1「紹介」 、2「蛇足」
最初は面白い様な短いギャグにするつもりでした…
が、文章にするとまだまだ書ける…!
必要の無いことも詰め込みすぎた感もありすますが、順番を考えて読み易いようには心がけました。
幅広く気楽に読んでもらえるかなぁと思います。
色々なテイストの文章が好きなのでミクスチャー(?)体裁だと思われます。
半年ほど前に作っていたもので、1人でも多くの方に見て読んで何か感じてもらえたら嬉しく思いました。暇すぎて死んでしまう前にはどうぞ。。。
家に帰ると、自分宛に封筒が届いていた。
差出人は分からない。
住所はあってるから間違いではないようだ。
重みがあって少し上下に振ってみると、ジャラジャラとした感覚がある。
「あれ?小銭?」
妙にテンションが高くなって、高揚感を抑えつつ封を切った。
そして、そこにはやはり小銭と、一通の手紙。
手紙はどうでもよかったから、まずは小銭の額を確認した。
880円。
とても半端な額で、謎が深まる。
まあ、小銭がジャラジャラ言う以上、半端なのは当たり前なのだけれど。
小銭の件を踏まえ、
とにかく手紙を読もうと思った。
二つ折りにされていて、
真っ黒い紙に白字で文字が書かれてる。
不気味な印象を受けた。
二つ折りの見えた方に何か一行書かれていた。
「リヴァーゲーム創始者より」
?
リバーゲーム?
なんのこっちゃ。良く分からない。
中を見ないことにはさらに良く分からないままだから、
開けてみた。
リヴァーゲーム創始者より
この度、貴方をリヴァーゲーム創始者が主催する、
ゲームへの参加の権限を与えます。
あなたを「6」の代表として推薦すべく、
開催の日程と開催地の住所を記載した此の手紙をお送りいたしました。
さて、このゲーム。
見事勝利をおさめられますと、
1000万以上の賞金が手に入ります。
詳細は当日、開催地にてお話し致します。
ご検討を
はぁ?
うっそくせーーー。
何だこれ?
気色悪いの一言に尽きる。
こんなきな臭い胡散臭い条件誰が信用して誰が行くんだよ。
そんなヤツ等の顔が見てみたいよ。
…
…
…
でも、
気にはなるな。
「6」の代表って何?
ゲームでしょ?
小中学生の頃、ゲームに明け暮れた自分としては、
興味はめちゃくちゃあった。
リバー?
良く分かんないけど、
悪徳商法とかの類だろうけど、
危ないと思ったらすぐにやめればいいし。
カルトとかネズミとか、
色々とあぶなっかしいけど、
そこらへんの分別はわきまえてある。はずだ。
よし、
物見遊山とやらで行ってみよう。
金さえ持っていかなきゃいいんだ。
あとは「自分」を持つこと。
それくらい。
当日
最低限の身だしなみ。
底辺の生活の中で嗜んだ知識。
そして最少額のお財布の中身etc。
準備をして、
定刻前に着こうと会場へと急いだ。
880円はあくまでも予想だが、
交通費だろう。
往復のバスと電車代。
ただ、
人に言われたことをその通りにやるのに抵抗がある、
ましてや知らない連中の轍に沿って。
そんなかっこつけた理由に、人はケチをつけるだろう。
バイクで駅まで行く。
最寄駅では無く、その次の駅まで行く。
それだけで420円のプラスだ。
少しでも訳の分からないゲームとやらに、
アドバンテージを取らないと気持ちで押されてしまう。
そんなていの良い言い訳だ。
バイクの駐輪場は満車に近くて、
残り一台やっと止められるくらいだった。
無理やり幅を寄せて、大きいバイクの横に止めた。
E.P.S.I.…
何だかローマ字が書かれてる黒いバイクの横につけた。邪魔臭かった。
臆病者を絵に描いた様な僕は、時間厳守を守る。
プラス30分前以上に行かなくては落ち着かない。
と言うわけで、急いで電車に乗り目的地へ急いだ。
駅からは程無い距離で、
大きいビルが立ち並んだ処の一角にある、
中規模なビルの屋上の12階。
室内で何やるんだろう?
