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僕 カンバック!

よろしくお願いします。

 バアルが現れて2週間が経った。

 ダンデルの冒険者ギルドは、いつも通りの風景のようで内心ざわついていた。


「あれから姿を現さなくなりましたね。あの人」

「そして、それと同時にカデーイさんの仲間と、ジェルドさん達の行方が分からなくなったけどね」


 職員のモルデーファは後輩の言葉に、ため息を吐いて答える。

 2週間前に突如現れて、強烈な印象の残した男。

 その男は迷宮の場所を聞くと出て行き、そこからギルドに現れない。

 

 それに合わせて「カデーイの仇を取る!」と言って、興奮していた男達も男を追って帰ってくることはなかった。

 ちなみに、そのカデーイだが2日前に亡くなった。

 僧侶や神官が診たが打つ手なしだったそうで、むしろ治療すると苦しみだすという状態だったそうだ。

 最後は食事もとれず、水も飲めず、声を挙げることもなく、気づくと死んでいたそうだ。

 他の者は「あの男を捕えろ!」と訴えていたが、治療を行った事実がある以上その男が殺したという事実の立証は難しいそうだ。


 さらに、当時迷宮を攻略していたジェルド達と連絡が取れなくなった。

 いつもあった定期連絡がなく、買い出しに出ている様子もない。

 しかし、30階の拠点は荒らされた形跡が一切なかったため、死んだのか攻略中なのか判断できなかったため、現在彼らの後に攻略予定だった冒険者達が調査している。

 数日中に何かしら結果が出るはず。

 ギルドでは誰もが密かに緊張していた。


「ジェルドさん達なら大丈夫では?」

「……だといいんですけど」


 しかし、モルデーファの希望は砕かれる。

 1人の冒険者が駆けこんでくる。


「ジェルド達が見つかった!!全滅だ!!」

『っ!?』


 冒険者の男の言葉に、ギルドにいた全員が固まる。

 

「冗談言うんじゃねーぞ!!」

「こんなこと冗談で言えると思ってんのか!!!この状況で!!」


 1人の冒険者が怒鳴るも、それ以上の声量と怒りを出して怒鳴り返す。

 そして、すぐ横の扉を力任せに叩き、ヒビを入れる。

 その光景と様子に、全員が真実だと理解する。


「どういう状況だったのですか?」

 

 モルデーファは顔を青くしながら、その冒険者に声を掛ける。

 冒険者は息を荒くしながら、モルデーファに顔を向ける。

 その様子に自分の状態を理解し、深呼吸し、ゆっくり話し出す。


「すぅはー。………すまねぇ。……見つけたのは38階。見つけたのはジェルドとヴェランの死体だけだ。それ以外の奴らの死体はどこにもなかった。けど、2人の死体の状況から全滅したものと考えられる」

「お2人の死体は?」

「今、運ばせてる。もう着くだろう。……覚悟がねぇ奴は今すぐ出て行け。エグイっていう問題じゃねぇ」


 その言葉に顔色をさらに悪くするギルド内の者達。

 すると、台車を引いた冒険者達がギルド内に入ってきた。

 台車には布が被されていた。

 引いてるメンバーも今にも吐きそうなほど顔色が悪い。


「今、ギルドマスターが来ています。少しお待ちください」

「分かってるよ。……迷宮にはしばらく誰も入れるな。俺達も一度撤退する」

「それが賢明じゃよ」


 現れたのは犬耳と尻尾を生やした老人の男性。

 ギルドマスターで狼獣人のベンゲッドだ。


「待たせたの。調査ご苦労じゃった」

「……全くうれしくねーけどな」

「全くじゃの。……では、見せてくれるかのぅ」

 

