3話 先輩
遅れてすいませんでした。
祖母の家に行ったりして、空いた時間で書いてました。
そろそろ母さんたちが帰ってくるから、それまでにご飯作っとかないとまた文句言われる。でも時間ないし、どうしようかな、チキンライスでいいかな?
あと20分くらいあるし、3人分くらいなら間に合う。
「「「ただいまー」」」
あ、帰ってきた。なんか一人多いような気がする。父さんは仕事で今いないし、母さんとスミレの二人しかいないはずなのに。
「ただいま、お兄ちゃん」
「お帰り、スミレ」
「凪?今ごはん何人分用意してある?」
「ん?3人分だけど?」
「もう一人分用意できる?誠治が戻ってきたの」
兄ちゃんか!
「でも、大学の寮で暮らしてるんじゃなかったの?」
「違うわよ。大学の近くのマンションに住んでたの」
「まあいいや、僕の食べて」
「駄目だよ、半分こにしよう」
もうやだこの20歳
「じゃあお茶漬け食べてください」
「は~い」
「凪はIPW、やるのか?」
ご飯を食べ終えた後、兄ちゃんが聞いてきた
「うん、やるけど、てかもう始めた」
「じゃあ兄ちゃんたちとパーティー組まないか?」
「え?のんびりプレイしたいからいやだ」
「そうか、まあ、気が向いたらいつでも言ってくれ」
「わかった」
もうすることないしIPWやろうかな。
ログインすると森の中にいた。
「え?え?なんで?」
ほんと、ここどこ?とにかく状況確認だ。
周りは草原っぽいところで謎の草がたくさん
【素材:薬草】レア度1
栽培可能(ランク1から)
森や草原など基本どこにでも自生している薬草。
いくらとっても次の日にはまた生えてきている。
ポーションの原料で、上位のポーションを作ろうとするなら畑の土のランクを上げて栽培するか別の素材を使えばいい。ほかの方法もある。
うん、あれだ、あとでポーション作るつもりだからたくさん採っておこう。
あれ?これ、なんか違うな。あ、よく見るといろんな種類のが生えているな。
【素材:毒草】レア度2
毒 栽培可能(ランク1から)
森や草原など基本どこにでも自生している毒草。
毒系ダメージポーションの原料で、上位のものを作ろうとするなら畑の土のランクを上げて栽培するか別の素材を使えばいい。ほかの方法もある。
ダメージポーションを作る際に使う他の素材によって即効性のダメージか持続ダメージかが決まる。
【素材:毒草】レア度2
毒(麻痺) 栽培可能(ランク1から)
森や草原など基本どこにでも自生している毒草。
状態異常系ポーションの原料で、上位のものを作ろうとするなら畑の土のランクを上げて栽培するか別の素材を使えばいい。ほかの方法もある。
なかなかいろんな素材が集まるな。当分はいろいろ実験することができそうだ。
そうだ、状況確認しないといけないんだった。
とりあえず左後ろに町を見つけた。
で、右を見てみたんだけど、兎がいた。頭の上にHPバーが表示されてる。モンスターは頭の上にHPが表示されるらしいから多分この兎もモンスターに分類されているんだと思う。
「いてっ」
撫でようとしたら案の定モンスターだったらしく頭突きされてHPが減った。
HP18/20
2も減ってる。あと9回攻撃されたら死ぬわ。あ、これ、やばい奴だわ。
ゲームの中とはいえ攻撃されたら痛いし、死ぬのも怖い。よし、戦おう。
スリングショットを取り出したけど弾が5発しかない。とりあえず撃つ!
当たった!HP1/5くらい減ったよし、全部当たれば倒せる。
あ、やばい、5発目外れた。え、どうしよ、あ、石がある。石撃つぜ!超撃つぜ!頭突きた!