そしてエレベーターを降りて、
すぐ目の前の中央に大きいドアが見えた。
半透明で中が良く見えない。
尋常じゃなく緊張してきたのは明白だった。
バイトの面接くらい緊張した。
5分くらいドアの前に突っ伏してる時に、
エレベーターが動いているのが分かり、
誰か来る気がした、
鉢合わせは嫌だと思い、否応なしにドアを開けた。
そこには。
大きい部屋。
大きいテーブル。
椅子。
パソコン。
モニター。
時計。
誰も、いない。
誰もいないことで少し安心した。
誰かいるよりは、いないほうがいい。
すぐに誰か来るだろうと思った。
椅子が沢山用意されているから。
良く見ると椅子にはでかでかと数字が割り当てられている。
6
と書いてある椅子に座った。
他に6と書かれている数字はない。
手紙に書いてあったから、多分あってるだろう。
天井は高く、空気は淀んでいて、息が詰まる。
すぐにでも誰か来る前に、
一つでも多く情報を、と思い周囲を見渡す。
ものすごく大きい円卓。
トイ面までの距離は5メートル位。12と書かれた椅子が見える。
無機質な見た目の椅子。数えたら全部で12コある。
自分の周囲には、隣り合う箇所にパーテーションが引かれてて、
椅子に座った際には目の前と斜めの位置しか把握できない作りになっている。
そしてパソコン。ぱっと見た限りでは全て分からないが、
メールの受信箱と送信箱新規作成画面、が確認できた。
それ以外は何も映っていない。
下手に触っても良い事は無いから、触れないでおく。
手元には、A4用紙のメモが厚みのある状態で何枚も置いてある。
こんなに必要あるか?と思うくらいだった。
後は、いわゆる筆記用具と言うやつだ。特に気になりはしなかった。
唯一気になったのは、卓上カレンダーだった。
何故こんなものを。しかも見れば見るほどちゃんとした作りだ。
日本語、英語、くらいまでなら当然だが、見たこともない文字も書かれている。これぞ万国共通、と言わんばかりだ。
こんばんわ
入って一番奥の席だったから、ドアが目の前だった。
振り返る必要も手間も無い。
すごくきょとんした表情で、目が合ってしまった。
当然と言えば当然。
こんばんわ
と返した。
お互いが探りをいれる状況で、
先手で来たのは相手だった。
リヴァーゲームと書かれた手紙が来て、手紙を見て来ました
一緒でしょうか?
ほんとにジャブのような当たり障りの無い質問。
まぁ相手が何も言わなければ自分も全く同じ質問をしただろうけど。
はい リバーゲームって何ですか
まだ他に誰も居ない状況ならば、
恥をかく前に、と聞いてみた。
さあ なんなのでしょうか
知らないらしい。
その人は2と書いてある席に座り、
その後開催時刻になるまで、
順々と人が来て、各々の席に座っていった。
質問や疑問を投げかける人もいた、
この空間を探り探り。みんな。
9の席だけ空いた状態だった。
なんだかんだ良く集まったな。
あと1人、もしくはそれ以上の人数が、
これからくるのか、来ないのか、分からない。
と言うか何もかもが分からないから気にもならなかった。
円卓の中央に置かれたモニターに映像が映った。
大きいモニターで、どの席からも見えるように工夫された作りだ。
変な道化みたいな格好をした人形の様なものが映し出されている。
うわっ
こわい
周りから声が漏れる。
自分は声を出すことすら忘れていた。
モニターの中で喋り出した。
皆さま
この度はゲームにご参加いただき、
まことにありがとうございます
ゲームを始める前の諸注意
ルール
賞金の配当等について詳しくご説明します
皆さまが今回参加したゲーム
嘘をついてもいい
本当のことを話してもいい
最終的な勝者だけが
賞金を獲得出来るゲーム
それではルールを説明致します
今回皆さまに戦っていただくゲーム
「マンスリーゲーム」
について説明致します
皆さまにはその名の通り
月々の代表として争っていただきます
1と書いてある席に座った方は
1月の代表として
12の席は12月の代表として
月とは名ばかりの数字
これから10時間
自分の数字がいかに素晴らしいかを競っていただき
一時間毎にある投票の時間に
自分の数字以外の数字に無記名投票します
そして10回目を終えた時に
自分の月が10個以上の票を集めていれば
その時点であなた方の勝ちです
目の前のパソコンにご注目下さい
パソコンが苦手な方もご安心ください
使うのは最低限の項目だけ
タッチパネルになっています
受信箱を開いてください
そこには12コのフォルダがあります
送信箱には自分が送信したメールが残ります
閲覧の際にはパスワードが必要です
ご自身の良く使う口座の暗証番号の4ケタを入力してください
情報漏洩を防ぎゲームを円滑にするためのもの
使うのはそれだけです
送信する際には
全員に送信するメール
特定の月の人にだけ送るメール
の2パターンが存在します
全員に送るメールは意味の無いメールと言うことが
すぐに分かるかと思います
しかしこのゲーム
何が勝因に繋がるかは分かりません
賞金について
1票につき1000万とお考え下さい
自分の手持ちがスタートの時点で1億
その1億、1000万ごとの10票を、
10時間かけて他の月に1票づつ入れていき
そして最後にプラスになっていればその分を
マイナスになっていればその分を
ご精算させていただくシステムです
※(ネタバレと予想は、喜ばしい事です、ただ後々見るかもしれない人のことを考え範ちゅうを超える場合然るべき措置も取ります、ご了承ください。ルールを守って楽しく遊ぼう!…と言うわけで)
それではただいまよりゲームスタートです
!
パソコン上に大きく時刻が表示された
一つはストップウォッチの様に時刻が刻まれていく普通の型。
もうひとつは1:00から刻々と一秒ずつ減っていく逆の型。
いやまてまてまてまて!
