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6分間ヒーロー  作者: 三角まるめ
第2章 新たなる英雄
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第7話 激突! ふたりのヒーロー!!

ハロウィン仮面田中正義は普通の高校生である。彼を襲う暗黒軍団ダークは世界制覇を企む悪の秘密結社である。ハロウィン仮面は人間の自由のためにダークと戦うのだ!

 正義が鈴木英雄と出会った数日後、彼は再び正義の前に現れた。それはある日の放課後だった。

「どうか邪身が現れませんように……」

 そう言って正義が校門を出た時、彼が突然正義を呼び止めた。

「待て」

「ん?」

 正義が振り向くと、そこには鈴木の姿があった。

「げ! お前は……鈴木英雄!」

「待ってたぜ田中……」

「な! 何の用だよ! まさかまた俺を殺しに来たのか?」

 正義は警戒しながら言った。

「ああ、そうだ」

 彼はあっさりと、表情ひとつ変えずに答えた……相変わらずイカレてやがる……あの独田とかいうおっさん、ほんとにちゃんと言い聞かせたのかよ!

「さあ! ショータイムだ!」

 彼はそう叫んで右手を前に突き出した。シャンメリーのビンが握られていた。栓をぽんっと開け、そのままぐびぐびと飲み始めた。

「……」

 正義はその光景をただ黙って見つめていた。畏怖、というよりは何やってんのこいつ、という感じだった。

 彼は一気飲みを続け、十秒足らずでシャンメリーを飲み干した。

「ぷはあっ! たなかぁげっっぷ! お前を殺す!」

「うわっ! 下品だ!」

装飾(イルミネーげぇぇっぷ)!」

 説明しよう! 鈴木英雄はビン一本のシャンメリーを12秒25以内に飲み干す事によってクリスマス・システムを起動する事ができるのだ! 彼はクリスマスクへと変身をした!

「死ね! たなげっぷ!」

「サク○ップみたいに言うな!」

 正義はしっかりとつっこんだ後に全力で逃げ出した。たとえこいつがバカでも、俺を本気で殺そうとしている事に変わりはない。

「ふっ! 逃がすか! トナカイ・ダッシュ!」

 鈴木も(おそらく)技名を叫んだ後に彼を追ってきた。

「! なっ! はええ!」

 あっという間に彼は正義に追い付いた。

「へっ! 遅いな、お前」

「くっ!」

 攻撃が来る、と正義は覚悟した。だが。

「ぐはっ!」

 鈴木は目の前の電柱に気付かずにぶつかってしまった。

「……アホでよかった!」

「田中君!」

「! おっさん!」

 道の先に葉加瀬が立っていた。

「これを!」

 そう言って正義に投げ渡したのは茶色い缶だった。ハロウィン・システムを起動するための缶だ。

「サンキューおっさん! よし! これであいつに立ち向かえる! でも何で都合よく?」

「ドクターから鈴木君が君のもとへ向かったと聞いてな! どうやら彼はなかなか手がかかるらしい!」

「なるほどね!」

 正義は急いで中身を飲み干す。

「1300円返せよ!」

 システム起動間際の正義に葉加瀬は付け足したように言った。

「珍しく頼りになったからどうしようかと思ったけどよかった! やっっぱあいつクズだ☆ 変! 身!」

 正義はいつものださいポーズをとる。まばゆい光が彼の体を包んだ。

 説明しよう! 田中正義はコ○・コーラ社の自販機で当たりを出す事によって手に入るセットアップ・カンの中身を飲み干す事によって、ハロウィン・システムを起動する事ができるのだ! 彼はハロウィン仮面へと変身した!

「俺の名はハロウィン仮面! トリック・オア・トリート!?」

 説明しよう! ハロウィン仮面は決めゼリフや技名を叫んだり、決めポーズをとったりする事によって攻撃力が上がるのだ! ハロウィン仮面の攻撃力が上がった!

「ちっ! 変身しやがったか……! 俺より超かっこいい変身ポーズに俺より超かっこいい決めゼリフ……! 許せん!」

 立ち上がった鈴木は悔しそうにしていた。正義は彼のセンスを疑った。

「今度はこっちの番だ……!」

 鈴木は姿勢を整えた。

「我が名はクリスマスク!」

 右手で拳を作り首の辺りに持ってくる。

「お前の残り少ない命に……」

 そして右腕をゆっくりと前方に伸ばした。

「メリー・ワン・タイム!」

 これと同時に人差し指をぴんと立てた。この一連の動きとセリフが彼の決めゼリフと決めポーズなのだろう。

「決まった……! いくぞ、田中!」

「よーし、来い!」

 と正義が答えた瞬間にはすでに鈴木は彼の目の前に来ていた。

「えっ!?」

 さっきよりはや……。

 今度はアッパーカットをしっかりとくらってしまった。

「うわ!」

「まだまだ!」

 鈴木の打撃が続く。正義は防戦一方だった。

「古いんだよ! お前は!」

「くっ……! 速い!」

「やめんか英雄!」

 独田とかいう男の声が聞こえてきた。どうやらそこに来ているらしい。だが鈴木の攻撃を防ぐのに必死で振り向く事など今の正義にはとてもできなかった。

「ドクター! 彼は危険です!」

 葉加瀬は隣に現れた独田に訴えた。

「うむ……この様子では已むを得んな……彼を装着者から外すしか……」

「その前に今どうにかしないと!」

「わかっている! しかし……私達にはどうにもできない。稼働時間が終わるまでは……」

「どのくらいなんですか! クリスマス・システムの稼働時間は!」

「12分25秒だ」

「12分!? そんな! それじゃあ田中君はハロウィン・システムが稼働終了した後さらに六分も彼の攻撃を防がないといけないんですか!? 生身の状態で!」

「そうなるな……」

「強制終了はできないんですか!」

「そんなプログラムはない」

「! ……あなた達は……私が抜けてから何も変わっていない!」

「……!」

 ハロウィン仮面、絶体絶命か!?

毎回毎回この後書きに何を書けばいいのか悩んでいます。いや、書く事がないなら書かなければいいんですけどね。

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