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少しは旅を楽しみますか

よろしくお願いします。

 ルティエラと楽しみまくって、街に出たのは午後。

 ふむ!何故か清々しい!


「これは……早く奴隷を増やさないと私が保ちませんね」


 言葉とは裏腹に肌がツヤツヤなルティエラが呟く。

 ふむ。奴隷を増やす、か。


「しばらくはお前だけでいいな。お前だけで楽しみたい」

「っ!!ナ、ナオ様ぁ」


 僕の言葉にルティエラは顔を赤らめてモジモジする。

 ふむ。可愛すぎる奴め!

 いい買い物をしたものだね。


「さて、まずはルティエラの冒険者登録しとかないとな。奴隷になった時に破棄されたんだよね?」

「はい。大抵の奴隷は愛玩目的ですからね」

「登録時に奴隷って影響出るの?」

「いえ、出ません。この首が証明ですから」


 そう言って、首の入れ墨を示すルティエラ。

 ……ふむ。その入れ墨も気に入らん。


「明日、街を出たらその入れ墨も消すか」

「え!?で、ですが……ナオ様の物である証を…け、消すのは」

「何を慌ててるんだ。僕専用の入れ墨を他に刻むに決まってるだろ」

「っ!!はいっ!!お願い致します!!」


 身も心も奴隷になったルティエラは心底嬉しそうにする。

 普通、入れ墨を消されるのは喜ぶことだろうに。

 入れ直されることに喜ぶとは。

 ……素晴らしいね!


「じゃ、とっとと準備しようか」

「はい!」


 冒険者ギルドはダンデルよりも少し小さいくらいだ。

 昼時を過ぎたばかりで、冒険者は依頼に出ているため人は少ない。

 僕達は受付に近づく。


「すまない。この子の登録をお願いしたいのだけど」

「はい。……奴隷ですか?」

「えぇ。それが何か?」

「……いえ。申し訳ありません。珍しかったもので」


 受付嬢は少し驚くもすぐに謝り、手続きを行う。

 ふむ。少し聞いとくか。


「もし奴隷が他の冒険者といざこざを起こした場合はどうなる?」

「基本的には普通の冒険者と対応は変わりませんが、処罰・罰金の場合は主人が責任を負い、場合によっては奴隷を没収することになります。その奴隷は犯罪奴隷として扱われるので、買い戻しも出来ません」

「なるほど。了解」


 ふむ。貴族などに絡まれるとメンドそうだな。

 登録は問題なく終わった。

 ちなみにルティエラの魔力量は黒級。

 上から2番目だ。

 まぁ、まだまだ上げるけどね。


 ギルドを出ようとすると、さっそく馬鹿が現れた。


「おい小僧。てめぇなんかにその奴隷は勿体ねぇよ。俺様に寄越しな!」


 立ち塞がったのはスキンヘッドの男。

 肩に斧を担いでおり、ニヤニヤとこっちを見ている。


 それを見て、周りは僕を憐みの目で見る。


「あぁ~。カッデスに見つかったか。不運だなあいつ」

「カッデスじゃなくても、あんな奴隷をガキが連れてれば狙われるだろ」


 カッデスねぇ。

 なんだ?デカイ系の名前は絡んでくるって決まってるのか?

 こいつは……【土】と【投擲】か。


「ほれ。さっさとしろや」

「するわけないでしょ」

「あぁ?てめぇ。痛い目見ないと分かんねぇのか?」


 斧でトントンと肩を叩く。

 威嚇のつもりか?

 

「ほい」

「あ?」


 僕はカッデスの懐に入り、ベルトを掴んで後ろに仰け反りながら放り投げる。

 カッデスは何も出来ずに投げられて呆ける。

 周りもそれを見て、ポカンと宙を飛ぶカッデスを見る。


「が!?っ!…て!てめぇ!!」


 カッデスは背中から床に落ちる。

 受け身を取れず、衝撃に呻くもすぐに起き上がってナオを睨む。

 すると、今度はルティエラがカッデスの懐に現れる。


「愚図如きがナオ様を睨むな」

「ごぉえっ!?」


 ルティエラの右脚がカッデスの鳩尾に突き刺さる。

 メキメキッと嫌な音を立てて、吹き飛ぶカッデス。

 

 おぉー。

 【音】で足音を消して、【金剛】で強化された速度と力で吹き飛ばしたか。

 ……死んでないよな?


