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そう。君が魔王なんだ。

よろしくお願いします。

 のんびりと馬車で走り続ける私達。


「天使が見張ってきているのですか?」

「そうなのよね。……勇者殺したのがきっかけかしら」

「え!?まずかったかい?」

「シフラは大丈夫よ。私が魂放置したからかしらね」


 2日ほど前から天使がこっちを見張ってくるようになった。

 洗脳しようにも一定時間ごとに交代しているから少しめんどくさい。

 でも、あの勇者が殺されたくらいで何故?


「あぁ、そうか。忠保が死んだ時期と場所が、連中を殺した時期と場所に近すぎたのね」

「なるほど。つまり、バレたわけではないけども、疑っているという感じですか」

「そうね」

「それはそれで厄介だねぇ」

「テントの中にまでは目を通せないみたいだから放置するわ」

「「はい」」


 別に移動中を見られるくらいならね。

 お好きにどうぞ~。

 けど、どっかで撒かないといけないわね。

 次の街でも天使がいると考えるべきか。


 日も暮れてきた。

 私達はテントを張って休むことにする。


「これからちょっと街に行ってくるわ」

「大丈夫なのですか?」

「私というか、僕相手に天使如きが気づけるもんか」


 男に戻りながら話す。


「あたし達のどっちかくらい連れていくべきじゃないかい?」

「大丈夫だよ。1時間もしないで帰ってくるから」

「……分かりました。お待ちしています」

「僕がいない間は『彼』が相手をしてくれるよ」

「僕が君達の相手をするよ」

「「え!?」」

 

 突然ナオが2人に増える。


「え!?これは!?」

「「【分身】のスキルさ」」

「それでなにするんだい?」


 シフラの疑問に分身と思われるナオは素っ裸になる。

 

「「っ!?……♡」」


 シフラ達は驚くが、すぐに顔を赤らめて足をモジモジさせる。

 ふむ。良い感じに躾けられてるね!


「こうするんだよ♪」

「じゃ、行ってくるよ」


 2人に襲い掛かっていく分身を見て、転移する。

 さっさと戻ってこよ!


 進行方向の街に転移する。

 街の名前?知らない。

 さて、天使は……いた!


 教会と思われる建物の屋根の上に、茶髪ツインテールの女性の天使がいた。

 こっちには気づいていない。

 ふむ。……強気そうな顔をしているな。程々に美人だな。

 使えそうだな。

 ぺろりと唇を舐める。


 転移で天使の後ろに飛び、一瞬で雁字搦めに拘束して封印する。

 天使は目を見開くが何も出来ずに全身をミイラのように布が巻きつき、真っ黒な結晶の中に閉じ込められる。

 結晶は親指大まで小さくなる。

 ふむ。どうなるかな。


 それをポケットにしまって、女になる。

 【闇】スキルはやっぱりこっちの方が強いのよね。

 じゃ、さよなら。知らない街の人。


 街の中心に向かって闇を飛ばす。

 そして、男に戻り、転移する。


 僕が転移した瞬間、街の中心から闇が広がり、街を飲み込む。


 全て飲み込み終えると、闇が消え、そこにはまたクレーターのみが出来ていた。


 


「ただいま~」

「おかえり僕」

「おぉ~。もうへばってるの?2人とも」

「「っっ……!!」」 


 シフラとルティエラはすでに全身を痙攣させて意識が快楽で飛んでいた。

 シフラは現在進行形で快楽を得ているからだろうけどね。

 戻ってきた僕は結晶を机に置き、ベッドに近づく。


「う~ん……そうだね。このまま2人で2人を味わおうか♪」

「それはいいね!」


 そうして、もう1人も服を脱ぎ、ルティエラに襲い掛かる。

 寝かさぬぞ!!


「ふぇ?え!なん!でって!あっあっああーーー!!」


 ルティエラから嬌声が響き渡る。

 その後は絶倫2人で、奴隷2人をとことん味わい尽くした。

 時には絶倫2人で奴隷1人を責めるなどして味わう。


 そして、朝。


「ふぅ~」


 僕は1人に戻って一服していた。

 といっても、お茶だけどね。


 奴隷2人はさっきから釣り上げられた魚みたいにビクッビクッビクッと痙攣し続けている。

 ふむ。これもまたいいな!

