なんて馬鹿なんだろう
よろしくお願いします。
さて、今日はギルドと神殿に行きましょうかね。
今日は女で活動。
ラクミルには見せてるからね。驚いてないわよ。
ん?宿の人はって?
この世界には変装する人なんてごまんといるわよ。
冒険するときは男装する女に、お忍びの貴族とかね。
大して驚きゃしないわ。
ヨハナは宿に放置。
まずはギルドに寄る。
ふむ。今日は私が話しかけてみましょうか。
「いいかしら」
「はい」
今回の受付嬢は三角眼鏡をかけた金髪の女性だった。
「隣の街とかブラケを滅ぼした魔王?ってどうなったか分かる?」
「……申し訳ありませんが、会う者全てが殺されているようでして」
「なるほどねぇ……」
「現在確認されているのは黒翼の魔王と雷の魔王です。共にこの国の南か西で活動しているようです」
「ふぅん。ありがとうね」
礼を言って離れる。
ふむ。やはり天使や神は動いていない?
神殿に行ってみるか。
「なんだ?女とガキしかいねぇじゃねぇか」
「ほんとっすね!おい!どけよ!兄貴が通れねぇじゃねぇか!」
「お?よく見りゃあいい女もいるじゃねぇか」
「ほんとっすね!おい!こっち来いよ!兄貴が呼んでるじゃねぇか!」
はい~定番さんいらっしゃ~い。
何でスキル制の世界なのに、性別で馬鹿にするのかしらね?
別に男女でスキル習得に差はなかったと思うけどね。
もちろんルティエラ達は無視。
いや、ラクミルが見ているわね。
なんか嫌な予感。
「おい!聞いてるっすか!?こっちごい゛ん!?」
「ブネ!?」
下っ端の男が怒鳴ると、ラクミルがその顔に蹴りを放つ。
男はくるくる~と浮かびながら回転しながら歯を飛ばして、仰向けに落ちる。
ピクッピクッと痙攣しているから生きてはいるだろう。
おぉ~よかった。殺さなくて。
手加減とか教えてないからね。
「てめぇ!!クソガキがぁ!!」
「うっさい」
「げぇ!?ばう!!」
下っ端が倒されたことにキレて、剣を振りかぶった男の横から飛び蹴りを放つ。
男は横に吹き飛び、壁に激突する。
「ふん。ガキと女にやられてる奴が威張るんじゃないわよ」
そう吐き捨ててギルドを後にする私達。
ラクミルは私の裾を握って、目をキラキラさせて付いて行く。
ルティエラとシフラはその様子を苦笑しながら付いて行く。
ギルド内は一瞬ポカンとするが、すぐにいつも通りの喧騒に戻る。
しかし、その中にナオ達を鋭く睨んでいる連中がいた。
神殿の前に立つ。
「大丈夫なのですか?」
「今の所、神の気配はないわねぇ」
「でもねぇ、敵陣のお膝元に行く必要もないんじゃないかい?」
「ま、偵察よ偵察」
僕は男に戻りながら中に入る。
ふむ。見られている気配もないな。
奥に進むと、シスター数人が祈りを捧げていた。
その中の1人に目が留まる。
ふむ。【土の聖女】か。
さて、どうなるかな?