ほんっと無理ゲーム。
物事の輪郭すら掴めない。
産まれたてのバンビ状態。
足がプルプルしててまともに立てやしない。
周りを見ても、
隣は見えないが他の人達はみな!と?と恐怖に浮かんだ表情を浮かべている。
ごめんなさい
遅れました
待ち合わせやバイトに遅刻したかのような気の抜けた声が向こうから。
このタイミングに、ドアから1人また現れた。
周りをみて、唯一空いている9の席に座った。
その状況を確認した人もいれば、今聞いたセツメイとやらだけに、
意識が持っていかれてる人。様々だ。
え
なに
こんなところで何やるの
リバーケーブだかゲームっていう手紙見てきたんだけど
ゲームするんじゃないの
社長出社が大きな声で気だるく怒っている。
ケーブじゃないでしょ。
失笑してしまった。
すごい腹が立って、
知るか
と怒鳴り返す人もいた。
そんな中で、
さっきのセツメイを繰り返す人が1人いた。
2番目に入ってきた人だった
どうやらセツメイを目の前にあるメモ帳にメモしていたようだ。
一瞬で書ききれるわけないから後は頭で考えて言葉にしたのだろう。
9の席に座った人に丁寧に教えていた。
5分くらい経った後、
どっかの席の人が皆をいさめるように大きな声でこう言った。
とにかく落ち着きましょう
こんなバカバカしい茶番に付き合う必要ありません
さっさと帰りましょう
もっともな意見。
さっき遅れて来たヤツがドアから入ってきたから、
ドアは開くわけだし、
帰ればいいんだ。
そう思って席を外そうとした瞬間、
また別の人が声を荒げる。
お前らは分からないのか
このゲームとやらの恐ろしさを
このゲームからは逃れられはしない
ほとんどの輩が多額の借金を背負わされるんだ
ごく一握りの輩だけしか利益が出ない
とても厄介なゲームだ
11の席に座った威厳のありそうな人が言った。
さらに11は続けた。
口座の暗証番号が知られているのは勿論
そして…
手紙と小額の金が封筒に入っていただろう
タチが悪いのは小額の金の方だ
自分の持ちうる情報がゲームサイドに掌握されていると思ったほうがいい
戸籍 肉親 知りあい
どんな手を使ってでも金の回収に来る
ここで逃げたって何の解決にもならない
誕生月もバレてるってことか
12の席の人が微笑を浮かべていった。
ジョーク?別に面白くはないけど。
なるほど
概要は掴めた
俺はこのゲーム
乗るぜ
12の態度に、劣等感が生まれた。
この状況下で一番の武器、
情報を12は手にしたようだったからだ。
11と12が話し出した。お互いに隣り合ってるから顔は見えてない。
簡単な話だ
と言った瞬間に、自分のパソコンの画面が切り替わった。
受信中、と書かれている。
パスワードを入れた
簡単な話だ
と言う文面のメールが来た。
送信元は12だ。
さっきの説明のように
全員に送るメールの意味の無さは分かったか
分からない。
このゲームにはバカが数人紛れ込んでいるようだな
12が面倒くさそうに話しだす。
こうして口に出して全員に向けて話せるってことは
わざわざ全員にメールなんてする必要無いだろ
やっと少し理解出来た。
概要とやらに一歩近づいた。
後は単純だな
説明の通り
自分の数字をいかに良く見せて
1時間ごとにある投票タイムで他人から票をもらう
そして10回やった後に
10個以上の票のあるやつが勝ちだ
単純に言えばな
単純?これ以上分かり易い内容はないだろ。
と思った時に、
まぁ
こうやって
10回とか
10個とか
そう言っているだけで
勝手に10のアピールになるかもな
もうゲームは始まっている
これからは一つ一つの発言に注意したほうがいいな
単純ではなかった。何も言えやしない。
自分の頭の悪さを呪った。
じゃあ
アピールタイムとでも題して
自己紹介でもしましょうか
12が余裕を込めた感じで鼻に付く言い方で、
自己紹介を持ちかけた。
怪訝そうな周りの表情。
自己紹介?いやいや俺バイトの面接ですら自己紹介上手く出来ないのに。
無理だろ?
仕切りたがりの11が、輪をかける。
じゃあ1月から
1の席の人は明らかに困っている。気弱そうな人だ。
口元はちょっと半笑い。
正直ちょっとホッとした。
1は話し出した。
え?話すの?ホッとして損した。
1月の席に座りました。ヒラガムツミと言います。本名です。一応1月生まれです。今OLしてます。
1は言葉すくなにそう言って、席に着いた。
次
11が急かす。
早く
そうまくし立てられ、2の席の人は、哀しみの表情を浮かべ、決心を払い立ちあがった。
「2月生まれのものです!私はこのゲームの意味が分かりません!12月の席の方がおっしゃっていた事は理解出来ましたが、やっぱり分かりません」
12がイライラしている。はあ?と言いたげだ。
2「誰も争う必要なんて無いんです!ゲームから皆が無事に抜け出せる方法も考えました」
2「1人1人がバランスを考えて10票を別の人に投票して、皆が10票ずつ集めることが出来れば、みんながプラスマイナス0で終われるんです」
確かに!
