前夜祭 その1
朝、高校に登校した。これからはこれが普通の事になるのだろう。
雲一つ無い空、春の日差しが暖かい。
記念すべき初登校としてうってつけの天気だ。
そう、今日は俺が新しく通い始める高校の入学式だ。彼女の家の前で幼馴染みの絵理奈が待っていた。今日からエリナも同じ高校に通うことになる。
「おはよう、エリナ」
「あら、おはようカズヤ、早かったわね」
俺とエリナは家が近く、今日は初登校ということもあって一緒に行くことにしていた。
「カズヤ、ボタンがズレてるわよ」
「あ、ありがとう」
「体育館シューズはちゃんと持ってきた? 生徒手帳はちゃんと胸ポケットに入ってる? 通学路もう覚えた?なんなら」
「大丈夫だって!」
それから15分ほど歩くと学校が見えてきた。
校門から中に入ると部活動の勧誘で騒然としていた。
入学式も終わり、新しいクラスで担任の挨拶も終わった。部活動に特に関心のない俺はすぐに帰った。帰りの教室は女子の話し声や、部活動の話の声がヒソヒソと聞こえた。
帰りに運動場の方に向かって行くエリナを見た。そいえば中学生はソフト部だっけ。
行きのようにエリナと一緒で無かったからか、帰る途中に道に迷ってしまった。行く道も分からなければ、帰る道も分からないので、とにかくひたすら道を進むと、駄菓子屋、錆びれた公園、小さな神社、など都会近くとは思えないようなものをたくさん見つけた。特に関心を引いたのが、どこに繋がっているのかも分からないトンネルで、コンクリートでできた壁には苔がびっしりと生えていた。中に入ろうかとも考えたが、かなりの距離を歩いてヘトヘトだったので早く家に帰りたかった。
しばらく歩くと、何とかエリナの家の前に出ることができ、無事に家に帰る事ができた。
学校を出たのが11時で家に着いたのが15時でもうヘトヘトだったのでコンビニで買ったおにぎりを食べてすぐにベットで寝た。
(4時間も歩いたのなんて始めてだ…体感時間だと5,6時間くらい歩いた気がする)
疲れからか、ぐっすり眠る事ができた。
この小説を読んで下さった皆様本当にありがとうございました。
よろしければ感想などをひとこと頂けたらと思う限りです。
次くらいからボチボチ展開部に入ります