェも冷や汗を流しながらも気合で震えを抑え込む。しかし、もはや先ほどまでの余裕はない。
ハルバードを強く握り込んで覚悟を決める。
「……お前達。今すぐ逃げろ。誰か1人でもいい。この2人のことを他の街や国に知らせるんだ」
「そんな!?ベルチェ将軍は……!」
「この2人を少しでも抑え込む。陛下達の犠牲を……無駄にはさせん……!」
「無駄ではないですよ」
ベルチェの言葉にルティエラが答える。
「ナオ様の建国の礎となるのです。喜ばしい犠牲でしょう」
「……ふざけるなぁ!!」
「ふざけていませんよ」
ルティエラが右腕を振るうと、ベルチェの周りにいた兵士達全員が一瞬で燃え散る。
「っ!?」
「ちなみに周りの国も攻め落としています。知らせた所で結果は同じですよ」
「……お……おおおおおおぉぉぉ!!!」
目を限界まで見開いたベルチェは、ハルバードを振り上げて叫びながら飛び出そうとする。
その瞬間、ベルチェの体を右斜めに風が通り過ぎる。そしてベルチェの体から風が通過したとおりに血が噴き出し、ハルバードも中ほどから斬られる。
「ご……!が……あ……」
ベルチェは目を見開いたまま固まり、体の上半分がズレ落ちていく。ドシャリと地面に落ちて、ベルチェは息絶える。
小烏丸を振り抜いたルティエラは「あ」と思い出したようにナオを振り返る。
「殺してしまいましたが……」
「ん?ああ、いいよ別に。強くもないし。死体は修復出来るから、実験体くらいには出来るでしょ」
「そうですか。この後はどうされますか?」
「そうだねぇ。城でも作り直そうかな。グラフィレオラの代わりの研究施設も作らないといけないし」
「城下町はどうされますか?」
「もう1人の僕がやるよ。ルティは戻ってきた兵士を始末してくれる?」
「分かりました」
こうして僅か30分で【ロムリダ王国】は崩壊したのであった。
ルティエラと別れた僕は、聖神協会に降り立つ。
入ろうとすると、いきなり地面が揺れる。
おぉ。ルティエラ頑張ってるな。
避難するフリをして中に入る。中ではシスターや司祭が慌てふためいている。
それを無視して、奥に進んでいく。
「な、なにをしているのかね!?」
流石に壮年の司祭が声を掛けてくる。
「いやぁ。ちょっと地下にいるエルフさんにお会いしたくてね」
「っ!?」
僕の言葉に目を見開いて呼吸が止まる司祭。
「な、なんのことですかな?」
「あぁ、もう分かってるから。じゃ、失礼するよ」
ドン!と床に穴を開ける。
それに司祭は驚いて尻餅をつく。
それを無視して穴に飛び込んで、地下に降りる。ちょうど真下が目的の場所なんだよね。
そこは牢屋だった。
教会の真下に牢屋って攻めてるよね。声が聞こえたりしないんだろうか?
「……だ……れ……?」
そこにいたのは裸でボロボロに汚れた子供。
両腕を鎖で吊るされており、両脚にも鉄球が繋がれている。全身に痣やら火傷の痕があり、何色か
分からないボサボサの髪の隙間からは濁った瞳が覗いている。
痩せ細っており、陰部の有無で何とか女だと分かり、長い耳でエルフだとも分かる。
酷いものだねぇ。
僕は彼女の前に片膝をついて視線を合わせる。
「僕はナオ・バアル。【大魔王】だよ」
「……だい……まおう……?」
「……ふむ。長い事ここにいるねぇ」
20年もいるのか。
もう捕まる前の事なんてほとんど覚えてないだろうね。それにしても酷いことするねぇ。ロパザと言い、聖女になんか恨みでもあるのか?聖神教って。
そこに複数の人間が現れる。
「貴様!何をしている!ここが何処か分かっているのか!?」
老人の男司祭が僕を睨みつけながら叫ぶ。
それに答えようとした時、地面が下から突き上げられるように揺れる。
「うわぁ!?」
「な、なにが!?」
「王城が崩れたみたいだよ?」
「「「はぁ!?」」」
揺れに耐えられず転ぶ司祭達に、教えてあげる僕。
まぁ、信じないだろうけどね。
「ふざけたことを言うな!それよりも何を考えている!」
「別に?ただ【聖女】が閉じ込められている理由を知りたかっただけさ」
「!?」
「え?……【聖女】?」
「騙されるな!」
「酷いことするねぇ。ザブマ枢機卿。あなたを振った女の娘に八つ当たりするなんてさ」
老人の男司祭、ザブマはナオの言葉に目を見開く。
他の司祭は【魔女】って教えられてたみたいだけどね。よくステータスも確認せずに信じるねぇ。
「何を言っている!?そんなわけがないだろう!」
「まぁ、もうどうでもいいけどさ。ああ、君、目を瞑ってくれるかい?」
僕は右腕を振り上げながら少女に声を掛ける。
すると天井が吹き飛び、上にあった教会が消え去り綺麗な青空が広がる。
ポカンと空を見上げるザブマ達に右手を向けて、燃やして塵にする。
エルフの少女は僕の言いつけ通り、目を瞑っている。しかし眩しいようで目を強く瞑り、苦しそうに眉を顰めている。
やっぱりいきなりは厳しいか。
僕は鎖を砕いて、黒い布を生み出して彼女に被せて包む。
彼女はビクン!と体を振るわせる。
「名前。覚えてるかい?」
「な……まえ……?」
「そう。君の名前。お母さんから呼ばれてた名前だよ」
少女は薄っすらと目を開けながら、僕の質問に首を傾げる。
しばらく考え込むように黙っていると、「……あ」と思い出したように声を出す。
「……なく……つぃん……」
「ナクツィン。いい名前だ」
まぁ、記憶見たから知ってるんだけどね。思い出させるのが大事だよね。
「もう大丈夫。君は自由だよ」
「じ……ゆう……?」
「そ。君を鎖で縛ることも、閉じ込めることもないよ。君の好きなことをすればいい」
僕はナクツィンを抱き上げながら声を掛ける。ナクツィンはぼんやりと僕に抱かれている。
ふむ。まずは体を綺麗にして、当たり前の生活をさせることからかな。
とりあえずナクツィンの体を癒して、汚れを吹き飛ばす。綺麗な緑色の髪が輝きを取り戻す。
ふむ。綺麗な子だねぇ。あんな奴に遭わなければ間違いなく立派な【聖女】になってだろうに。
まぁ、僕に捕まった以上、もうこの子は別の意味で立派な【聖女】に育てるけどね。
なぁ、ゼウスガイア。
【勇者】も【聖女】も【聖人】も。
【大魔王】を崇拝したら名乗れないなんて、決まってないよね?