 優しく微笑みながら労うベンゲッド。

 それに顔を顰めて答える冒険者。

 それに苦笑して同意し、顔を真剣なものに変える。

 冒険者もそれに頷き、台車に近づく。

 そして、布を取り払う。


「うっ!?」

「ひぃ!?」

「なんだよそれ……」

「これは……むごいことをするのぅ」

「ヴェラン……さん」


 現れたのは腐り始めた男の死体と、いつもその男の傍らにいた女性の姿をした石像。

 ジェルドとヴェランだ。

 ヴェランはジェルドに抱き着き、悲壮な顔で固まっている。

 それを見た多くが口元を押さえる。

 多くの冒険者の死を見てきたベンゲッドでさえ、言葉に詰まってしまう。


「38階で見つけたのは、これだけだ。それ以外には戦闘の痕跡以外、何もなかった。死体もな」

「それは……」

「これ以上は何とも言えねぇ。けど、ジェルドとヴェランなしで迷宮を進めるなんて思えねぇ。それと、こいつらは()()()()()()()()()()()()()()()()()

「なんじゃと?」

「そうだ。こいつらは『後から来た誰か』に殺されたと考える。仲間割れなら、その向きで死ぬのはすこしおかしい」


 その言葉にモルデーファは、あの男の事を思い出す。

 彼なら可能ではないか。

 そう考えてしまった。

 そして、それは1人だけではない。


「あの男だ」


 誰かが呟いた。

 それにベンゲッドが反応する。


「あの男?」

「カデーイを殺した奴だ!あいつは迷宮に向かったはず!あいつだ!!」

「そうだ!あいつしかいねぇ!!」


 その言葉にベンゲッドはモルデーファを見る。

 モルデーファは顔を顰めている。

 それを見て、その可能性は高いと理解するベンゲッド。

 しかし、それをどう証明するか。

 それが問題だ。

 間違いなく、誰も証明できないからだ。


「あの野郎ぉ。次見つけたら殺してやる!」

「そうだ!ここまで馬鹿にされて、仲間を殺されて黙ってられるか!!」

「俺も行くぞ!!」

「私も!!」


 まずい空気だ。

 事実も分からないのに、そんなことを許してしまえばこの街の秩序は崩壊する。

 モルデーファは顔を白くする。


『落ち着かぬかぁ!!』


 ベンゲッドの声が響く。

 荒れ始めていた冒険者達の熱が一気に収まる。


「何一つ証拠もなしに手を出せば、儂らはお前達を処罰せねばならん!!そして、証拠がない以上!その男が報復した場合、儂らはそれを止められん!!それで困るのは、弱き者達だ!!それを考えてから行動せよ!!それが冒険者だ!!」


 ベンゲッドの言葉に、悔しそうに顔を顰める冒険者達。

 ベンゲッドがさらに言葉を続けようとした時、


ガラーーン!!ガラーーン!!


 鐘の音が鳴り響く。

 

 その鐘は冒険者ギルドの屋上に取り付けられているものだ。

 そして、それが鳴る理由は、ただ1つ。


「魔王が現れたじゃと!?」

『な!?』


 ギルド内、いや街中が騒めく。

 それもそうだ。

 魔王は勇者によって討伐されたばかりで5年も経っていない。

 こんな短期間で現れるのは、出現が確認されるのは初めてだ。

 しかし、それを疑う余地はない。

 なぜなら、鐘を鳴らせるのは、『神』なのだから。


 この日、世界中で同時に鐘の音が鳴り響く。


 世界は再び混乱に陥る。




 鐘が鳴り響く半日前。

 【欲食の迷宮】最下層にあるバアルが眠る繭が鳴動する。


 そして、繭は全体にヒビが入り、一気に弾ける。


 バアルは体を丸めて、浮いていた。

 ゆっくりと目を開けると、体を広げて足を地面に着ける。


 周囲を見て、ここがどこか把握する。


「あぁ……ここは、あの迷宮か。……ん?」


 自分の声に違和感を持つ。

 体を見る。

 いつの間にか男に戻っていた。


「ふむ?」


 バアルは姿見を作る。

 そこに写っていたのは、『僕』だった。 

 『梶島奈央』より、少し大人びているが女っぽい顔だ。 

 髪は変わらず紫がかった銀色で、瞳は金色だ。

 体を見ると、バアルの時より身長も縮み、筋肉も衰えている。

 しかし、完全に『梶島奈央』ではない。

 少し成長した姿のようだ。


「ふむ。元の体に近づいたということか」


 思考も『僕』主体だ。

 『我』も感じるけど、前と違って『我』を取り込んで完全に落ち着いている。

 なるほど。『我』はあくまでこの世界に馴染むための人格だったということか。

_______________________________________

Name:NAO BAAL(NAO KAJISHIMA)

