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3「福音」、4「背信」

※緊急

連載で投稿なのにその順番を間違えるという致命的ミスをしてしまいました。

申し訳ありません、1章目と2章目を逆に読んでいただければこれ幸いです(調べても直し方があるのかわかりませんでした…)

初めての投稿で使い勝手がわからず、読む方がいらっしゃれば不備があれば申し訳ありません。

初めのタイトルを間違えてしましました。(恐らく直せない!?)

数字を間違えただけですが個人的には悔しい…!

10章完結のところ(正確には+2章)中途半端な11章という扱いになりそうです。

この2章、合計4章までは前置きのようなニュアンスが強いです。

それ以降次の章からの中盤では核心に触れて、後はかなりテイストの違う文面に変わっていきます。

(順番を間違えました、正しいはじまり(1,2)はこの後のものなのでそちらから読んでもらえたら筋が通ります、お願い致します)



1 一票 2 一票 3 一票 4 一票 5 一票 6 一票 7 一票 8 一票 9 四票 10 一票 11 三票 12 七票



ざわつきの後すぐに会場は落ち着いた。

色々と思う事はあれど、休憩をして頭を切り替えるのに必死なのだろう。

自分はそうだから。


12は、勝つ、と言っていた。

2さんは、救う、と言ってくれていた。

どちらも、票を入れる、とは言っていない。


そうか、俺は無意識に2さんの言葉に賭けたんだな。


そして、この一票が答えを物語っている。


すごく嬉しかった。


自己犠牲の精神から成り立つ平等な優しさは、誰からも好かれる人の特徴だ。


とても印象的だった。




11「待て」



9「え?やだよ。タバコ吸いたいもん。その後ね」



11が9を呼びとめている。



11「さっきの話を聞かせてもらおうか」



9「あー…しょうがないな。おっさん後でジュースおごって」



11「おごってとはどういう意味だ?」



9「ああ、おごるじゃあ言い方悪かったか。ご馳走してくださいな」


11「驕るとは本来過信しているものに対して使う言葉だが」


9「え?おごるってのは何か買ってくれるってことだよ」


11「最近の言葉は良い様に変わってしまっていて、サブカルチャー化しているな。求められるのなら致し方ないことかもしれないが」


11「まあいい。お前はこのゲームと、数字の意味についてどう思った?」


9「ゲームについては、後で言う。数字が割り当ててあるのはただの誕生日でしょ?9月12日は俺の誕生日だから。そこまで深い意味はないでしょ」



11「9・12、か。9月12日は宇宙の日と定められている。9.11の事件の次の日付に奇しくも生を受けたわけだな」



11「そんな日に生まれて因果関係を考えさせられはしないか?死んでいく理由。生きてる理由。学ぶ理由はそれだ。人は哲るから、意味がある」



9「あんまり興味ない。何となくまぁ程ほどに生きてるけど、宇宙から隕石かなんか落っこちてくればいいなぁとも思うし。え?哲る?なんか聞いたことのある言葉だな、まあいいや」







ともかく投票を見る限り、

さっきの9の話を聞いて、影響を受けて、

他の何人かも9に入れたようだ。

11にも入ってる。

身分も考えれば説得力は断然11なわけだけど、9の話には妙な説得力もあった。

今回は数字で見ればハナの差ってとこか。


ともかく俺はさっきの話の続きが聞きたい。

負債額は単純計算で、1000万。

少し希望を添えるには荷が重い…のか?




それではゲームを再開致します



そういえば、

一回受信しただけで、全然パソコンのメール使ってないな。

そもそも全体へのメールは無意味だし、

送るメールも今のところ別にない。

個人的には、名前伏せて7とかにやんわりとした迷惑メールでも送りたいくらい。



と、その時に、受信中の文字が。




1 一票 2 ぜロ 3 一票 4 一票 5 一票 6 ゼロ 7 一票 8 一票 9 ゼロ 10 一票 11 一票 12 三票




さっきの投票結果か。送信元は9。

あれほど無意味だって言ってたのに、送ってる。

その上、さっきの投票結果ならなおさら無意味…ん?


