第四十二話:真紅の炎の真実と虚構の嘘
ジン・ヴァリオが安全な避難所として選んだ広間には、厳しい沈黙が支配していた。
その沈黙はただ音がしないというだけでなく、レンジとウリエルの歴史全体に重くのしかかる石のようだった。
アリオン・ペレウスがアーカムによって作られた虚構であったというジンの最後の言葉は、二人の記憶の壁にひびを入れた。
その嘘の重みに最初に打ちのめされたのはレンジだった。
嘲笑から始まった彼の途切れ途切れの笑いは、やがて押し殺された怒鳴り声へと変わった。
アクシリアの裏通りで彼を救った男—父であり、師であり、救世主であった男—が、実は存在しなかったという事実を、彼は拒絶した。
「すごいな!まさかこんな展開が来るとは...本気か?」
レンジはジンに向かって一歩踏み出し、その青い瞳は胸中の混乱を映すかのように、微かな稲妻の火花を瞬かせた。
「俺たちが信じると思っているのか?
これは一体何の嘘だ?
俺たちの人生は嘘の上に築かれていたとでも言うのか!
そこまで愚かじゃない!」
カーンは、依然として灰の石を精神的かつ肉体的な盾として握りしめながら、一言も発しなかった。
彼は冷徹な分析をもってこの光景を観察していた。
レンジとウリエルの人生が嘘だというなら、自分の人生はどうなる?
アリオンによってこの運命に強く突き動かされた自分は?
「レンジ、もう十分よ!」
ウリエルは疲れた声で言った。
ソファから立ち上がろうとしたが、ジンの鎮静の真紅の炎がまだ彼女の体に作用し、痛みを麻痺させていた。
「私は彼を信じない...でも、そんな風に振る舞わないで。
この男には何か私たちとは違うものがある。」
ジンは、いらつくほど穏やかで、表情を変えなかった。
彼は座ったままで、その静けさは、許可がなければ燃え上がらない、制御された炎のようだった。
「レンジ、怒り、そして疑う権利は全てお前にある。」
ジンは深い声で言った。
「お前は誰も信用しない。
そして今、私を信用する理由もないだろう。
お前は、目的のない力は呪いだと信じ、ニーブリムになるのではなく、人間であり続けるために戦っていると信じている。」
レンジはその場で凍りついた。
それは彼が「アリオン」にしか共有しなかった、彼自身の内なる信条であった。
「その言葉をお前に教えたのは私だ、レンジ。」
ジンはぞっとするほどの静けさで続けた。
「お前が9歳の時、襲撃者を殺した後、裏アクシリアの下層路地で、お前の最初の落雷を止めた鎮静の炎の持ち主は私だ。
純粋で荒ぶる、お前の稲妻の力を見抜いたのは私だ。」
ジンは、この争いがまず感情的なものであることを悟り、
それを戦術的な対決に変えるには、嘘の裏にある論理を明らかにしなければならないと考えた。
「よく聞け。」
ジンは言い、ついに立ち上がった。
その長身は華奢に見えたが、隠された火の力によって引き締められていた。
「お前たちは今、お前たち自身よりも大きな争いの中心にいる。
七体のニーブリムと、我々が七つの大罪と呼ぶその力の源を巡る争いだ。」
ジンは、顔が集中で硬直したカーンの方を見た。
「ニーブリムは四つの大派閥に分かれている。
しかし、伝説的な力には別の分類がある。
アーカムはただのヴァネラ(虚構派)のニーブリムではない。
彼は第七の大罪:虚構の罪を体現している。」
ウリエルは完全に動きを止めた。
「ニーブリムの支配者はそれぞれ罪を象徴する。
炎のイネールは憤怒、稲妻のゼーリックは傲慢。
しかしアーカムは虚構を象徴する。
それは信仰と記憶を攻撃するため、最も危険なものだ。」
「アリオン・ペレウスは生きた存在ではなかった。
彼はアーカムが注意深く設計した、複雑な虚構プログラムだ。
お前たちの弱点と夢を知り尽くした、完璧な指導者、代理の父、厳格なリーダーとして設計された。」
ジンは、外側のイネールの城にまだ満ちている混乱を指差した。
「アーカムは、お前たちの指導者に見捨てられた後、
憤怒と絶望に駆られて初めてお前たちがディストラに来ることを知っていた。
アリオンの使命は、決定的な瞬間に狂気に陥り、
お前たちをこの世界へ逃げ込ませることだった。」
「目的は何だ?」
カーンは機械的な声で尋ね、シナリオを分析した。
「目的はカーン、お前だ。
アーカムは、ヴァル・オリンの心臓を開き、ディストラ全体を掌握するために、
**二重の鍵(イネールの継承された火と忘れの灰)**を必要としていた。
レンジとウリエルは、お前をここに導き、人間の介入からお前を守るための、単なる誘導役だった。」
ジンは彼らに反論の機会を与えず、
最も困難な部分、彼の不在の正当化に移った。
「これは彼らの嘘だ。
さて、私の真実を話そう。
私は純粋なニーブリムではない。
私は半ニーブリム、炎の半人/半人間だ。
ニーブリムの世界では、私たちは真紅の汚点と呼ばれる。
私の炎の力は、ディストラのような絶対的な破壊のためではなく、バランスと火による治癒のためだ。」
ジンは今や疑念を混ぜた畏敬の念で彼を見つめるウリエルとレンジを見た。
「お前たちを白の地で訓練したのは私だ。
お前たちを見つけ、救ったのは私だ。
しかし、アーカムの力がヴァイオラに忍び込み、虚構を作り始めた時、
私は最も難しい決断を下さなければならなかった。
姿を消すことだ。」
「もし私がお前たちと一緒にいれば、
私たちは見捨てられた半ニーブリムとして直接標的にされていただろう。
私はお前たちを虚構のアリオンに任せることを決めた。
なぜなら、それはアーカムの注意を私から逸らすための必要な仮面だったからだ。
私はアリオンに、私が信じない厳しい方法でお前たちを訓練させ、
最大の衝撃に耐えられるほど強くさせた。」
「私の使命は、ニーブリムの世界に秘密裏に潜入し、
アーカムの計画と武器に関する情報を集め、
ディストラの心臓部にお前たちのためのこの避難所を用意することだった。
私は遠くからお前たちを監視し、虚構が崩壊する瞬間に介入する準備をしていた。
そして、アリオンがお前たちを裏切りに駆り立てた時に、その瞬間が来たのだ。」
彼の言葉は痛ましいほどに論理的だった。
彼は信頼を求めていたのではなく、理解を求めており、
それはレンジとウリエルの感情が応え始めているものだった。
★★★
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