 まぁ、時々にしないと本当に壊れてしまうが。


 さて、この間に捕まえた天使でも弄るか。

 机の上にある結晶2()()()()()()()1()()を掴んで床に放る。

 床に落ちた結晶は砕け、中からミイラが現れる。


「っ!っ!……んぁ。っ!っ!」


 こっちもピクピクと震えている。

 口から涎を流している。

 ふむ。闇の魔力に数時間浸かっていたからな。良い感じに染まってきている。

 これなら改造も出来そうだな。


 そのミイラ天使を風呂場に運んで、湯船の上で解き放つ。


「ぷあぁ!?ぐぶぅ!?ぷっはぁ!?はぁ!はぁ!はぁ!」


 天使は溺れかけて慌てて起き上がり、息を荒くする。

 そして、僕を見つけて睨む。


「はぁ!はぁ!あ、あなたが魔王ね!?こんなことしてただで済むと思うの!?」

「活きがいいね」

「っていうかなんで裸なのよ!?」

「事後だからだよ」

「わ!私も犯す気!?」

「それもいいけど、()()()()()()()()()()()()


 そう言って、もう1つの結晶を取り出す。

 天使の女は体に力が入らないことに内心慌てながら、なんとか時間を稼ごうとする。


「何よそれは!?言っとくけどね!私の他にも見張ってた天使がいるのよ!今頃あんた達の事を伝えて!神々がここに『それはこいつのこと?』え!?」


 僕は結晶を投げて、結晶が砕ける。

 そこからもう1人の天使が現れて、湯船に落ちる。


「うぶぅ!?ぶあ!はぁ!はぁ!」

「う……うそ……!?マネエル……!?」

「っ!?ルテアエル!?あなたまで!?」


 現れたのは橙色の髪を持つスタイル抜群の女天使。

 天使ってなんでか女性が多いんだよね。

 なんでだろ?


「そんなあなたまで!?」

「これじゃあこいつの事を伝える人が!?」

「ふむ。2人1組だったか」

「「!?」」


 ちなみにマネエルも消した街の近くにいた。

 もちろん分身で転移して同時に封印した。

 気づかないわけないだろうにな。


「わ、私達をどうする気!?」

「神が黙ってないわ!」

「お前達にはこれから魔王になってもらう」

「え!?」

「そ、そんなことできるわけが!?」

「出来るんだなこれが」


 2人の天使は動かない体を震わせて怯える。

 それを見てニヤニヤする。

 

「閉じ込めている間に闇の魔力に漬けていたからね。体に馴染んでいるよ。後は体と魂をいじるだけさ」

「馬鹿な!?そんな力を持つ魔王がいたはずは!」

「いないだろうね。だって生まれたばかりだもん」

「え?っ!?ま、まさか!?」

「へぇ~。察しがいいね」

「坩堝の魔王が……融合したというの!?」

「え?……ひ!ひいいぃ!?」


 マネエルの言葉にルテアエルはようやく目の前の魔王の存在を理解する。

 そして絶望しかないことも理解する。

 ふむ。いいな。その恐れている顔は。

 魔王らしいではないか!!


「そういうことだ。諦めろ」

「いや!いやあああぁぁ!!」

「神が必ずあなたにてんば!」

「【操命】【侵蝕】【融合】」


 叫ぶルテアエルと強気に言い返そうとするマネエルにスキルを使う。


 2人はビクン!と震え、目を見開くと胸から光の玉を生み出して体は崩れ落ちる。

 そして、魂と体を闇で染めて、作り変える。

 魂は黒く染まっていき、体は湯船の中で無作為にバシャバシャ!と跳ねまわりながら、肌や羽の色が変わったり、筋肉や細胞も変化していく。

 

 そして、ある程度変化が落ち着くと魂同士と体同士が混ざり始める。

 魂は膨れ上がったり歪に形を変わるのを、体が肉の塊になり骨が突出すなど異形になるのを、僕は無理矢理に形を整えていく。


 形作った体に魂を戻す。ドグン!と体が脈動する。

 そして、ゆっくりと目を開ける。


 体は人型だが、肌は灰色になり髪は白い。胸は普通だが腰はくびれておりスタイルはいい。

 翼は黒く染まり、上は羽毛があるが下は蝙蝠のような羽に変わっている。

 

「はああぁぁ。……おはようございます。お父様」

「うん。おはよう。どう?」

「……素晴らしいですね。神になど従っていたのが馬鹿らしい」

「そうでしょ?そうだね。お前はマルフェルだ」

「はい」

「で、お前の仕事は魔王になって、僕の代わりに神々の注意を引け。ここを出て行くと僕達の存在は忘れるよ。そして、好き勝手に暴れて、神に喧嘩を売るんだ。『迷宮に転移し、核を喰らったのは自分だ。』と」

「はい」


 マルフェルは暗示にかかったように呆然としながら指示を聞いている。

 こんなもんでいいか?