Age:???(18)

Species:Unknown(Human)

Skill:【全能】【無限】【転性】(【鋼】【鬼】)

_______________________________________


 ふむ。完全に混ざったようだ。

 ナオと名乗り直すとしよう。

 それに。


「【全能】になった。やはり神王の力を取り込んだことが原因か」


 探査を行う。

 すると、迷宮全体に届くようになった。

 

「フハハ!アハハハハハハハハハハハハ!!これで神王も僕を簡単に止められないぞ!!」


 次に女になってみる。

 ふむ。こっちも『梶島奈央』のときに近いな。

 思考も『妾』よりは『私』だ。

 ……ふむ。日本人顔なのに銀髪が似合うわね。

 それにスタイルも抜群。……これは変わらないか。

 でも、身長は縮んだからかしら?

 なんかエロさが増した気がするわ。

 こっちはスキルに変更はなし。

 まぁ、元々強いものね。

 【無敵】が神にまで及ぶようになった、ということかしらね。


 男に戻って、服を創造する。

 今回は黒のフード付きジャケットに、黒のズボン。紺色のシャツと腰マントを作ってみた。

 ふむ。まぁ、こんなもんか。


「この後はどうするか。とりあえず街に戻って……そうだな。迷宮の場所を聞くか。それと神と繋がりが深い場所も調べてみるかな」


 とりあえず、玉座の間に左手を向ける。

 部屋の中に向かって、火の玉を放ち、転移で移動する。

 

 部屋の真ん中当たりで火の玉が弾けて爆発し、炎が部屋を飲み込む。

 部屋を崩し、壁際にあった死体を灰にし、荒れ果てた部屋となって火は消える。

 


 

 迷宮の外に出た僕。

 空気を吸って、伸びをする。


「うーん。さて、街に戻ろう。ギルドは……メンドクサイからいいか。情報なら宿でも手に入るでしょ」

 

 街に戻り、前とは違う宿を取る。

 そこにいた酔っ払いの冒険者達に酒を奢りながら、情報を集める。

 まぁ、別にわざわざ奢る必要はないけど、コミュニケーションも取ってかないとね。

 ふむ。この国には後3つか。

 どれも攻略はされていないと。

 じゃ、次はその中で近いところだね。


 予定は決まった。


 歩いて街を見ていると、突如鐘の音が鳴り響く。


「魔王が出たのか!?」

「そんな!?だって、倒されて数年よ!?」

「早すぎるだろ?」

「でも、神が認めたんだぞ!!」


 ふむ。あれか?

 核を取り込んで、覚醒したからバレたか?

 やっぱり少なからず核と繋がっていたか。

 ……いや。多分、場所までは分かっていないな。

 だからこその鐘か。

 

 ではでは、神のお手並み拝見と行こうかな。



 ナオの様子を遠くで見ている者がいた。


「あれは……背丈は変わってるけど……間違いなくあの男だわ」


 モルデーファだ。

 魔王出現の知らせを受けて、情報をもう少し得るために教会に出向く途中だったのだ。

 背丈は変わっているが、あの髪の色に雰囲気は間違いない。

 

「いつの間に街に……」


 いや、ギルドに寄らなかっただけか。

 