「手加減はしました。死んではいません。残念ですが。残念ですが!!」


 物凄く不満気に答えるルティエラ。

 そんなに殺したかったか。

 まぁ、冷静に動いたから怒ることはないか。


「じゃ、行くよ」

「はい」


 もはやカッデスに目を向けることなく、ギルドを去っていく2人

 それを唖然と見送るギルド内の人々。

 腹を抑えて唸るカッデスに声を掛ける者は誰もいなかった。



 僕達は宿屋に戻る。

 

「ふむ。スキルは問題なく使えそうだね」

「はい。暴走する心配もなさそうです」

「そっか」


 後は不具合が出たら、その時その時で対応していくかな。

 

「じゃあ、明日には次の街に行こうか」

「はい」


 しかし、どう移動するかな。

 さすがにルティエラを抱えて飛ぶのもな。

 馬車でも作るか?

 

「1週間ほどで少し大きな街があるので、そこで判断されては?」

「それもそうだね。少しは旅を楽しもうか」

「はい」


 ルティエラは僕の言葉に頷いて微笑む。

 ふむ。いい笑顔だ。

 

 その後、晩御飯を食べ、さらにお湯を生み出して、互いの体を拭く。

 もちろん裸なので興奮するよね。

 綺麗にしたのでいただきます!!


 ルティエラに覆い被さり、交わる。

 嬉しそうに乱れ、奉仕してくるルティエラ。

 ふむ。これに飽きるわけない!!


 たっぷりと味わいました。




 翌日、目を覚ましてすぐにルティエラを味わってから起きる。


「っ!っ!っ!!」

 

 ルティエラは幸せそうに顔を蕩けさせて、体を痙攣させている。

 その間にスキルで体を綺麗にする僕。

 ふむ?出来るなら何故昨晩はわざわざ拭いたのかって?

 楽しみたいからに決まっている!!


 その10分後にルティエラも復活したので、スキルで体を綺麗にして準備をする。

 昨日のうちにルティエラの旅衣装も作っておいた。

 赤いシャツに革のブレストアーマー、黒いズボンに茶色のブーツ。

 手には青い絹の手袋を着けており、濃緑のフード付きマントを羽織る。

 腰には強化したレイピアとナイフを差してある。


 僕?

 僕は赤いシャツの上に黒に紫のラインが入ったコート。

 灰色のズボンに黒いブーツ。

 黒い手袋を着けて、同じマントを羽織っている。

 特に武器は身に着けない。

 

 ルティエラはまだ奴隷紋があるので、まだフードを被れない。

 違法ではないのだが、晴れの日に被っているのは少し怪しまれるし、難癖付けられたら少しめんどくさくなる。

 女将に礼を言って、宿を出る。


 街を出て、歩いて移動する。

 周りには依頼に向かう冒険者が歩いており、時折馬車が横切る。


 向かっているのは歩いて1週間ほどにある街【レーフェン】。

 【コリン】よりは小さいが、そこから他の街や王都に連結しやすいため、流通の要の1つとして栄えている。

 【ダンデル】に雰囲気は近いかもしれない。

 

 のんびりと2人で歩く。

 天気も良く、風も気持ちいい。

 飛ぶのとはまた違う雰囲気がある。

 ふむ。こういうのもいいな。


 昼休憩以外は歩き続けた。

 疲れないもんね。

 体力も【無限】だから。

 ルティエラも体強くしてるし。


 結構なハイペースかもしれない。

 さすがに夜までは歩く気はないので、キャンプ地のような場所でテントを張る。

 他には一組だけテントを張っている。


 ちなみに料理は僕がする。

 といっても、【創造】で生み出すだけだけど。

 それでも、この世界では珍しい料理だけど。

 作ったのはビーフカレー。

 ルティエラは僕が出したためか、疑いも戸惑いもせずにバクバク食べる。

 

「モグモグ…スパイスが効いてて…モグモグ…美味しいです!…モグモグ……」

「僕の世界の料理を気に入ってくれて良かったよ」


 食べ終わってゆったりしていると、もう一組の冒険者が声を掛けてくる。


「お~い。兄ちゃん達。一緒に酒でも飲まねぇか?」


 酒瓶振って、誘ってくる。

 その後ろでは男の仲間が串肉を焼いている。

 男はルティエラに目を向ける。

 ふむ。そういうことか。

 ルティエラが先に断りを入れる。


「お断りします」

「そんなつれねぇこと言うなよ」


 男は諦めない。


「申し訳ないけど、街でもないのに酒を飲んで油断する気はないよ。そっちは…それが狙いのようだけど」

「……あ?なんだと?」


 男はイラついたようにナオを見る。

 僕とルティエラは呆れたように男を見る。


「常識で考えて、魔物や夜盗が出るかもしれない野宿で酒飲んで騒ぐなんてありえないでしょ」

「冒険者を偽るなら、まずは『見張りを共にやらないか?』と言うべきでしょう。まぁ、それも馬鹿にされるでしょうが」

「っ!……クソガキが!!」

「ルティエラ、やっていいよ。結界は張ったから」

「は!」


 男が論破されて、酒を投げ捨てて怒り出す。

 僕はそれを見て、ルティエラに指示を出す。

 ルティエラはすぐさま動き出し、男に走り出して上段突き蹴りを放つ。


 その時間は1秒足らず。

 男は一切反応出来ずに、蹴りを顔に浴びて、首から上が吹き飛び絶命する。


 男の仲間達は、腰を浮かせる途中で固まる。

 