確かにそうだ!
この人の言う通りだ!
名案じゃないか!そうすれば、浮いた交通費でファミレスで1食くらい食べれるよ!
すごい!
と言いかけた途端だった。
そうなればいいんだけどねー
そう上手くことが進むだろうか
え?進むでしょ?平和に解決じゃん!この人天才的発送の持ち主だよほんと!
と感心しきりだった。
まあ
ゲームが進むにつれて分かるだろうよ
タイムオーバーだ
この調子で話されたら時間がいくらあっても足りやしない
次
12と11が同時に喋った。
2の人はまだまだ話すことがありそうだったが、
素直に従い口をすぼめた。
周りも従ったから、
あんかけ焼きそばを食べる想像を中断した。
「3月のミヨシと言います。名字に3があるので、名前は言う必要ないかな。僕は普通のサラリーマンで、時間に都合がついたので、このゲームに参加しました」
「4のキサラギです。俺はお金が欲しかったんで参加しました。今はバンド活動してて、アルバイトで生計たててます。そろそろ音楽活動は諦めようかと」
「ゴッド・ワンダーです!僕は10月生まれだけど、ファイブでエントリーでした!5月です」
色々話したいことはあるが、
自分の順番が近付くにつれて、そんなことよりも自己紹介を考えなくてはいけなくて、
頭が真っ白になっている。
…次
6
お前だよ
!
やばい!来てしまった!
「ええーと…あの…俺は、手紙に6って書いてあったのでこの席に座ったんです」
「良かったんでしょうか?」
「本当は別の人がこの席じゃないんですかね?」
「ほんとすいません、
6月生まれじゃないんですけどどうしたらいいですか?」
半べそ。自己紹介なのにほとんどが他人に聞いてしまっていると言う酷さ。
早く時間よ過ぎろ。タイムイズマネー!
まぁ
いいんじゃないの
他に6に座る人が来なかったわけだし
その前の外国人?も5月生まれじゃないらしいしね
本当はどうだかしらないけどね
12が許してくれた。
12、いいやつかも!
自己紹介で嘘をつく時点で
ゲームは不利に進むがな
だろ
12の席の輩
11が話し出した。
え?12は笑っている。12いいやつじゃないの?
やなヤツなの?
どっち?
泣きたくなった。
次
「7の数字を担当させていただきます。ヒライシツトムと申します。いわゆる公務員をしています。このゲームに興味が湧き、参加させていただきました。
勿論私は7月生まれです」
うわぁ。最後の一言余計だよ。。
そこ強調するなよー。余計嘘ついてる感じが際立つだろー。
そもそも6月って俺全然関係ないよ!?
「8月生まれのムサカジロウです。定年迎えて趣味道楽で盆栽を少々やってます。後は孫に囲碁教えたり。手紙は何かの会報かと思い来たんだけど、違うのかい?」
知るかあ!みんな何でこんなに自己紹介が、しっかりしてるの?それとも自分が出来なさすぎただけ?
どんどん不利な悪い方向に進んでくよ。
「9月生まれ」
「今はフラフラしてます。フリーターとも言います」
「就活も勿論してるよ」
「さっきまでスロットやってて出てたから、気分悪い」
「面白いかなあと思ってたんだけど」
名前は?
9「別にいいでしょ、必要は無いし」
9「言わない方があんた達も得するんだし」
まあいいだろう
?
「10月生まれの、オトベセツコだよ。普通の主婦ってやつだね。さっきの2月の子の意見には賛成だわ。私は今もこんな下らないモノ信じてやしないけど、隣の11月の固物が言うと危なそうじゃないか」
「とんだ災難に巻き込まれてんだろうけど、まだ取り返しはつくんでしょ?だったら2月の子の案は大賛成だよ」
2は笑顔になり、ありがとうございます!と言っている。
制止するかのように、すぐに11が話し出した。
「やめろ、2。貴様の時間では無い、私の時間だ」
無秩序の空間で、秩序を求める、
ナンセンスなヤツ。
でもそれがまかり通る。
そんな考えを抱いた俺がナンセンスなんだ。
この空間ではそうナンデス。
「11の数字を引き受けた、ノンダサイジだ。学問を学んでいる。」
ノンダサイジだって?
あの有名な本の?
