epilogue「あしたはあしたの風が吹く」
別れがあるから出会いがある。
だから、サキさんとユウくんは出会えたんだよね。
先ほど訪ねた二人の姿を思い出してみた。
これからはきっと、幸せになっていく。
悲しみなんて、できるだけ少ないほうがいいに決まってる。
「素敵だなぁ」
あの二人を見ていると、恋をするのも悪くないかもしれないと思える。
もう一度、まぶたを閉じて思い浮かべる。
とても活き活きとして話すユウくん。
そのそばで幸せいっぱいに微笑むサキさん。
そんな素敵な光景。
そんな幸せを、いつか私もつかめるのだろうか。
『未来は見えないからこそ面白いんだよ』
その言葉を思い出す。
「そだね、お姉ちゃん」
だから私はまた先を目指していこうと思える。
あの二人が、それほどまでに眩しくて……楽しそうだったから。
「願わくば……」
この冬の海に。
この私の好きな季節の空に。
祈りを込めて、私は呟く。
「みんなが幸せになれる未来を……」
あしたはあしたの風が吹く。
私たちの物語は、まだまだこれから……
『別れと出会いの物語 ~ Good-bye and Hello ~』 is the end.
ここまで読んでくださった方々、ありがとうございました。
モノローグが多く、読みにくい小説だったと思います。場面や登場人物もあっちいったりこっちいったりで、なかなか読んでるほうが大変だったのじゃないかなぁと。
そんな小説にお付き合いくださり、本当にありがとうございます。
このお話はこれにて完結となります。が、二人のその後を描いたり、ケイやサクラ、それを取り巻く人物たちのお話はまだまだ続きます。
それはまた別のシリーズという形で書かせていただきますので、よろしければそちらもお付き合いくださると大変嬉しいです。
(次回の作品は、サクラが主人公の作品を書く予定です)
取り急ぎ、繋がりのある話として「図書館の恋」というお話を掲載しておりますので、もしよろしければそちらも読んでやってください。
本当に、ここまで読んでくださって、ありがとうございました。