表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

きれいなきんたま

作者: halsan

お前さん、もの好きじゃのう。こんな題名の小説を開くとは。

せっかくだから語ってやろう。


とある都市伝説がある。

それはある子供番組での出来事。

おねえさんから、「『き』で始まる言葉は何があるかな」と聞かれた幼児の一人が答えた。


「きんたま」


おねえさんが、「もっときれいなもので答えてね」と続けると、その幼児は言葉を重ねた。


「きれいなきんたま」


その後番組は中断され、再開されたとき、その幼児が座っていた場所にはクマのぬいぐるみが置かれており、幼児はいなくなった。


お前さん、それはただの放送事故だと思うか?

よいかお前さん、世の中には、言霊というものが存在するのじゃよ。

そしてその中には「禁忌の組み合わせ」が存在するのじゃ。


「きれいな」とは、万人が好んで使用する形容詞じゃ。

それだけに素直な言霊が宿っておる。

「きんたま」とは、男の子が必ず通過する名詞じゃ。

こちらも多少やんちゃじゃが、可愛げのある言霊が宿っておる。


じゃがな、お前さん。


「きれいな」と「きんたま」を、この世で同時に使用する人間がおるか?


「汚い」と「きんたま」は、そういう嗜好の連中ならばあるじゃろう。

だがな、「きれいな」と「きんたま」は、皆が無意識のうちに同時の使用を避けているのじゃ。


わかるか、お前さん。皆、深層意識でわかっておるのじゃよ。

「きれいな」と「きんたま」が同時に存在してはならぬことを。


その禁忌を幼児は犯してしまった。そういうことじゃ。


わからんか。よく聞けよ。


きれいな きんたま


2つの言霊が同時に使用されたとき、融合が起きるぞ。


きたれ いんきなま


来たれ 陰気な魔


ほれ、お前さん、後ろからお迎えじゃ。

せいぜい地獄で肝を冷やしてくるがよい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] こんなことで笑ってしまった ……疲れてるんだな、きっと [一言] 『女性器を主人公にして全年齢対象小説を書く際に使用する彼女の名前についての考察』から来ました 面白かったです
[一言] 「禁忌な組み合わせ」を「禁忌んたま」と読んで、ちょっと沈黙しました。溜まってるなー。(*≧∀≦*)
[一言] 声だして笑ってしまった。 傑作です。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