長椅子に座って、様子を見る。
10分程すると祈りは終わり、シスター達は立ち上がる。
こっちを見て、にっこりと笑みを浮かべて挨拶をしてくる。
「こんにちは。お待たせしたようで申し訳ありません」
「構わないよ」
「本日はどのような?」
「神の存在が希薄に感じてね。神殿ならどうかねって」
「!?」
僕の言葉に目を見張るシスター達。
記憶を読むも聖女以外は大したことは知らなかった。
そして、聖女は記憶が読めなかった。
ふむ。随分と加護が強いな。
強めにスキルを発動して記憶を読む。
今度は読めた。
ふむ。なるほど。そういうことか。
「あなたは神を感じたことがあるのですか?」
「何度かね。でも、ここにもいないようだ。失礼するよ」
聖女の言葉に肩を竦めて答えて立ち上がる。
扉に向かうも、その背中に聖女が声を掛けてくる。
「神を信じれば、いずれは会えますよ」
「期待してるよ」
振り返らずに答えて神殿を去る僕達。
その後ろ姿を聖女は見続ける。
「まさか、あのような邪気を纏う者がいるとは……魔王と繋がっているかもしれませんね」
再び女に戻って、街を歩く。
途中の屋台で料理を買い、ラクミルに食べさせる。
「いい?ラクミル。私が指示を出さない限り人間は殺しちゃだめよ」
「……ハグハグ」
食べながらコクコクと頷くラクミル。
ちょっと不安ねぇ。ルティエラかシフラを常に一緒にいさせるか。
「神がいない理由は分かったのですか?」
「えぇ。馬鹿らしい答えだったわ」
「というと?」
「昔に降臨し過ぎたせいで、世界の魔力が減って顕現できるだけの魔力が無くなったのよ」
「「は?」」
「今すぐ世界に影響が出るほどではないけどね。馬鹿よねぇ。そんなこと常識でしょうに」
まさかの調子に乗って神界から出れなくなったとかね。
ふむ。そうか。それで……。
「レレリティリアが勇者を召喚した理由がそれか……」
「どういうことですか?」
「神が召喚をして魔力を補充したのは世界が滅びるからではなくて、神が世界に降りれるだけの魔力を満たすためだったってことよ」
「……なるほど」
「となると……私は過去に飛ばされたことになる。……フフフ」
「ナオ様?」
急にナオが笑いだした。
ルティエラ達はその様子に首を傾げる。
ナオは腹を抱えて、笑いを耐えている。
「大丈夫かい?」
「フフっ!…フハハハ!……えぇ。大丈夫よ。ククク!」
「どうされたのですか?」
「真実を知っただけよ。クククハハハハハ!」
「「真実?」」
やっと笑いが収まるナオ。
そして、ルティエラ達に振り向く。
「私だったのよ」
「はい?」
「私の元になった異世界人がこの世界に呼ばれた理由にされた魔王が私だったってことよ」
「「はぁ!?」」
「笑わずにいられる?私が生まれた原因が、私を倒すための召喚だなんてさ!」
ルティエラ達はその言葉に固まる。
ナオは愉快そうだった。
「しばらく神は放置でいいわ。何も出来ない」
召喚に頼らなければ何も出来ないのだ。
それまでは神は天使を使うことしか出来ないはずだ。
「その召喚はいつ行われるのですか?」
「流石にそこまでは知らないわよ。未来までは見えないわ。【全知】ではないから」
まぁ、どうでもいいけど。
でも、まだ召喚するほど追い詰められてはいないはず。
少なくとも私の存在が確定しない限りはね。
今後は魔王や手駒の製造も考えていきましょうか。
スキルに頼らずに人形を作れればいいわね。
ま、しばらくは核を取り込んでいくことメインでいいわね。
宿に戻る私達。
休もうと考えるが、そこに不穏な気配を感じる。
「お客様みたいね」
「はい」
「どうするんだい?」
「しばらくは放置。監視してくるくらいなら構わないわよ。乗り込んでくるならそれまでね」
「……やっぱり大人しくは出来ないねぇ」
苦笑するシフラ。
全くねぇ。ここでは大人しくしてるんだけど。
しかし、結局何もしてこなかった。
正確には何も出来なかったんだろうけどね。結界張ってたし。