え?誰?全く知らない。
やっぱり自分は学が無いから…トンダサイナンだよ。
「そうだ。本は以前何冊か手がけたな」
これはつまりアレだ、住む世界が違う住人だ。
場違いってやつだ。
「このゲームにおいて、重要視されるのは三つだ。情報と自己表現と信用。それが出来ないヤツから排他されていくだろう」
「自分が思っている以上に、一挙手一投足を人は見ているぞ」
「場違いにならないように」
どうやら場違いはどう考えても俺のようだ。
「私のことを知っているものもいるようだ。あまり多くは語るまい」
「最後は俺か。12月のイノウエタクマ。12月生まれは言うまでも無いけど、それ以外にも言うまでも無いことがある」
「このゲーム。絶対に勝てる自信がある」
「いいか。俺に票をよこせば教えてやる」
「恐らく自分の前に置いてあるボタンを押すんだろ、こんな具合で」
ピッ
「押せばこうやって音がなる」
「誰が入れたかは分からないが、入れたタイミングだけは分かるわけだ」
「無記名の投票。ならメールを使えばいいだろ」
「個人間のメールで俺にメールをして、今票を入れると伝える」
「そして音が鳴って俺には誰に入れたか分かるわけだ」
「勿論誰が入れたかは黙秘する。悪いようにはしない」
「入れたヤツにだけメールで教えてやるよ、このゲームに勝てる方法」
…
続け様に音が鳴った。誰かが票を入れたのか?
この話の流れだ。間違いなく12に入れたはず。
すごい、と言うか、
その前に絶望的!
12は感じが悪いに、たぶん頭も良い!
今の話だけで、12に優位に話が進んでしまった。
どうしよう…
疑心暗鬼になってしまった。
感じは悪いけど、12に入れよう…!
そうすれば勝つ方法を教えてもらえるから!
2「待ってください!こんなの間違っています」
2「12月の席の方が言っている事は一見正しいようで、理にかなっています」
2「でも、違います!」
2「今からでも遅くないです!今12の方に票を入れた方々は、その分を違う時に違う方に投票すればいい」
2「そして、票を平等にしないと、誰かが負債を背負ってしまう」
2「このゲーム、必勝法があります」
2「毎回右隣の方に票を入れていくだけです。そして今12の方にもし票を入れてしまった方々は、その分だけを別の方に入れる。」
12「もう無理だろ、バカげた話だなあ」
2「そんなことありません!私は皆さんを信じています!11の方がおっしゃったように、信用こそがこのゲームの必勝法です」
2「私は3の方に票を入れます」
ピッ
3の人は驚いた様子で画面を見た。
分かり易いリアクションだ。
2「私は皆さんに巨額の借金など背負ってほしくないんです!」
ピッ
連続して数回音が鳴った。
ただ正義感あるだけじゃない、2の人はたぶん頭もいいや。。
天はニ物を与えてるなあ。
確かにその通りだ。
俺はもう良く分かんないから、言われた通り、
7の人に入れるぞ!
+1「蛇足」
…
一回整理しよう。
まず、数字と名前だけじゃピンと来ないので、
何とか書きなぐったわずかなメモと聞いた話をまとめるんだ。
・1月 OLをしている女性で、ちょっと年齢が上くらい。トップバッターで要領が分からず最低限の自己紹介。
似ている芸能人は、そうだな、瀬川英子!口元が緩んでるから!
と言うわけで1か、セガワと略そう!
・2月 この人のお陰で助かった。このゲームから抜け出せる方法を教えてもらったから。
正義感があって頭も良くて、すごい。
芸能人で言えば、戸田恵梨香と多部未華子を足して2で割ったような感じだなぁ。年齢不詳だなぁ、20代後半にも見えなくはないが、学生と聞いても普通に納得するし。間をとってエリコと略そう!と言うか普通に数字でいいや。考えてるこっちが恥ずかしい。
・3月 メガネ
・4月 力士
何もメモ取れなかった。めっちゃ緊張してたから。おいおい必要になってきたらメモとろう。取り急ぎ見た目の印象。
・5月 隣だから顔は分からない。外国人?たしか生まれた月が違うとか何とか。そこは俺と共通してるんだよなあ。陽気な感じだった。
・6月 自分
・7月 会社員だか公務員の人だったな。どっちだったっけ。喋り方が萩原ナガレ。顔は隣だから今は分からない。
・8月 還暦を迎えたであろうおじいさん。ここら辺から少し余裕が出たから話を聞けた。ゲームって言葉すら似ても似つかわしくないお遊戯世代、昭和初期の人だろう。金八先生に出てたお巡りさん。
・9月 遅れてきて、あまり喋らなかったヤツ。見た目は多分同年代くらい。フリーターって言ってたな。自分なら嘘でも会社員です!とか適当に言ってしまうのに、親近感が湧く。何しろ俺もフリーターだからな。。
ラフな格好だ。みんなヨソ行きの最低限の格好をしてる中、トレーナー着てるだけ。
そして言動はけっこう偉そうだった。フリーター(勝手なイメージ)で年端も行かない身分でよっぽどの自信家か、もしくは勘違い?きっと職場では新人に仕事を教えるトレーナーでもしているんだろう、駄洒落ってやつか。
名前を名乗らなかったな。昨日会っていた気さえするけど、昨日のことすら曖昧だから分からない。
昔みたドラマに出てた松田優作の息子のようなインパクト。
・10月 2月の人の意見に同意していた、どこにでもいる感じの年相応のおばさん。あき竹城。
・11月 教授をしてて本出してるすごい人。とにかく頭がいいようなので、要注意。かなりの発言力を持っているので食ってかかると痛い目見る。おとなしく従おう。松本幸四郎。
・12月 11は知識人なのに対し、12は天才肌っぽいな。見た目は優良とは言えないけど、むかつくし、でも頭は間違いなくいい。ずるがしこいって感じかな?同じクラスにいたら友達にはなりたくないタイプ。
でも、12の発言で状況は一変したし、この空間がもしクラスだとしたら、
クラスメートのちょっと悪そうな人にはやはりちょっかいを出さないのは鉄則。
見た目がなんとも言えない。服装には触れないでおこう。歴史上の人物?キャプテンクック?みたいな名前の人いなかったっけ?そんな容姿だ。
よし、何とか情報は整った。後は考えて考えて、
…もらった一番の解決策、2の人の案に乗るのだ!後はナガレで、押し倒して!