「いったい!」
16/20
HP減ったけどポーションもったいないし回復しないでいいや。石何回か撃ってたらもうすぐ倒せそうだからあと一発、集中して打つ。
よし、当たった。HPバーの表示がなくなった。
【モンスター:ラビットの討伐により5の経験値を得ました】
【これまでの行動により『エコ』『代用』の称号を獲得、HP自動回復、銃のスキルを取得可能になりました】
なんかいろいろアナウンスが聞こえた。なんか称号もらったらしいから、ステータスの確認してみよう。
沙希
HP20/20 MP10/10 SP10/10
M【バード】 S【クラフター】
【ボーナスポイント:5】
STR 5
DEF 5
INT 5
AGI 5
DEX 6
CRI 5
【スキル】
【神秘の覚醒:Lv1】 Lvアップ時、SP、MPの上昇率アップ
【本:Lv1】 本系統のアイテムを魔法武器として扱うことができる
【笛術:Lv1】 笛系統のアイテムを武器として扱うことができ、笛系統のスキルを覚えることができる
【投擲:Lv1】 アイテムを敵対した相手に投げつけるときに操作の補助とダメージが発生し、味方に回復アイテムなどを投げつけるときに操作の補助が発生する
【下級水魔法:Lv1】水系統の魔法を使用することができる
【下級土魔法:Lv1】土系統の魔法を使用することができる
【生産:Lv1】すべての生産系の付属スキルを使用することができる
【器用地アップ(微):Lv1】DEXの値が上昇する。上昇する値はスキルレベルに依存する
【称号】
【エコ】遠距離物理系スキル・生産スキルを使用する際、弾薬や素材アイテムを低確率で消費しない。
【代用】効果はある程度変わるが、別のものを代わりに使えるようになる(スリングショットの弾の代わりに石、初心者ポーションの代わりに薬草、など)
うわ、なにこれ、すごい性能。と言うか、称号ってこんなに取得できるものなのかな。
薬草の使用ってどうすればいいんだろう。食べてみよう。
HP20/20
おお、すっごいまずいけどHP全快した。4は最低でも回復するんだな。
あ、ラビットを倒したまま放置してたけど、なんかアイテムが落ちてる
【素材:兎の皮(小)】レア度1
ラビットの皮。防具などに使用されるがこのままでは小さいのでいくつかを集めて使用される。
【素材:兎の肉】レア度1
ラビットの肉。あまりたくさんは取れないが量が多いので安い。
へ~、ドロップ品ってこんな風にドロップするんだ。
何しようかな、町に戻ってもいいけど。そうだ、スキルとか使ってみよう。
でも魔法は本を読まないとだから、笛のスキルと、生産もしてみよう。
まずは笛のスキルかな。どんなのがあるか、覚えてるスキル見てみよう。
【笛術】
・メゾ・フォルテ 対象のステータスを一時的にやや上昇させる
・メゾ・ピアノ 対象のステータスを一時的にやや低下させる
・アレグレット 対象の移動速度を一時的に上昇させる(威力変動可)
・カランド 対象のHPを回復させる。(威力変動可)
・ヴィーデ 対象が注目され、集中して攻撃されたりするようになる
最初から5つも使えるんだ。ん?威力変動ってなんだろ?まあいいか、使ってみよう。スキルは声に出せば使えるみたいだから、
「メゾ・フォルテ」
どうかな?
沙希
HP20/20 MP10/10 SP10/10
M【バード】 S【クラフター】
【ボーナスポイント:5】
STR 5
DEF 5
INT 5
AGI 5
DEX 6
CRI 5
あれ、何も変わってない。あ、楽器装備してなかった。そりゃあ、使えないわ。
じゃあ、装備したから使えるかな?
「メゾ・フォルテ」
できない。どうしよう。
「楽器系のスキルは対象の指定をしないと使えないよ?」
バードの格好をしている男の人が話しかけてきた。なんかどっかで聞いたことある声だけど、帽子を深くかぶってるから顔が見えないな。
「対象の指定ってどうやるんですか?」
「まず、楽器を装備するところまではあってるんだけどね、スキル名の後に対象の名前を言わないといけないんだ。ちょっと君の名前を教えてもらえない?」
「あ、沙希です」
「沙希ちゃんね」
『メゾ・ピアノ 沙希』
目の前にいる人が持っているリコーダーがひとりでに少し低い音程で何かの曲を奏で始める。その音が耳に入ってから少し体が重い気がする。
「ステータスを確認してみて」
沙希
HP20/20 MP10/10 SP10/10
M【バード】 S【クラフター】
【ボーナスポイント:5】
STR 4(-1)
DEF 4(-1)
INT 4(-1)
AGI 4(-1)
DEX 5(-1)
CRI 4(-1)
あ、ステータスが低下してる。対象の指定って名前を言うだけでできたんだ。
「ちなみに、メゾ・ピアノはメゾ・フォルテで効果を打ち消せるんだ。やってみたら?」
