プロローグ
一見平和に見えるこの世界のどこかに、彼らは確かに存在していた。その名は暗黒軍団「ダーク」。しかし、世界中のどこにも彼らの存在を知る者はいなかった。彼らは常に世間にその存在を認知されぬようにしながら活動を展開していた。
そして今、その主たる目的が達成された。
「ジャーク様」
とある国のとある洞窟の中、組織の一般戦闘員テシータのひとりが言った。
「どうした」
彼がその名を呼んだ、ジャーク様なる男が答える。
「ついに『箱』を見つけました」
「何!? 本当か?」
男は声の調子を変えずに聞き返す。
「はい! こちらです」
そう言ってテシータが灯りで示した先には、確かに彼が探し求めていた「箱」があった。
「おお! これが……これが108体の邪身が封印されていると言われているパンドラの箱……ふふ……ふふふふふ……!」
男は思わず笑い出していた。
「ふふふふふふ……! これで世界を支配することができる……! ふふふ……ふははは……! は~っはっはっはっはっはっはっはっ!」
この物語は、大いなる悪に立ち向かう、とある正義の物語である。
誰しも一度は憧れるヒーロー。当然ながら僕も例外ではありません。そんなヒーローの生き様を描く予定です。かなりゆっくりとだと思いますが、末永くお付き合いください。そして誰か僕と付き合ってください。