力士の4と萩原声の7を足した妄想に1人で笑った。
何もメモできてない上に見た目の印象9割。
何のための情報だったんだろう…
残り時間は僅か。
パソコン画面は色が変わり、急いで投票をして下さい、
と表示されている。
もう俺は7に投票が済んだから、みんな同じ画面なんだろう。
時間以内に投票を行わなかった人はどうなるのだろう?
ペナルティ?
裏技でゲームクリアー
そんな上手い話あるわけない。
みんなリスクを怖れるあまり時間は当然守ってる。
開票の時間です
1 一票 2 ゼロ 3 一票 4 一票 5 一票 6 ゼロ 7 一票 8 一票 9 ゼロ 10 一票 11 一票 12 三票
以上です
では、ここで休憩時間となります
各自自由に席から移動して構いません
トイレ、喫煙スペースは所定の位置にございます
10分後、席にお戻りください
え?ゼロ?
うわーー
ゼロだー!!??
これはつまりどういうこと?
席を立つもの、タバコを吸うもの、席に座ったままのもの、様々だ。
自分は席に座ったまま派だ。と言うか、立つ気力さえ無い。
だって、この事態。。
…
ゼロ?
この時点で負債1000万ってことでしょ?
1・0・0・0
ヤバスギル
取り返さなくちゃ、絶対に。
でも、
無理に決まってる。
そんな力あるわけないよ。
12「スタートでこけたヤツは、必死だろうなぁ、その分まわりは見るに耐えなくて、票が遠のいていくかもしれないからな」
12は自分の席で皆に聞こえるよう大きく声高らかに言っている。パソコンをカタカタ叩いてるようだ。
こっちの気持ちが見透かされた気分でやり切れない。
2「6さん」
え?何ですか?
2さんがいつのまにか歩み寄って小声で話しかけてくれたいた。
2「6さん、大丈夫です!私の力で必ず6さんを救ってみせますから」
嬉しくて哀しくて泣けてきた。
2さんは優しい人。だ。
礼を言おうとすると、
すぐに違うところへ行っていた。
目で追いかけると、9にも同じことを言ってるようだった。
9は喫煙所から出てきた矢先で、面を食らっている。
票がゼロだった人に対する配慮だろうか。
自分だってゼロだったのに。
本当に優しい人だ。
12とは対照的だ。
すぐに時間になり、皆が席に戻った。色々な表情を浮かべている人だらけ。プチ補足情報とすれば、5は座りっぱなしだから顔分からず。7は顔も萩原ナガレだった。
それではゲーム再開致します
再び時間が刻まれていく。
10時間が長いのか、短いのか、感覚すら鈍る中、
開口1番は12だった。
12「時間は有効に使おうか、まだ始まったばかり。アピールタイムを続けよう」
11「テーマを設けないことには無理だろう」
12「何でもいいな。12と言う数字の意味、とか」
12と聞いてぱっと思い浮かんだモノは、干支くらいだ。干支は月を表すもの?あとは星座とか。何座があったっけ?
11「気にはなっていた。あえて端数にした理由。10と言う区切りにすれば収まりがいいのは確かだからな」
12「それを言ってしまうと、11と12のあんたと俺がいる意味がなくなるだろうが。他の人の話を聞こうか」
おっしゃる通りだよ。11と12の司会進行はさることながらこの2人ばかりで他の人がまるで喋っていない。話を振るのも上手い人こそ名司会者と呼ばれるんだぜ!?
頭にさんま御殿とさんまのまんまが浮かんだ。後は笑っていいともからのごきげんよう。
さっきのようなナガレになり、1から順のディスカッション大会が始まる。
1「12と言う数字には興味ないです。それよりも、何故私が1番なのか?1月の建て前だけで1番にされるのは嫌」
もっともだ。自分が1番ならまずそれ言う。さっそく良い意見が出た。ナイスディスカッション!