トンネルに向かおうと準備をして、宿を出る。
歩いていると前を遮る集団が現れる。
見た目は冒険者っぽいけど、動きが妙に統率されている。
「何か用?」
「そこの女と話がしたい」
「女はたくさんいるけど?」
「っ!……ヨハナという女だ」
ふぅん?ヨハナの鎧は鑑定を弾く。
門を通るときはオフにしたけどね。
ということは、リロン侯爵とも繋がってるわね。
「ナオ様。後ろからも来ます」
「白昼堂々ねぇ」
現れたのは鎧を着た衛兵達。
後ろにはリロン侯爵と思われる貴族の男がいる。
「そこの者達。話を聞かせてもらおう」
「これのこと?」
「「!?」」
私は奴隷商の男から奪った手紙を取り出す。
リロンと隣国の者と思われる男が目を見開く。
「なんで私達が犯罪者なのかしらねぇ?私達は!違法に!リロン侯爵に!売られようとしていた!人を助けただけなのだけど!?」
「き!貴様!?」
大声で事情を話してみる。
周りはリロンに疑いの目を向ける。
衛兵は動揺が見られない。
ふむ。グルってことね。
「えぇい!そのような偽物の手紙が証拠になるわけなかろうが!この魔王の手先め!」
「へぇ~。そっちこそ証拠あるの?」
「私が保証します」
今度はナオ達の側面から声がする。
現れたのは聖女のシスターだった。
ふむ。こっちもか。なんでバレたのかしら。
「あなたからは禍々しい魔力を感じます。この【土の聖女】ロパザが保証します。あなたは悪だと」
「……まぁ…私は【闇】スキルを持っているけど……それだけで悪なの?」
「えぇ。闇に堕ちた者の証です」
断言する言い方に私はルティエラとシフラを見る。
2人は首を横に振る。
「そんな話は聞いたことないね。だって【闇の勇者】とかいたし」
「はい」
次いで隣国の者達に目を向ける。
その者達も顔を顰めていた。
私はロバサに向き直る。
「違うみたいよ?」
「いいえ。あなたは悪なのです」
ふむ。……馬鹿なのね。
準備しといてよかったわ。
私はスキルを使う。
ドオォォォォン!!
「な!?なんだ!?」
「神殿が崩れたぞ!!」
「え!?」
周りは騒然となるが、神殿が崩れたという言葉にロパザが目を見開く。
すると、街を覆うように闇が包み込んでいく。
これは私よ?
「これはなんだ!?」
「おのれ!正体を現しましたわね!」
「聖女様!後ろだ!!」
「え!?」
リロンは空を見て慌てるが、ロパザはこちらを睨む。
しかし、聖女の後ろに控えていた男が声を挙げる。
ロパザは慌てて後ろを振り返ると、ロパザ達のすぐ後ろに何かがズドン!と地面を砕いて降り立った。
「ハアアァァァァ」
「ひぃ!?なんだこいつ!?」
「ま!魔王だ!こいつが魔王だ!」
「そんな!?」
現れたのは上半身が女で、下半身が蜘蛛だった。
といっても、上半身も腕が4本生えていて爪は鋭くて長い。頭部は長い青髪で、眼は複眼で額にも複眼が2つある。
下半身の蜘蛛の足は剣のような形で鋭く、鉄のような光沢がある。
アラクネという魔獣だ。
しかし、明らかに感じる威圧感は普通ではない。
もちろん私の仕業。
覚えてる?前に捕らえた青髪の冒険者の女。
昨晩にその体と蜘蛛やらなんやら混ぜて作ってみたの。
中々の出来よ?
アラクネの腕の1本には、シスターが胸を貫かれて死んでぶら下がっていた。
目を見開いて死んでいるのが恐怖を煽る。
蜘蛛の足にもシスター達の体の一部と考えられる腕や足が刺さっていた。
「う!?うおぇ!?」
「ひぃい!?」
「助けてくれぇ!?」
周りの一般人は我先にと逃げ出す。
逃げ場なんてないけどね。
冒険者も武器を構えているが腰は引けている。
「シィィアアァ。コロォスゥ。エサァ。コォロォスゥ!!」
「言葉を!?かなり成長している……!?」
隣国の者が驚く。
へぇ、分かるんだ。
アラクネは上半身と下半身で腕や足に刺さっている肉片を食べ始める。
ボリィグッチャグチャコキ!
グチャグチャコリゴリ!