 まぁ、いっか。

 とりあえず、僕を見張っている天使を襲わせるか。


「お前は天使を見ると『何が何でも殺したくなる。』。そして、そのためには『街を滅ぼしても構わない。』と考える。それが当たり前」

「はい」

「よし。行っといで」


 そうして、転移させる。

 服はサービスしといたよ。頑張ってね。

 さて、もう少しここでのんびりしようかな。




 

 ナオ達を見張っている男の天使がいた。


「本当にあんな連中が勇者や迷宮核を?少し強い人間にしか見えんがな」


 しばらく監視をしているが特に異常は無い。

 本当に魔王ならあんなにゆったりと馬車で移動するだろうか。

 男はそう考える。

 これ以上は無駄だろうと考えていると、


「あは♪天使見っけ♪」

「っ!?……な!?」


 声に驚き振り返ると、そこには悪魔がいた。

 灰色の体に黒い翼。

 そして、禍々しい魔力。


「き、貴様は!?」

「私は魔王マルフェル。死んじゃえ♪」

「がぁ!?」


 魔王はいきなり魔力を撃ちだし、男を攻撃する。

 男はなんとか急所はズラすも攻撃に当たる。

 

「く!?」

 

 男はブラケに向かって、高速で飛ぶ。

 その間に神界に暗号を送信する。

 

(くそ!?やはり他に魔王がいたではないか!)


 男は内心悪態をつきながら全速力で飛ぶ。


「あはははは!なによ天使ぃ!刀の勇者みたいに戦いなさいよ!」

「ぐぅ!?」


 笑いながら攻撃してくる魔王。

 刀の勇者という言葉に、やはりこいつが迷宮をと考える男。


「大丈夫か!?」

「っ!?援軍はどうした!?」

「まだ来ない!向こうの街も消し飛んだんだ!」

「なに!?貴様か!」

「あははははは!!当たり前じゃない!天使も神も滅ぼしてやるわ!!」


 先ほどよりも巨大な黒い魔力の塊を生み出すマルフェル。

 それを見て慌てる天使達。


「くらえぇ!!」


 天使達に向かって魔力を放つ。

 天使達はなんとか避けるが、魔力は街に向かって落ちていく。


「しまった!?」

「いかん!!」


 天使達は慌てるが、次の瞬間ブラケの街を黒い魔力が覆い尽くし、街を消し飛ばす。

 魔力が落ち着くとそこにはクレーターが出来ており、街は跡形もなかった。


「なんという威力だ!?」

「やはり奴が街を滅ぼしてきたのか!」

「あははは!そんなこと推測してる場合かしら?」

「「っ!?」」

 

 目の前にマルフェルがいた。

 

「ちぃ……!後は頼んだ!」

「な!?おい!」


 ナオ達を見張っていた天使が、応援に来た天使に報告用の魔石を渡して、緊急用の魔道具を使いその天使を神界に飛ばす。

 本来はナオが魔王だった場合に緊急離脱用に持っていたものだ。

 マルフェルに急に襲われたため、使うタイミングを逃していた。

 発動するまでにやや時間が掛かるため、今まで時間を稼いでいたのだ。

 しかし、魔道具で飛べるのは1人だ。

 だったら、無傷の方が帰るべきだと判断し、彼を送り返した。


「ごぅ!?」

「ちっ。1匹逃がしたわ」


 腕から黒い魔力剣を生やして、天使を縦に真っ二つにする。

 しかし、1体逃がしたことに舌打ちする。


「まぁ、いいわ。これからも来た奴を殺していけば良いわね」


 マルフェルは天使や神を殺すことを考えて、背筋をゾクゾクさせる。


「んん♡……濡れてきちゃったわ。さぁて、どこか街でも目指しましょうか」

 

 足をモジモジさせながら、移動を始めるマルフェル。

 その方向はナオ達とは逆の方向だった。


 これにより神々は完全にマルフェルをターゲットだと思い込み、さらに混乱していくことになる。



ありがとうございました。


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