1「なので次からは違う順番にしてもらいたいです」
2「この数字にも何かしら意味があるのだと思います。月に例えるのもきっと」
2「私はあると信じています。みんながこのゲームから抜け出せる方法を」
優等生そのものだ。元学級委員は確実だ。お手本通りの答え。文系なのか理数系なのか、どうでもいいことさえ気になってくる始末だ。
3「…」
4「…」
前の人達の話を聞いてる場合じゃない。自分の番が迫ってくる。今度こそ挽回のチャンス!好印象で少しでも票に繋げないと、借金が。。
5「ナンバー5でした!」
…。
6「俺、いや僕は、干支に関係しているのじゃないかなぁ、なんて…ね…へへ…」
先頭も安定してなけりゃ語尾も安定してない。
ますます場違いなアホは消えてなくなりたいと思った。
11「干支か…例えば?」
11が突っ込んだ質問をしてきた。場違い発言の11…!タイムリー!
こっちにとってはとんだタイムリーエラーだ、どちきしょう。
こうなりゃ破れかぶれ。
6「ね、うし、とら、う、たつ、み、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、い、誰でも言えますよね?そのポピュラーさが良いのでは?」
11「は?」
6「そうですね、ポピュラーと言うのは、メジャーかマイナーかで言うと…」
11「それは分かる」
6「ですからして、つまり僕は6番目のヘビと言うわけです。この発言、鬼と出るか蛇と出るか、なーんつって!」
11「…付き合いきれん。それよりもたしかお前、誕生日が違うと言ってたな、それについて話したらどうだ」
長い者にはヘビのようにとぐろ巻いて巻かれろ精神だ!
6「そうなんです。僕は実は4月生まれでなんです」
一同は唖然とした表情だ。
この期に及んで口を慎めと言わんばかり。
もう失うもんなんてない。深く考えず真実を話そう。
真実こそが正しい。
…はずだから。。。
6「手紙が来た時点で、謎だらけでしたよ。自分にとって6とは何なのか。いやー誕生月の4月についてなら十二分にお話しが出来たのですけどね!こればっかりは申し訳ない!4月ならなー!十二分って言葉は12が含まれていますね!大発見ですね!」
5「ボクは10月生まれだけど、10月について何も話すことはできないよ?良かったら聞かせてクレタマエ」
迂闊なことを言ってしまった。さっきから色んな人にどうでもいいところをゆさぶられすぎ。
6「待った!じゃあ話しましょうか。僕の誕生日は、世界保健デーなのです!そして、SPEEDの島袋ひろ子と、同じメンバーのバックダンサーのひとえ?ひとみ?どっちかと同じ誕生日なのです!そして何を隠そう、あの偉人、フランシスコ・ザビエルとも一緒!こんな数奇な巡り合わせがありますか!?」
みんな疲れた顔をしている。ここでびしっと言っておかないと印象が悪い。
6「6月は梅雨でうっきうきとはいかないですよね?それに比べて4月はどうでしょう?始まりの季節ですよ?行事も盛り沢山ですよ?ちなみに好きな数字は3ですけどね」
4月がこちらに礼をしている。後残りはジューンブライドを言い忘れていた事くらいだ。
11「自分の6を否定し始めるとは余裕たっぷりと言った感じだな」
!?
11「祝日も無ければ、大したイベントもあるわけでないからな。発言は自由だが、注意力を少し持ったほうがいいな、3が好きな6担当のオーメン君」
アーメン、ソーメン、ミソラーメン、今夜はミラクルラーメン!
オーメン…?
ダメだ、この人の言うことは右から左にしよう。
11「4と言う数字もまた不吉の典型だがな」
みんな笑っている。嘲笑や情け笑い、これはバカにされている典型だ。
やっちまったな。
やっちまったことは振り返るな。後ろ向くな。前を向け。
そして時間を大幅にロスして左から右に順番で回る。
7「7月は海の日があります。6の方が物凄く怪しいので、僕は自己防衛で少なくとも6の方だけには投票しません。変なとばっちりは受けたくないですから」
うーわ。クラス内のイジメ勃発じゃんか。
確か自己紹介でも若干7は俺のこと蹴落としてきたけど。
しかも海の日出たー。
海の日をメインウエポンに使うのだな?
そんなもの付け焼刃と今に分かるぜ?
イジメでもあり、惨めでもあり、慰めが欲しかった。
どうしようもないほどに。
8「8は末広がりで良いことづくめだぞ?当たるも八卦当たらぬも八卦とは言うしのお、6が喋りすぎて時間がないからこれくらいにしとくよ」
はは…なんか言ってら。
9「俺は干支で言うとサル、なんだけどさ」
9「個人的にはハ虫類で言えばカエルの方が好き、あとは数字は五が好き」
11「蛙は両生類だぞ」
9「揚げ足とるなよ」
9「そんな事より、何か気になっていること、本当に無いの?」
9がみんなに問いかけている。俺が気になった点と言えば、
学校で先生からカエルは両生類と教わったなぁってことを覚えてる。その分では、9に勝っている!
