結婚とは、文化の衝突である
別に、連載が煮詰まったわけでは無いのです。今日起きた事件が悪いのです。
結婚において、一番の障害は、お互いの生活習慣、すなわち家庭文化の違いである。
偉そうなタイトルだがなんて事は無い。
うちの嫁さんとの生活習慣での意見の相違があるからだ。
はや結婚して十年になろうとしている、当家でのことだ。
例えば風呂の時間だ。
結婚前、私は実家住まいだった。仕事の都合上、帰宅-食事-寝る前に風呂、だった。
嫁も実家住まいだった。だが嫁家は食事前に風呂、の文化だった。
結婚し、ここで衝突である。
別に殴り合いの喧嘩をする訳ではない。
言い合いになる訳でも無い。
両者の言い分を聞き取り、妥協できるところを探すのだ。
当家では、風呂は結局、食事前に入れるときは入ることになった。
理由は残り湯を洗濯に回したい、という金を稼ぐ人間としてはぐうの音も出ないものだったからだ。
遠回しに稼ぎなさい、と言われた気がしたのだ。
金は天下の回り物ではないのか?
そして正月だ。
正月と言えば餅だ。
私は東京生まれの東京育ち。
あらゆる食べ物は醤油があれば解決してしまう、根っからの関東人だ。
食べ方は焼いて醤油をつけるかノリで巻いた磯部だ。
これがすべてだった。
対して嫁は東京生まれの千葉育ちだが、両親がともに宮城出身だった。
餅は黄な粉か餡子かずんだ、だった。
ずんだ、とは枝豆(未成熟な大豆)またはそら豆をすりつぶして作る緑色のペーストのことだ(wikiより)
正月に嫁の実家で、餅をどう食べるかを聞かれた時に、私は答えられなかった。
そこに磯部の選択肢はなかったのだ。
「えっと、醤油で……」
なんだろう、異世界に放り込まれるとはこの事なのか、と今更思った。
皆の視線が私に集まるのだ。私は悪いことはしていない。
別に餡子も黄な粉もずんだも否定しない。甘いし美味しいとは思う。
でもやっぱり、私は磯部でしか食べない。
醤油万歳!
そして当家の正月の餅の食べ方は基本は磯部だが、あとは嫁の好きな様になっている。
流石にずんだは面倒なのか出たためしはないが。
子供は甘ければなんでも良いらしい。
そして、このくだらないエッセイを書く原因となったのが、ホットドッグだ。
普通、ホットドッグはパンに対して縦に切れ目を入れると思っていたのだが、嫁は違った。
パンに対して横に切れ込みを入れていた。
「あんびりーばぼー!」
叫びはしなかったが、頭の中ではこの言葉が鳴り響いていた。
まぁ、口にいれてしまえは、縦だろうと横だろうと関係は無いのだが、見た目がだね。
うーむ。
男も女も見かけじゃないよ、とはいうものの、やはり見かけは大事なのだ。
食事でも、見かけは大事だ。
というように、異なった文化で育った者同士が一緒になるのだから、生活においてズレは生じるのだ。
これはおかしい事ではない。
このズレをいかに解消していくかは、その家庭次第だ。
力で解決してはいけない。
あくまで話し合いで、妥結点を見つけるようにしよう。