その光景にさらに怖気づく冒険者達。
「よくも可愛い子羊達を!!【ストーン・ショット】!」
ロパザが顔を怒りに染めて、スキルを使って攻撃する。
しかし、その攻撃はアラクネに当たるも全くダメージも与えられなかった。
「そんな!?」
「クハアァァ」
「ひぃ!?な、なんでこっち見んだよ!?」
「シャアアア!!」
アラクネは聖女に見抜きもしないで冒険者に襲い掛かる。
冒険者達を爪や脚で斬り裂いて、斬り落とした部位や死体を貪っていく。
「ぎゃあああ!?」
「来るな!来るなああ!!げぼ!?」
「ひやああぶぅ!?」
アラクネは腕や蜘蛛の尻から糸を飛ばして、冒険者や一般人を捕えていく。
「やだぁ!?助けてぇ!?」
「ママァ!ママァ!?」
「!?止めて!息子だげばっ!?」
「ママ!?マバァ!?」
親子だろうが容赦なく殺して食べていく。
おぉう。流石にえぐいわね。やるぅ。
「お!お前達はあいつを足止めしろ!私は逃げる!」
「そんな!?リロン侯爵!?」
リロンは逃げ出した。
部下の衛兵達もそれに追随する。
それを見て隣国の者達も逃げ始める。
ふむ。私達も逃げる演技をしましょうか。
「いくわよ」
「はい」
「あいよ」
「あ!待ちなさい!」
ロパザが止めようとするが、アラクネを見て顔を顰める。
普通はそっちよね?どう見てもあっちが魔王よ?
しかし、なんとロパザはこっちを追ってきた。
わぉ!
「な!なんで!?聖女さばぁ!?」
「置いてがな゛ぁ!?」
「いやあぁぁ!?」
「ハアアァァ!!おいしい!!」
あらら。可哀想に。
「いいの?聖女様?」
「あなたを殺せばいいのです!」
「何を根拠に言ってるの?」
「悪だからです!」
「勉強してる?」
「悪は全ての根源です!!」
あっそ。サイコパスね。あそこまで行くと。
すると、今度は隣国の者達が襲い掛かってきた。
はぁ。面倒な。
「ヨハナ。殺していいわよ」
「はい」
「な!?待て!ヨハナ!私だ!マッツだ!ぎゃあ!?」
『!?』
ヨハナは一切反応せずに斬り殺す。
それに周りは動揺するが、ヨハナはどんどん斬り殺していく。
あっちはこれで良し。
「やはり悪!!死になさい!!【アース・ランス】!!」
「うっさい」
「な!?きゃあ!?」
岩の鎗を飛ばしてくるが、魔力を飛ばして砕く。
その衝撃でロパザも倒れる。
「随分と弱いわね?」
「く!」
「ふむ?……そういえば…魔力をあんまり感じないわね。そうか。魔力が低すぎて信仰を集めても弱いのか」
元が悪すぎたのね。可哀想に。
……もしかして、捻くれたのってそれが原因?
虐められて、ここに左遷された?
……ってことはぁ。
「あなたは神を憎んでいるのね?どんなに祈っても救ってくれない神を。悪をどれだけ殺しても声すら聴かせてくれない神を」
「っ!?」
ビクゥ!と肩を跳ね上げるロパザ。
図星ね。
ズン!
すると、ロパザの後ろにアラクネが降り立つ。
「ひぃ!?」
「見つけたぁ♪神の人形!」
あら。随分流暢にしゃべれるようになったわね。
どれだけ食べたのかしら?