9は何だかライバル意識が出てしまう。ちょっととっつきづらい部分あるけど。なんだか良い感じの友達になれるかもしれない。
9「このゲームは分からない点がいくつかある」
9「このゲームでは、金の受け渡しについての話が一切出ていない」
9「1番最初に疑問に思った」
9「パチスロだって、店の外で換金所があるわけだ。そしてその説明は当たり前にある」
11「あれは警察との兼ね合いで店の外になっているんだろう?法に抵触するからな」
12「暗黙のルールってやつだろ。それも次期に分かるんじゃないの。ゲームが終わった瞬間とかに」
9「ああ、でも」
9「これだけは断言する」
9「俺は、このゲームの影の黒幕がこの室内で金に目をくらましてどのツラ下げて居ると言うこと。そしてもう1人」
9「Xの存在を、な」
9「まだ分からない点が少し残っているけど、時間もあるし、また後にする」
頭の中が奇天烈なことになっちゃっている。
黒幕?X=悪いやつ?
見くびっていた。
9は遅刻したりものぐさではあるが、色々と考えていた。
と言うか、カエルの解釈のクダリでは俺が圧倒的に勝っていたが、
後は何億光年の差があるくらい、
考えが先に行っている。
だから推理した。
Xはどう考えても12だろ?
だって悪いやつだもん。
黒幕は、11、と行きたいとこだけど、
意外に10とかね。見た目通り家政婦は見た!のような大どんでん返し希望。
でも確か、Xて数字で表すと10だよなぁ。
あながち間違ってないかも。。名推理!
ぼくって天才!
見た目を大人!中身は子ども?!
10「ワタシは良く分かんないけど、黒幕なんかいるとは思えないし、ましてやXなんてのも、もってのほか。」
10「早く帰って家事をやりたい、それだけだよ」
暗に家政婦を匂わすセリフ回しで、
笑ってしまった。
実際はどうなんだか。
と言うか9の後や11に挟まれてなんか不憫だな。
11「さっきの9の意見だが、私なりの意見を述べよう」
11「概ね納得だ。若いなりにきちんとした考えを持っているな」
11「だが、ドラマやゲームの見過ぎだな。現実とかけ離れ過ぎている」
11「特にエッキスについては、迷走としか思えないな」
11「エッキスがじゃあ誰なのかインターバルにでも聞かせてもらおう」
9「構わないよ」
…
2の人が文系か理数系なのかはすごい興味があるけど、
11は数学も好きなのか?ってのはすこぶる興味がない。
エッキスっていう発音をする人は大抵数学好き。
しかも、本出してるってことは、文系でもあるんだろ。
さっき休憩中にこれ見よがしに四季報読んでたし、
まぁ頭がとてもいいんでしょうな。
12「もう時間が残り少ないから、俺は下らない話はしない。投票だけ済ませるぜ」
ピッ
誰かに投票した。
自分かもしれないけど、確率はゼロだろう。
12「このゲームに勝つ方法を教えるってのは10時間の間は無期限のルール。もう一度言う。俺に票を入れれば勝てる」
12は自分の優位な状況に釘を刺した。言葉巧みだ。
音もまた鳴った。
そしてみんなは投票を終えた。
俺は2さんの意見を汲んで、
右隣の法則で7にまた入れようかと一瞬考えたが、やつはふてぶてしいからやめた。
まず浮かんだ2さんか、
今回の時間で考えをふんだんに披露した9かで迷ったが、
少し考えて、
2さんに入れた。
2「福音」
あとがき。
あとがきと言う目の前にぶら下げたご馳走を、ひたすら目指したグルメレースでした。
最初から最後まで、1文字で遊ぶつもりが、1文字にもてあそばれっっぱなしでした。でもなんとか、最後は裏切られなかったから、助かった。後片付けは大変でしたが。
難しかったのは、色々と考えられたら、とてもいいけど、色々詰め込みすぎると、とてもダメ。そのサジ加減ってやつなのだろうか。あと、かなり迷った箇所が1つ。自分に嘘はつきたくない、つもりです。。
身近の三人がモチーフです。1人目は、いいや。2人目、僕から見たそいつのありのまんま。3人目、僕からみたその人の、ありのまま。
2人目は万が一見たら、面白いと言ってくれるのかな?自分がモチーフならそう思うものなのかな?良く分からない。
3人目の人は、見たあとに会えば面白いと100パーセント言ってくれるけど、モチーフは誰か気付くかな?気付いても知らない振りをしてくれるから、どちらにしても分からない。
そんな感じで、頭にポッと出た考えを、文章にして、楽しかったです。
遠い昔、僕の放った発言に対して、ある人がしてくれた一言のコメントが、頭に強く記憶として残っています。今は何を思って言ったか分かりません。でも、すごく良い言葉だなと思いまして、文章の中にも一回表しました。当人は忘れているんでしょう。
そんな二人目から面白さを拝借し、そして僕は少し意見を出し、棺おけに入る前に、いつかマンション漫談をやるのが夢です。
読んでくれた心がとても広い方がいたかははなはだ謎のままにしておきたいですが、12回にわけて?、長い間お付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。そしてごめんなさい、まだもうしばし僕の至らない言動に着き合わせてしまうことがきっとあると思います。そんな時は、小馬鹿にしたり怒ったりしてやって下さいね。