「どうしましょうか」

「何がだ?」

「!?」


 声を掛けてきたのは、冒険者の男だ。


「わりぃ。驚かせたか。随分と顔が怖かったからな。……あの小僧がどうかしたか?」

「だ、大丈夫です。知り合いに似てたもので」

「そうかい。……あいつ?どっかで……」

「っ!」


 話を逸らそうと思ったが遅かった。

 

「あいつは……!カデーイとジェルド達をやりやがった!おい!てめぇ!!」

「待って!!」


 しかし、男の腕を掴むことは出来なかった。




「おい!てめぇ!!」

「ん?」


 殺気を感じて振り向く。

 そこには顔を真っ赤にした冒険者風の男とあの受付の女性がいた。


「てめぇがカデーイとジェルド達を殺しやがったのか!?」

「誰それ?」

「て、てめぇ!!」

「落ち着いてください!!」


 モルデーファが男を止めるも、聞こえていない。

 周りは僕達に注目する。


「とぼけんじゃねぇよ!!てめぇがカデーイを骸骨みたいにして、ジェルド達を殺して石にしたんだろうが!!」


 その言葉に誰の事か思い出す僕。

 そして、男の言葉に周りは顔を顰めて、こっちを睨む。


 ふむ。随分と慕われていたんだな。

 しかし、なぜバレたのか。

 ……一度誤魔化してみるか。


「誰のことですか?僕はここに来たばかりなのに。僕がやったという証拠でもあるんですか?」


 その言葉に、顔を顰めて黙る2人。

 それを見て、やはり言いがかりで来ただけかと判断する。


「もしかして、言いがかりですか?ギルドの職員さんもいるのに」

「「!?」」


 その言葉にモルデーファは失敗を悟った。

 無理矢理にでも割り込んで止めるべきだった。


 周りはナオの言葉と2人の反応に、ナオの言葉が正しいと思い込む。

 そして、2人に非難めいた視線を送る。

 その視線を感じ取った男は、顔を赤く染めて、衝動的に剣を抜いてしまう。


「うるせぇ!!このクソ野郎がぁ!!」


 モルデーファは止めようとするが、剣は振るわれる。


 ふむ。馬鹿な奴ばっかだな。

 僕はスキルを使って、剣を砕く。


 それに驚いている男の左頬に右フックを叩き込む。


「ぶっばぁ!?」


 男は口から歯を何本か吐き出しながら、5mほど吹き飛ぶ。

 男は顔から地面に落ちて、さらに3mほど転がる。


 周りは男が殴られた瞬間、バッと道を開けて男を見送る。

 

「この場合、僕はこれ以上はダメなんですかね?」

「……っ!?そっ……そうですね!これ以上は過剰行為で犯罪になる可能性があります」


 僕の言葉にモルデーファは慌てて答える。

 

「そうですか。では、後はお任せします」


 そう言って去っていく僕。

 それを唖然と見送るモルデーファ。


 その後、男の対処を周りから押し付けられ、教会に行くのが大幅に遅れたモルデーファだった。




 翌日、僕はめんどくさいことになりそうと思ったので、とっとと出て行くことに決めた。

 門を出て、次の迷宮のある街に向かって歩いていたら、後ろから数人が走ってくる音がした。


「見つけたぞ!!」


 後ろを向くと、昨日殴った男と、10人近くの男女の冒険者集団だった。  

 僕はため息を吐く。

 

「はぁ~。まだ何か?」

「ふざけるな!!カデーイとジェルド達の仇を逃がすか!!」


 まだ固執してたのか。

 合ってるけどさ。


「だから、証拠を出せと言ってるんですよ」

「俺の【直感】がお前だって言ってるんだよ!」


 その言葉に顔を顰める。

 【直感】持ちか。

 しかし、実力差も判断できないのか?