 ルティエラは死んだ男の体を、仲間に向かって蹴り飛ばす。


「は!?ぐえ!?」


 その内の1人が避けきれずに当たってしまう。

 他の仲間はそれに気を取られてしまい、ルティエラから視線を外す。

 

 その一瞬で、ルティエラは一気に男達の目の前まで迫る。


 パチィィィン!!


 突如、男達の耳に大きな音が響き渡る。


 思わず耳を抑える。


 ブチッと頭の中で何かが切れる音がした。


 そう考えた瞬間、頭に激痛が走り、男達は意識を失った。


 そして、二度と目覚めることはなかった。



 倒れ伏す男達をルティエラは冷めた目で見つめる。


「やはり少し時間が掛かってしまいますか。下手に血が流れないのはいいですけど」


 ルティエラが使ったのは【音】。

 指を鳴らし、その音を男達の頭の中で増幅し、脳を破壊したのだ。

 

 繊細なコントロールが必要なため、一瞬で脳を破壊できないのが課題である。


「お疲れ」


 僕はルティエラに近づく。

 僕は腕を振ると、男達の死体とテントが一瞬で灰になる。


「申し訳ありません。ナオ様に後処理をさせるなど」

「まぁ、仕方ないよ。……いや、いけるか?」

「え?」


 ルティエラの謝罪にナオは問題ないと答えると、何か考えだす。

 ルティエラはそれに首を傾げる。

 ナオは考えながら頷き、ルティエラに顔を向ける。


「ちょっと試してみようか。テントの中で」

「え?」


 テントに入る僕達。

 外からは小さいテントだが、中は10畳ほど広さの部屋だった。

 さらに他の部屋にも続いており、そこには風呂がある。


 とりあえず、イチャイチャしながら2人で風呂に入る。  

 洗いっこするが、今は我慢する僕。

 少し残念そうなルティエラ。


 風呂から上がりベッドに座る2人。

 もちろん裸である。


「ちょっとうつ伏せになって」

「はい」


 言われた通りにうつ伏せになる。

 その上に跨る僕。


「っ!」


 背中に感じるナオの存在にドキっとする。

 ナオはルティエラの背中に両手を乗せる。


「いくよ」

「へ?っ!?あああぁぁぁん!!」


 僕の言葉にポカンとすると、急に背中から何かが流れ込んでくるのを感じ、声を挙げるルティエラ。

 頭を跳ね上げて仰け反るが、それでも続ける僕。


「ひっ!あっ!あっ!ああぁん!」


 ルティエラはピクッピクッと震える。

 全身に何かが染みわたるのを感じる。

 10分ぐらいすると終わり、息を荒げて寝転がるルティエラ。


「ふむ。上手く出来たね」

「はぁ…はぁ…はぁ…え?」

「スキル確認してみて」


 ナオの言葉に少し呆然としていたルティエラは、言われた通りにスキルを確認する。


「はい!?」


 スキル欄の【風】【水】が【四天】に変化していた。

 【四天】は【炎】【氷】【嵐】【地】の4つが合わさったものだ。

 

 ルティエラは固まる。

 前みたいに体を作り変えられたなら、まだ納得する。

 しかし、今回は違う。


「ナオ様は……スキルをも作り変えることが出来る、と?」

「うん。なんでもかんでもって訳じゃないけどね」

 

 さらっと認めるナオ。

 改めて魔王という存在を、自身の主の異常さを理解した。

 それでもルティエラに湧き上がるのは「陶酔」だが。


「あ。それと入れ墨も変えたからね。左胸あたり」

「え?」


 ルティエラは左胸を見る。

 そこには♥の中に蔦に巻かれた剣が描かれた入れ墨だった。


「そこなら滅多に人に見られることはないでしょ」

「ナ…ナオ様……!」


 ルティエラは嬉しさ感極まって涙を流す。

 僕はにっこりと笑う。


 そして、仰向けになったルティエラに覆い被さる。


「じゃあ、今日も頂くよ♪」

「はい。来てくださいませ!」


 主の首に腕を回して、唇を貪る奴隷。


 そして、男として、女として、奴隷を可愛がる主。


 結界を張っているから、誰もここには近づけない。


 酒には酔わないが、女には酔う。


 先ほど殺した男達に言った常識はなんだったのかと、他の者がいたら突っ込んだことだろう。


ありがとうございました。


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