なーんか違うような。



良く見ても分からない。

あれ、そもそもこのメールは全員に宛てたメールだろうか。

周りを見渡そうとした同時くらい、


ドアの側周辺の席が騒がしい。



11「何だ、このメールは?全員に送るくらいな口で言え」


12「それにこれ、1番最初の投票結果じゃん、どうした今更そんなの見せて」



ああ、言われてみれば、そうだ、1番最初の投票結果だ。

でも、念のためメモは取っていたし、自分の数字の票の数くらい誰でも把握してるから、

やっぱり無意味…じゃないのかな?




9「送っておく。メモしてない人もいるかもしれないから必要になる」


9「後、ちょっと話すと長くなりそうだけど、今から俺の考えを言う」


9「出来れば聞いてほしいけど、最悪聞き流す程度でいいよ」



何だろう、気になる言い方するな。魅せるじゃねえか、9。

聞き流したりしないから言ってごらん。皆のハートに飛び込んでごらん。

あぁ、下らないこと脳内で言ってないでちゃんと聞こう。




9「この全員へのメール。一見無駄なようにも感じるけど、俺はそうは思わない」



12「無意味だろ、口で言えばいいんだから」



9「いや、11も言ってたでしょ?情報と何かが大事、みたいなの」



11「それがどうした?」



9「このメールとしての情報、すっごい大事じゃない?だって文字で残るんだから」



9「あと俺の場合は、数字ばかりで頭がこんがらがる可能性があるからってのもあるけど」



12「だったらメモだけでいいでしょ、メールされる人の気持ちになってみろ」


9「ああ、悪い」



9「ただ、今回のメールは他にももう一つ意味がある」


9「今回のゲームの勝因とやらを決定づける重要な意味がある」


9「とにかくメールは送った」


!?



周りがざわついた。


やたらハードル上げてるけど、大丈夫だろうか…?

そういう前フリで笑いを取る芸人は幾多と見て来たけど、

今回に限っては笑いの要素ないよ…

この空間でスベるのは結構メンタルヘルスに来るのでは?




9「みんな、中央のモニターを見てほしい」



そこにはさっきの投票結果が表示されている。


1 一票 2 一票 3 一票 4 一票 5 一票 6 一票 7 一票 8 一票 9 四票 10 一票 11 三票 12 七票



そして、さっき受信した一回目の投票結果。


なるほど、



そうか!

そういうことか!



メモだと自分で書いて文字が汚くて読みづらい。

デジタルだとそれがない。


読みやすい!



9「何かしら見えてくるでしょ」



鮮明にくっきりと数字が見える。これ以上無いくらい見える。

そうか、9はこれが言いたかったのか!