 いや、確か【直感】はさらに分類されるのだったか。

 この感じだと、こいつのは【真偽の直感】か。


「じゃあ、隠すだけ無駄か」

「覚悟しやがれ!!」

「君達は…ジェルドとかいうのより強いの?」


 その言葉に悔しそうに顔を歪める冒険者達。


「君達はもう少し頭使ったら?」

「この野郎!!」


 僕の挑発に簡単に乗る冒険者達。

 武器を抜いて構え、飛び掛かってくる。


 僕は連中の武器と防具を砕く。

 そして、上から圧力をかける。

 冒険者達は地面に押し付けられる。


 誰も起き上がることは出来ない。


「ぐ!ち……くしょう」

「ふむ。このまま地面に沈んだら、どれくらい生きれるのかな?」

『!?』


 僕の言葉に目を見開く冒険者達。

 すると、地面が蠢き、体が沈み始める。


「ひぃあ!?」

「ま、待って!?」

「見逃してくれ!」

「殺しに来といて、それはないでしょ~」


 僕は苦笑して冒険者達は沈めていく。


「た!たすげぇがお!?」

 

 叫ぼうとして土が口に入り込む者が続出した。

 あらら。大人しくしとけばもう少し長生きできたかもしれないのに。

 自分から窒息しに行くなんて。


「ぐぅ!!がぁ!!はぁ!はぁ!」

「おや」


 青髪の女の冒険者が何かを投げると、それと入れ替わるように地面から脱出する。

 ふむ。【置換】か。

 なんで今まで使わなかった?

 

 入れ替わったのもを見ると、それは下着だった。


 あぁ。【置換】は確か力が弱いと、長期間身に着けて魔力がしみ込ませたものでないと対象に選べないんだったな。

 こいつは魔力が低くて、戦闘では使えなかったのか。

 もしくは砕いた装備を普段は【置換】の対象にしていたんだな。


 女は立ち上がって、逃げようとする。

 すでに他の冒険者達は地面に埋められて見えなくなっていた。


 ふむ。


「そんな逃げなくても」

「ひぃいい!?」


 女は腰が抜けて、座り込んでしまう。

 ふむ。そうだな。

 ちょっと実験しよう。


 僕は女に変わる。


「へ!?」


 目を見張り、変な声を出す女。

 その女に私は微笑んで、女の顔を撫でる。


「ひ!?」

「そんなに…怖がらなくていいわ」


 ゆっくりと頬を撫でて、唇を親指でなぞる。

 女は私の手つきと妙に扇情的な表情に、顔を赤らめて妙にドキドキしてしまう。

 その後も耳たぶを触ったり、鎖骨から下顎まで指でなぞったりすると、体をモゾモゾとし始める。

 女の目も恐怖とは違う意味で潤んできている。

 女は冒険者をしていることもあって、程よい肉付きをしている。

 顔もまぁまぁ可愛い。 


 私は女の耳元に顔を近づける。


「さぁ、私を受け入れて」

「くぅ…」


 女は顔を真っ赤にして、ビクッと震える。

 そして、女の顎をクイっと持ち上げ、顔を近づけ、唇と唇が触れ合いそうになる。


「【心蝕】」

「あ……」


 私はスキルを発動する。

 女の潤んでいた瞳から光が消え、顔色も真っ白になり、感情も消える。

 

 私は手を放して、立ち上がる。 

 女はピクリとも動かず、呆然としている。

 口も開きっぱなしで端から涎が流れる。

 しかし、女はピクリともしない。


「ふむ。なるほど。感情を奪っちゃうのか。これじゃあ、すぐに人形にされたってバレちゃうわね」


 【闇】スキルで心を闇で飲み込み、操り人形にする応用技【心蝕】。

 残念ながら、感情も思考も奪うため、まさに人形でしかない。

 ……流石に【闇】スキルでは『心を作り直す』ことまでは出来ないわね。

 いちいち転性して作り直すのは面倒よねぇ。

 何かいいものが見つからないかしらね。


 男に戻って、女を結界に閉じ込めて時間を止める。

 そして、虚空庫を作り、そこに放り込む。

 いつか使えるだろ。


 周りを見て、何もないことを確認すると、女になって羽を生やして空を飛ぶ。


 そして、私は次の街を目指す。



ありがとうございました。


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