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冒険者活動

追加しました。

よろしくお願いします。

 翌日もギルドで依頼を紹介してもらう。


「今日はゴブリン退治ですね。ボンドさんが一緒に行ってくれます」

「おう。よろしくな」

「ありがとうございます」


 いよいよ魔物退治だ!

 ボンドが来てくれるなら、スキルも無理に隠さなくていいしな。

 ありがたい。


「けど、流石に他の新米もいると思うからな。派手に使うなよ」

「はい」


 向かったのは、この世界に来た時に通った森だ。

 ここにゴブリンいたの!?


「あの時はお前が来た穴にビビッて隠れたみてぇだな。かなり魔力が荒れてたしな」

「それってヤバい奴も来ません?」

「可能性はあるがなぁ……この辺の奴ならあの魔力量は近づかねぇよ」

 

 それだけヤバかったのか。

 そう言えば、あの自称女神も世界を渡るときは、かなりのエネルギーがこっちにも来るって言ってたな。


 すると、

「ギャギャ!!」


 緑色の小鬼が3体現れた。

 腰布に棍棒や錆びたナイフを持っている。

 これがゴブリン!!

 ……イメージは世界共通なのか!?

 あぁ、そういえばボンドも【アンデッド】って言ってたな。


「ほれ。さっさといけ」

「はい!【鋼創】」


 刀を生み出す。

 昨日調べたおかげで刃紋も出来た!

 ゴブリンに向かって走り出す。


「ほえ?」


 8mくらい離れていたのに、一瞬で目の前まで近づく。

 あ、刀振れる距離じゃない。 


「だぁ!?」

「ぎゃ!?」

「……なんで武器取り出したのにタックルしてんだよ」


 思いっきり肩からタックルした。

 ボンドの呆れている声が聞こえる。

 急いで後ろに下がる。

 すると、今度は下がり過ぎて木に後頭部をぶつける。


「~~~~~っ!?」

「あぁ~。身体機能上がって、感覚掴めてないのか」


 頭を抱える僕に向かって、納得の声を出すボンド。

 ボンドはゴブリン達を背中の剣で斬り捨てる。


 その後は一度走ったり、ジャンプしてみたり、岩を持ち上げてみる。

 結果、元の世界の3倍近く強化されている。

 ヤバいな。

 でもこれって、こっちだとどれくらいなんだ?

 

「普通にやべぇよ」

「ですよねー」


 その後は問題なく、ゴブリンを倒せた。

 肉を切った感覚や死体を見ても、何故か高揚して不快にならなかった。

 僕って……ちょっとヤバい奴だったのか?

 ……いや。飛ばされたせいだと思おう!!


 次は女になってみる。

 

「やっぱ、そっちの方が似合うんじゃねぇか?」

「やです!」


 ちなみに昨日服屋で少しキツめのタンクトップも買っておいた。

 おかげでスポーツブラのようになってくれている。

 ちょっと苦しいが。


 こっちでも一度体を動かす。

 特に男の時と変わりはない。

 ……体の動かし方に違和感がないことが違和感。

 スキルの使い方が分かるから、体の動かし方も分かるのか?

 

 再びゴブリン達と対峙する。

 

「ギャギャギャ!」

「【闇剣(あんけん)】」


 右手から闇が溢れて、短剣の形になる。 

 それを振ると、全く手応えなくゴブリンを斬る。

 正確には消し去った、だけど。

 

「ギィギィ!」


 もう1匹のゴブリンが殴りかかってくる。

 左手からも闇を生み出し、腕に纏う。

 腕を振るうと、ゴブリンの腕と頭を消し去る。

 

「……その力はヤバすぎだろ」

「ですよねー」


 僕もそう思う。

 でも悪魔化はもっとヤバいんだよなぁ。

 


ゴオアアアアアア!!



 叫び声が聞こえてきた。


「これは!?」

「オーガだ!」


 ボンドが剣を抜いて構える。

 声がした方から、誰かが走ってくるのが見える。

 

「に、逃げてぇー!」


 青髪のショートカットに弓矢を背負った女の子が走ってくる。

 その後ろからは身長3mくらいで額に2本の角が生えている、赤い肌をした鬼が追いかけてくる。

 手には斧を持っている。


「お前1人か!?」

「ひぃ!?が、骸骨!?」


 あぁ、ボンドのこと知らないのか。

 とりあえず走りながら会話する。

 

「大丈夫だよ。味方だから」

「……ほ、ほんとに?……仲間は皆死んだわ。突然だったから」

「そうか。!?ちっ!足はえぇな!」


 オーガはどんどん近づいてくる。

 う~ん。仕方ないか。


「ボンドさん。その子お願いします」

「え!?」

「本気か!?」


 ボンド達は驚いて、僕を見る。


 すると、僕の全身から闇が溢れる。

 徐々に闇が晴れると、そこには悪魔がいた。


「「!?」」


 頭の側頭部からは上に2本の角が伸び、背中には黒い翼が生える。 

 服は消えて、全身の局所には黒い闇が覆っているが露出は多い。

 眼球は黒くなり、瞳は黄色に光る。


 めっちゃ恥ずい!!