9「自分で書いたメモは間違えてややこしくなったりするケースもあるから、メールやモニターで確認した方が絶対良い」



9「ただ、それだけでは納得のいかない連中もいるだろうから、本題に入る」



11と12がどこか一点を凝視して睨みつけてる。

対象物が目の前に無いからだろうな。

そんな時にパソコンが受信中になった。


差出人はまた9。


全員に宛てた同じメールなら、こいつはお笑いで言うテンドンの要素も絡ませてきてる事になるな。



1 ゼロ 2 一票 3 ゼロ 4 ゼロ 5 ゼロ 6 一票 7 ゼロ 8 ゼロ 9 四票 10 ゼロ 11 二票  12 四票



ん?違う内容だ。ついさっきの投票結果と似てるけど、少し違う。



9「これとさっきの投票結果を見ると、分かることがある」



何だろう。数字はめちゃくちゃ弱いから頭が痛い。

聞き流したいくらい難しいテーマっぽいぞ。

しばらく考えるのすらやめて聞こう。



9「今送ったメールは、今さっきの投票結果から、一回目の投票結果を引いた、二回目の投票結果ってことになる」



9「この投票結果のシステムは、ちょっと難しい部分がある」



9「それは現在までに投票された、総合結果しか表示されないところ」



11「早く核心が聞きたいな。これくらいの引き算小学生だって出来るぞ」



9「そうなんだよ、これくらいのひき算は俺にも出来た、けど」



11「何だ?」



9「今はまだ言わない方がいい」



11「ここでバカ正直に聞いていた皆を愚弄してるのか?」



9「そういうわけじゃない」



9「負けの可能性が100%になる、危機的状況にいるから」



9「さっき話した黒幕と、Xの話を少しさせてくれ」



9「こいつらはグルになっている可能性がすごく高い」



11「また黒幕とエッキスか。一体何の根拠で言っている?しかもそれが共闘を組んでいるだなんて、行き過ぎた想像だ」



9「と言うか、今回の投票で分かった、完全に組んでる」



9「はっきり言って、マージャンで言うなら相手は2人合わせてかなりプラスで今はオーラス、片方はリーチ賭けてあがる寸前の状態」


9「けっこうピンチってやつ」


9「目星がついてる部分もあるけど、まだ分からないところがあるから、今は(けん)に回る」



9「ただ、みんなが大方想像している通りで間違いはないと思う」



9「勿論こいつらはそれも分かった上で、十分な勝算を持っているからそうしてるんだ」



9「だから俺もこの時間でもう一つアクションを起こしておく。この時間にしないで取り返しがつかなくなるのだけは嫌だから」



9「大丈夫、Xの尻尾くらいはつかんで見せるから」



9「そんな感じだ、長い意見に付き合ってもらって悪かった」





11「…話が見えてこない。具体的なことが何一つ分からなかった」




9「ああ、そうだった、このメールはみんなに送る必要があるか」






受信中



絶対に、「黒幕」、「X」と思うヤツには票を入れるな


絶対に、「俺」にも入れるな


後は、誰でもOK


以上



9じゃない声で1人大きな声で笑っている。



あえて言う必要も無いのか。



それでも、不気味だ。水面下で一体何が起こっているのか分からなかった。


9の話は11の言う通り、すごい難しいことを言ってるようで、そうでもないような気もする、説得力があるんだかないんだか。


ただ、一つすべきことが分かった。


俺は黒幕にもXにも、票を絶対に入れない。

9にも入れない。

それだけは絶対に守ろう。


と言うよりも、それしか選択肢が無いんだよな。

下手に入れて、取り返しがつかなくなったら、

これだけ話してた9に申し訳がたたない。



ピッ


9に入れたいとこだけど、

9は入れるなと言っている。


だとすれば救ってくれると言ってくれた2さんに絶対入れる。


こんな時に無記名は役に立つなあ。


2さんに必要以上にお礼をされずに済むのだから。




2「あの、9さん…」



9「ん?」



2「私は、どうすればいいのでしょうか?メールは見ましたけど」



9「最初に言ってた平等にする話?間違いではないだろうし、自分が良いと思うようにしたらいいんじゃない?」



9「ああ、そうだな、でも」



2「なんでしょうか?」



9「出来れば6に入れてもらいたい」



2「分かりました!今回も6さんに票を入れようと思っていたので良かったです」



…2さん、やっぱりめちゃくちゃ素晴らしい人。後光が指してるよ。


あれ?


でもいいのかな、俺だってさっきまでの発言とかでみんなからは黒幕やXの最有力候補に思われてるに違いない。矛盾してないのかな?

納得いかない人だらけじゃあ?


てか何で俺?




