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第一章『詩詠い』
詩詠い、それは言葉に力を与え、詩で規則を生み出し操る者達のことを意味している。
そして、ここにも二人の詩詠いがいた。
-とある森の中-
「なぁ、本当にここらなのか?」
少年は少女に聞いた。
「うん。確かにここらへんのはずだけど……」
少女は周りを見回しながら応えた。
「これ以上歩くのは、しんどいのだが…」
「同感。」
二人は周りを見ながら、そんなやりとりをしていると、複数の兵士達が現れた。
「お前等は、何者だ!」
一人のリーダー格の男が詰問してきた。
「我らは詩詠いだ…、ある国に聖王と言われるお方にお会いしたくて、ここまで来た…」
一人がそう応えると、男は考えてから、部下に一言二言言うと、部下は大急ぎでどこかへと走り去った。
数十分後
部下が戻り一言二言言うと、男はこちらを向き、
「我等が王、聖王クロノウェル・ラズバート殿下がお会いしたいそうだ。」
て言うと、二人の詩詠いを馬に乗せて、国へと向かった。