「ち、違う……違う違う違う!!私は神の人形なんかじゃない!!」
「じゃあ、魔王になって復讐しなよ」
「え?ぐぶぅ!?」
「ん~?」
男に戻ってロパザの頭を掴んで、アラクネの胸元に顔を押し付ける。
復讐を手伝ってあげるよ。
【融合】を発動する。
ロパザの体がアラクネに飲み込まれていき、アラクネの体もゴキゴキグチュグチュと変化していく。
ここで女に戻って【操命】【変質】を発動する。
たまにはこっちでも使わないとね♪
変化が落ち着くと、青色だった髪は黄緑色に変わっていた。
顔つきはロパザになった。
これは魂の質の問題ね。元々の魂は心を食い殺してるからロパザの心の方が勝った結果。
腕はさらに増えて6本に、脚は増えてないけど足先の剣に返しがついて凶悪になった。
「気分はどう?ロパザラクネ」
「……ロパザラクネ。私の名前」
「そうよ」
「最高です!我が神よ!」
ふむ。出来はまぁまぁかしらね。
男に戻って鑑定を使う。……どっかで鑑定系取り込まないとな。
ふむ。【土の魔女】に【檻】【食溜】【再生】か。こんなもんでいいか。
女に戻る。あんまり男でいると闇が消えちゃうのよね。
「じゃ、ここで好きなだけ食って後は好きにしなさいな」
「ありがとうございます!!」
そう言って食事に出かけるロパザラクネ。
しばらくすると、私達の姿は記憶から消えるようになっている。
これでよしっと。
あ。そうだ。
周りを見渡して、まだ生き残ってる者を見つける。
というか最後の1人!?
「ヨハナ!そこまで!」
ビタ!っと剣と止める。
残ったのは妙齢の女性だった。20代後半くらいかしら?
女は涙を流しながら、尻餅を付いている。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。た、助かった?」
「まさか」
「!?」
「さよなら~」
「あ……」
女は息を荒げながら見逃してもらえるのかと油断する。
そこに近づき、心を食って人形にする。
「ヨハナ。これ運んで付いてきて」
「はい」
「じゃ、行くわよ」
「「はい」」
ルティエラ達も何人か殺してたみたいね。
まぁ、思いっきり目の前で魔王作ってたしね。
トンネルの近くの建物に入って、ロパザラクネが街の人間を食い尽くすのを待つ。
夜には終わるかしら?
トンネルの中で街に入れずに困ってる連中がいるのよねぇ。
流石に殺すのは面倒だから、姿を消して行きましょうかね。
6時間ぐらい経ったころ、ようやく街の中からロパザラクネ以外の気配が消えた。
……うん。もう生き残りなしっと。
闇を解除して、男に戻る。
そして姿を見えないようにする。
……ロパザラクネは猛スピードで街から離れていく。
どこに行く気だ?
ヨハナに持たせていた女を虚空庫に放り込み、移動を始める。
外は反対の街の衛兵や冒険者が街の様子を見て慌てている。
頑張って調査してくださいな。
僕達はトンネルの途中にある宿に入る。
ん?もちろん引き返してきた振りをしてるよ。
なんか衛兵とかが慌ただしいから街に入るのは諦めるって感じ。
部屋は大部屋が余ってた。
部屋に入って、女を取り出す。
「どうするのですか?」
「いやぁ。女にも【鑑定】と【融合】が欲しくてね。これにスキルを入れてからもらおうと思って」
「なるほど」
「そんなこともできるのかい?」
女の頭に触れて、スキルを押し込む。
ふむ。魔力量が低いのか?なんか今にも破裂しそうだな。
女に変わってスキルを吸収する。
すると、女がミイラのように干からびて死に絶える。
ふむ?
「魔力まで吸ったのかい?」
「……あぁ、しまった。体と魂を作り変えてなかったから器がしょぼかったんだわ」
「それで入れられたスキルに魔力を奪われて、ナオ様に吸われたことで干からびたと」
「そんな感じね」
やっちった。もったいなかったわね。
まぁ、仕方ないか。
とりあえず目標達成したし。
「ところであのアラクネはあのままでいいのかい?」
「いいわよ。精々暴れてもらいましょ」
とりあえず、これで放った魔王が4体か。
ロパザラクネは異王と呼ばれることになるかもだけど。
しかし、聖女に恨まれるって神も哀れよね。
私の魔力に気づく位だから才能はあったでしょうに。
あの子を無駄にするって、教会本部は随分と腐ってるみたいねぇ。
この国での用事が終わったら、顔出してみましょうか。
聖神教を魔王で染めるのも楽しそうね。
ありがとうございました。
面白い、頑張って書けと思ってくださる方は、下の評価をクリックして頂けると励みになります。