11「待て。2。お前だ」



2「はい?」



11「お前は疑うと言う概念が無いのか?平和ボケめ」



11「このゲームは嘘をついてこそ優位に進むゲームだぞ」



2「でも、さっきあなたは信頼が大事とおっしゃってました」



11「違う、信用だ。履きちがえるな。信用はされても、信頼はするな」




11の隣であからさまにニヤニヤしていて、楽しそうなのは12だ。


そういえばこの時間はほとんど喋ってなかったな。

喋り過ぎて疲れたのか、居眠りでもしてたのか。



12「別にいいじゃん、強要すんなよ、つまらなくなるしな、だろ、2?」



2「12さん、ありがとうございます!私は6さんに…」



11「ダメだ!許されるか!白か黒かも分からないやつに…」





9「6は間違いなく、シロ」


え?


9「6は数字で見てもシロ」


9「だから2に入れてもらうんだ」


9「普通にみても、シロ」


9「だってこのゲームであれだけ悪い部分見せる必要ないでしょ」


9「これは保障する」


うわっ!

やめてくれ。

みんな思い出し笑いしてるじゃないか。

恥ずかしい。。


ああ、そうなのか、客観的に見たら俺は悪く無い方に入るのか。

悪い部分ばっか見せたのに、不思議な話。


ぶっちゃけて今の心境としては、

シロだろうが黒幕だろうがXだろうが、

要はマイナスさえ無ければいいんだけど。。。

口が裂けてもこんなこと言えないな。





かくして皆は3回目の投票を終えた。





3「背信」

1 二票 2 二票 3 二票 4 二票 5 二票 6 二票 7 二票 8 ニ票 9 五票 10 ニ票 11 四票 12 八票



休憩開始です



ほっとしたけど、

?が頭中に並ぶ。解決出来そうなこともあるけど、

それ以上に?の方が多くて、混乱しそうだ。


とにかく、次の時間にこのモヤモヤは多少解消されるだろう。


だから今は、「見」に回る。


こう言っておけばなんとなく場が締まるよな。

完全に二番煎じだけどな。



票とにらめっこするよりも、周りを見ておこう。

休憩時間は10分、自分なりにこの時間に得られる情報を少しでも。



9を見ると、深く頷いていた。

アゴが外れる勢いの頷き方だった。

俺はあそこまで潔くうなずいた事はない。

て言うか、遅刻したことみんな忘れてない?

その遅刻ペナルティを無しにするのには、

9のこの後の活躍如何だ。


だから今は、見に回る。


帰りは天丼食べれたらいいなぁ。



9はその後すぐに席を立ち、ポケットからタバコを出していた。

9の席と喫煙スペースの中間にある、2さんの席に立ち寄って、

何か質問してる。



何だろ?ちゃんと聞き取れないや。

9はすぐにまた軽く頷いて、

そそくさとタバコを吸いに行ってしまった。

なんかの確認?


と、入れ替わり立ち替わりで12が2さんの席に来た。

12は声が大きいから、何を言ってるかはっきり分かる。

しかも今回は今日一番大きい声だった。皆に聞こえんとばかり。


12「よお」



2「あ、12さん」


聞き耳を立てたら2さんの声も何とか届いた。


2「先ほどはありがとうございました」


12「そんなことより」


12「お前にだけ重大な話をしてやるよ」



おいおい12…声大きいからみんなに聞こえてるんだってば…


これ以上は、やめてほしい。

ドリフのコントじゃないんだから…


2「何でしょう?」


12「さっきの9の話を聞いてどう思ったの?」


2「私はまだ信じ切れていません。このゲームに黒幕がいるだなんて」


2「でも、いいんです」


2「仮にいたとしても、その人もこのゲームをやめてもらえるのなら」


12「そうか、良く分かったよ…」



12「分かった…」


12「ただ分からないことが一つだけある」


2「どうかしましたか?」


12「2、お前さぁ、ほんとにほんとに」




どーーしようもない、




アホだよなあぁぁぁぁぁ!




12「と言うかここに集まったお前ら全員」



ちょぉぉぉぉぉぬくいんですけどねえええぇぇぇぇ!!!