「はい」
『メゾ・フォルテ 沙希』
メゾ・フォルテのときのおとは明るい音だった。
「ちゃんとできてる?」
沙希
HP20/20 MP9/10 SP10/10
M【バード】 S【クラフター】
【ボーナスポイント:5】
STR 5
DEF 5
INT 5
AGI 5
DEX 6
CRI 5
「できてます」
「そう、よかった。ちなみに、対象は自分が勝手に読んでるやつでも大丈夫だったよ。ラビットAとかラビットBとか」
「あの、ありがとうございました。よかったら名前を教えてもらえませんか?」
「俺は満っていうんだ。でさ、俺たちリアルであったことない?俺の知ってる人と同一人物だったら誕生日当てれる。5/25だろ」
自分の誕生日を知ってる人でこのしゃべり方だとたぶん朝霧先輩だと思う。
「あなたの誕生日って7/26じゃないですか?」
「そうだよ。高校1年生だよな?」
「はい、誕生日もあってます。朝霧先輩ですよね?」
「うん。凪だろ?」
やっぱり。吹奏楽部の2年生、サックスパートで一人しかいない男子でうちの吹奏楽部のムードメーカー的ポジションの人。うちの吹部は男子の仲がいい。あと5人いる。
「いや、なんかどっかで見たことあるやつがバードの格好してラビットと戦ってると思ったら、急に楽器持たずに楽器スキルの名前を呟いてたからちゃんとできるか見守ってたらだんだんスキルの正しい使用法に近づいてったけど、これはもう一人じゃだめだなって教えに来てやったわけなのだよ」
「そこから見てたんですか?」
「YESあ、そうだ、フレ登録しよう?」
「はい。先輩は何のジョブなんですか?」
先輩からのフレンド申請に対して許可しながら聞いてみる。
「バードをメインにして、マジシャンをサブにしてるそれと、ゲームの中ぐらいため口でもいいんだぜ?」
「じゃあ、ちょっとずつ慣れていきますね。そうだ、マジシャンってことは魔法使うときは本ですか?杖ですか?」
「ああ、俺は杖だな。本は一回読んだらいちいち装備しなくてもいいんだけど、俺、本読むのって苦手だからさ、時間もすごいかかるんだろ?沙希はどっちなんだ?」
「僕は本です。まだ読んでないですけど、今暇なんで読んでおこうかな、って」
「そうか、おまえ本よく読んでたもんな。と言うか、ここにいるとモンスター近寄って来るし一回町に戻ろうぜ?」
周りを見るとラビットたちが3匹集まってきて来てる
「もう集まっちゃってますし戦いましょう」
「あれ、沙希って意外と好戦的なのな」
『メゾ・フォルテ 沙希』
MP8/10
「行きますよ」
スリングショットの弾はもうないからその辺の石を拾い集める。これを撃ち込んでみるけどダメージはスリングショットの弾の半分くらいでも10発も撃てば倒せる。
「!?」
HP18/20
後ろから急に頭突きされた。一匹に集中してると他の敵からの不意打ちを食らってしまう。
『カランド 沙希』
先輩の声とともに体が淡い光に包まれる。
HP20/20
「どうだ、ちゃんと回復したか?」
「はい、ありがとうございます」
先輩が回復してくれたので、HPの事は気にせずに戦える。
ひたすらラビットに石を撃ち続けていると先輩も戦っていたんだろうけど、3匹でも簡単に倒せてしまった。
【モンスター:ラビットの討伐により5の経験値を得ました】
はい
「よし、後衛だけだとこんなに大変なんだな。まあいいや、早く町に戻って宿に泊まったらどうだ?金はかかるけどHPやMPを回復することができるし、一回宿に泊まるとログインした時に草原に飛ばされる不具合も防げるんだ」
草原でログインしたのはそれが原因だったのか。
「はい、行きましょう」
モンスタードロップを回収して、待ちに戻って、先輩に揺れられて、宿屋にやってきた。
「こんなたてものなんですね」
看板が掲げてあるけど、大きい民家みたいなところだ。
「ああ、ここで金を払うことで泊めてもらえる。」
押戸の扉から中に入ると、優しそうなおばさんがいて、食堂みたいなところだった。
「一泊でいいかい?」
おばさんが僕たちに話しかけてくる
「はい、二人部屋一部屋で。」
「100Gね」
「同じ部屋ですか、先輩?」
「ごめんごめん、二人部屋のほうが安いんだよ」
先輩がお金を払いながら答える
「二階の三号室ね、はい、鍵」
「ありがとうございます」
鍵を受け取った先輩と、部屋に入ると、ベッドが二つあった。
「じゃあ、おれ、ログアウトするから。またな。」
先輩がベッドに入ったので、僕もベッドに入る
一回寝て起きたけど、時間はあまり経ってないみたいだから、本を読んでおこう、そしたらもうログアウトするかな。
本は大体30分くらいで読み終わったので、もう一度ベッドですこしねむって、ログアウトした。
次回はもうちょっと頑張ります