 僕は恥ずかしいのを我慢して、オーガに向かって飛ぶ。

 オーガも奈央を標的に定め、斧を振るう。

 

 しかし、その斧は僕に当たると、触れた部分が消滅する。


「!?」

 

 オーガは斧を見て、目を見開く。

 それを見て、僕は精神が高揚してきて、ニイィっと笑う。

 僕の両腕から、さらに闇が溢れる。


「【死鎌(しにがま)】」


 闇が大鎌を形作る。

 僕は両腕で構える。


 オーガは背を向けて逃げ出す。

 僕は飛びかかり、大鎌を振るう。


 周りの木々と共に、オーガの体も胸から上下に分かれて崩れ落ちる。


 僕は地面に降りて、悪魔化を解く。

 全身が闇に覆われて、服を着た状態に戻る。


「ふぅ~」


 僕は一息つく。

 後ろからボンド達が近づいてきた。

 

「……簡単にやりやがったなぁ」

「すごいです!!」

「簡単じゃないですよ。あと、さっきのは秘密にしてくださいね」


 僕の言葉に2人は頷いてくれる。

 

 彼女の名前はペッツェというそうだ。

 1週間前にラフランに来たばかりの新人で、ボンドの事も知らなかった。

 仲間はここで出来たらしいのだが、中々に気が合っていたため、ペッツェは落ち着くと涙が止まらなくなった。

 流石にオーガが出ては続けられないので、僕達は町に帰還した。


 マリラにボンドが報告する。

 調査を入れるということで、しばらく森には入れなくなることが決まった。

 ペッツェは奈央に懐いた。

 年も近いし、助けたときは女性だったためだ。


 男であることを伝えたいけど、仲間が死んでしまったことを考えると裏切ってしまうようで伝えにくい。

 しかし、毎日女でいるのも嫌だ。

 出来れば、もうしばらく彼女とはほどほどの距離でいたい。

 

 と、思っていたけど、見事に宿の前で待ち伏せされたり、同じ宿に移動してきたりとされてはどうしようもない。

 部屋にいても、いつ突撃されるか分からないので女の姿でいることになった。

 ……僕は男です!

 けど、信用はまだ出来ないのだから、仕方がないか。



 ただ……ペッツェに連れられて、公衆銭湯の女湯に入った時は、ちょっと嬉しかった。


 ………………ごめん。めっちゃ嬉しかったです。


 

 

 しばらくは簡単な依頼しか受けさせてもらえなかった。

 その中でペッツェも1人で受けさせられていた。


 今日は久々に1人!

 男になって活動する。

 今日の依頼もゴブリン退治。もう少し慣れときたいしね。


「ギャギャギャ!」


 5体ほどゴブリンが現れる。

 では、変!身!


 僕の体がミシミシと音を立てて膨れ上がる。筋肉もムキムキになり、身長も高くなる。額から2本ほど角を生やす。皮膚の色も少し灰色になる。

 身長は230cmくらい。腕も太くなって下手したら普段の僕の腰くらいはある?


 【鋼】も発動して、身長と同じくらいの包丁のような刀を作る。

 まさに鬼である。

 不思議なのは……なんで服も大きくなるのだろうか?分からん。


「おおおおおお!!」


 声を上げて、ゴブリンに斬りかかる。

 力の限り振り、一気に2体のゴブリンを斬り捨てる。

 しかし、素人剣術なので隙だらけ。

 ゴブリン達が襲い掛かってきて、棍棒が叩きつけられる。


「……それで殴ったつもり?」

「ギャギャ!?」

 

 全く痛くない。というか、本当に叩いた?

 

「おりゃあ!!」

「ぎゃ!?」


 再び全力で刀を振って、斬り捨てる。

 残ったゴブリン達が逃げ始める。


「はぁ!!」


 僕は刀を投げて、【鋼】を発動する。

 刀が分裂して、2本の槍になって不可思議な軌道を描いてゴブリン達の胸に突き刺さる。


「ふぅ~。よし。上手く出来たな」


 鬼化も解除する。

 いい感じだな!もう少し頑張ろう!

 その後も20体ほどのゴブリンを倒す。

 いい気分で街に戻っているとペッツェの姿が見えたので、慌てて女に変わる。

 ……やっぱりバラした方が楽かなぁ。



 力の使い方も慣れてきた。

 さらに、最近は女の体でいるのが面白くなってきた。

 お洒落も楽しいし、化粧品も見てしまう。

 …………女湯もね!!


 ということで、明日は神殿に行ってポティファから話を聞こうと考えている。


 この世界を知っていかないとね!


ありがとうございました。

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