最低なセリフを…ここまでデカイ声で。

12、酷すぎる人間。

最低限のモラルがあれば面と向かってそんなこと言えないよ。




12「笑いをこらえるのに必死で必死で死んじまうかと思ったよ」


12「そうだ、お前らの思っている通り、俺が9の言う黒幕だ」


机を蹴りながらそう言うと、ジャンプして飛び乗り、

叫び出した。


「皆さん!ご愁傷様でした」


「これから残り7時間は!更なる思い出にしてあげましょう」


「いい冥土の土産になるだろうね!」


「マヌケどもが」


「まだまだ搾取しまくってやるよ」


「お前らはただ俺達から屈辱的な拷問に耐えてりゃいい」




11「さっきから聞いていれば」


11「お前は9の例で言う、黒幕なのは明白で分かりきっていたこと」


11「そして今、俺達、と言った。もう一人の存在を教えてくれたわけだな」


12「ああ!!そんな情報いくらでもくれてやるよ、バーカ」


12「Xは確かに存在する!だがな、そんなXもまた手のひらで操られているんだよ!このゲームの支配者は、俺だ」


12「頭でっかちの11!お前はただ年を取ってるだけの勘違いまぬけ野郎だったな!」


12「まぁ、お前は指でもしゃぶってみてろ。圧倒的強者の力をな」



12「それよりも、お前だよ、2番」


12「その恩着せがましい態度…正義感気どった偽善者め」


12「お前を見てるとほんとに何もかもイライラする。気が狂いそうになるんだよ。俺のことをさも「どうしようもないクズ」と言わんばかりでな」


12「プライドを傷つけたお前だけは絶対に許さないよ」


12「そして、そうだな、余裕ぶっこいて、この状況下でのん気にタバコプカプカ吸ってるおめでたいヤツもな」


12「後で丁寧に説明してやるよ、これ以上ない絶望を」



12はテンションが上がり過ぎて、

この後も、ずうっと喋り倒していた。

休憩なんて出来たもんじゃない。

疲労困憊だ。


12の言う事が全て正しければ、

ほんとは休憩なんてしてる場合じゃないんだけどな。


もうダメだ。

時間に任せることしか出来なかった。




休憩終了です



ここからは12の独壇場だった。




12「まず、このゲームが何か教えようか」


12「ちょっとした金儲けだよ。○の数はちょっと多いけどな」


12「思っていた以上に、裏ルートとやらを使えばこの世の中どうにでもなるんだな。適当なやつらの情報流してもらうだけ」


12「その時払った金と、このフロアとパソコン用意して、少しの手間だけだった、後はそれ以上の金を奪えるかどうか」


12「パソコンに関しては携帯でも良かったんだろうな、無駄な出費だったが、これもこのゲーム、と言う名目のウソの見栄えをよくするため、ウソに真実味を与えるには十分な役割だった」


12「最終的には、アタマだけがモノ言う世界」


12「一つのひらめきとやらでこんなにも上手く事が運ぶとはな」


12「お膳立て整えて、最高に楽しい宴だった」



12「だが、金に関してはお灸据えて言うぜ、逃れられる術はない」



12「貯金した金を他人がおろすってのは相当難しい行為らしくてな、だからこのゲームでクッションを敷く必要があった」



12「唯一公平にしなくちゃいけなかったのは金を奪い合うと言うシステムくらいだ」


12「と言うのも、俺の口座に金を入れるにはそういう世で言う、司法取引とは真逆の行為が必要だった」



12「ほんとめんどくさい世の中ってやつさ」


12「まあ、そこらへんのややこしい話はまだいい。後はご自由にしばしのご歓談をしていればいいよ」





12は席に戻り足を机に乗っけて、最高に余裕なポーズをとっている。

そしてその分俺達他のメンバーは余裕が無く、

縮み込んでいると言う図式。


あの、11でさえも委縮している。



ただ1人12を除いたみんなが下を向いている状態。



12「いやー、それにしてもさっきのおめでた野郎の発言の数々」


12「まったくもって意味分かんなかったな」



みんなに同意を求めてる。誰も反応しない。

おめでた野郎?発言?


9の事かな。


うん、今さら意味を成さないよな。

これだけ状況が一変してるんだから。


9も下ばっか向いてるし、特に何か言う素振りはない。


12「シロとかクロとか、どうでもよくなったろ?」


12はこっちを見ているようだ。

そういえば、一応シロって言われて疑いは免れたんだっけ。

その理由は何でだろう?

今更関係ないことだが。


それよりも2さんからの一票ももらい、

負債は少しでも減ったわけだ。

2さんの無償の愛に、感謝しないとな。



12「おーい、9、何とか言ってみろ」


12「ぜーんぶ無意味だけどな」


ケラケラ笑っている。もはや絶対王政。






9もニヤニヤ笑い出した。


せせら笑い?


12「自分の立場が可笑しくてしょうがないんだろ?」




9「いや、違う」


9は横に首を振ってすぐに上を向いた。



9「話すことが沢山ありすぎて、整理しきれなかった」


9「だからパソコンとメモ使って、やっと何とか話せそうになって、つい」



12「はぁぁぁ?」


12「勝手に無駄話をするんじゃねえ!ここは俺の部屋だ、俺の空間…」


発想がジャイアンと化している。


隣にいた11が12の口を手で押さえて、黙らした。


黙った。






12は机に仰向けになってオヤスミさせられたようだ。



9「よし、丁度いい」



9「じゃあまず、さっきのシロとクロが分かった理由から」


9「何から話せばいいか分かんないけど、頑張って聞いてくれ。頑張って話すから」



9「二時間前の投票をボーっと眺めてて、何となく疑問に思う事があった」


9「今思えばそれが全て」



9「一時間前のメールを見てほしい」


9「その全体に送ったメールこそ、今日のゲームを勝ちに繋げられる、たった一つしかない絶対に動かないシロモノ」


みんなはパソコンに目をやった。

このタイミングでギャグを挟む余裕はなかった。

俺はただ9の話を聞くしかないからだ。



+3「独白」


あとがき。


あとがきと言う目の前にぶら下げたご馳走を、ひたすら目指したグルメレースでした。

最初から最後まで、1文字で遊ぶつもりが、1文字にもてあそばれっっぱなしでした。でもなんとか、最後は裏切られなかったから、助かった。後片付けは大変でしたが。

難しかったのは、色々と考えられたら、とてもいいけど、色々詰め込みすぎると、とてもダメ。そのサジ加減ってやつなのだろうか。あと、かなり迷った箇所が1つ。自分に嘘はつきたくない、つもりです。。


身近の三人がモチーフです。1人目は、いいや。2人目、僕から見たそいつのありのまんま。3人目、僕からみたその人の、ありのまま。

2人目は万が一見たら、面白いと言ってくれるのかな?自分がモチーフならそう思うものなのかな?良く分からない。

3人目の人は、見たあとに会えば面白いと100パーセント言ってくれるけど、モチーフは誰か気付くかな?気付いても知らない振りをしてくれるから、どちらにしても分からない。


そんな感じで、頭にポッと出た考えを、文章にして、楽しかったです。


遠い昔、僕の放った発言に対して、ある人がしてくれた一言のコメントが、頭に強く記憶として残っています。今は何を思って言ったか分かりません。でも、すごく良い言葉だなと思いまして、文章の中にも一回表しました。当人は忘れているんでしょう。


そんな二人目から面白さを拝借し、そして僕は少し意見を出し、棺おけに入る前に、いつかマンション漫談をやるのが夢です。


読んでくれた心がとても広い方がいたかははなはだ謎のままにしておきたいですが、12回にわけて?、長い間お付き合いいただきまして、本当にありがとうございました。そしてごめんなさい、まだもうしばし僕の至らない言動に着き合わせてしまうことがきっとあると思います。そんな時は、小馬鹿にしたり怒ったりしてやって下さいね。


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