第二十三話:最初の訓練パルス
アクセリアの上空に、ケアンにとって見慣れないほどの澄み切った太陽が昇った。
空は澄み渡り、遠くで鳥がさえずっていた。
カイラスや第六管区で見てきたものを考えると、その光景は彼にとって新鮮だった。普段の太陽光でさえも「異質」に感じられた。
訓練場では、生徒たちが半円状に並んで立っていた。足元の石の床は鏡のように磨かれ、金色の線が交差する円を描いていた。
場は整然と整えられており、混沌とした余地はなかった。
しかし、穏やかな雰囲気とは裏腹に、生徒たちの顔には緊張が漂っていた…今日は、アカデミーでの最初の本格的な試験だったのだ。
オラム・ケルヴァン監督官が自信に満ちた足取りで入場してきた。 彼は巨体で、肩幅が広く、槌のような声で初めて口を開いた。
「アクセリアへようこそ…この瞬間から、君たちはただの生徒ではない。君たちは投影された戦士であり、アカデミーは君たちを子供扱いしない。ここでは…早く学ぶか、力の圧力に打ち勝つかのどちらかだ。」
恐怖に飲み込む生徒もいれば、頑固に頭を上げる生徒もいた。
ケアンは手に持った石を握りしめた。青い光は彼の言葉に呼応し、彼の心臓と共に脈打っていた。
ウラムは訓練用の円盤を指差した。
「今日は…制御から始めよう。君たち一人一人が円盤に入り、皆の前でエネルギーを召喚するように言われる。強いか弱いかは問題ではない。意志を示せれば良い。アカデミーは見守っており、誰が残るにふさわしいかを見極めるだろう。」
生徒たちは視線を交わした。興奮した者もいれば、ためらう者もいた。
ケアンは息が荒くなるのを感じ、ニブリアンの半分が独り言を呟いた。
「この瞬間…君がただのリストの名前としてではなく…一人の人間として、生き、今ここにいる者として見られる瞬間だ。」
ウラムは声を上げた。
「誰が始めるんだ?」
彼は数秒間沈黙していたが、背が高く痩せた学生が他の学生たちを避けながら前に出てきた。
彼は輪の中に入り、手を挙げ、エネルギーを呼び起こそうとした…しかし、かすかな火花が散っただけで、すぐに消えてしまった。
何人かの学生は嘲笑したが、オラムは叫んだ。
「静かに!ここには嘲笑の余地はない。今日の弱さは明日の強さになるかもしれない。このことをよく覚えておきなさい。」
それから彼は振り返り、ケアンをじっと見つめた。
「汝…入りたまえ。」
ケアンの心は一瞬震えたが、円陣の中に足を踏み入れた。指の間の青い石は、ますます輝きを増していった。
全ての視線が彼に注がれ…そして今度こそ、逃げ場はなかった。
ケアンは円陣の中に入った。一歩ごとに足が震え、まるで大地が彼の体重を測っているかのようだった。
彼の手の中の石は、かつてないほど強い青い光を発し、生徒たちは期待を込めて彼を見守った。試験に落ちるだろうと考える者もいれば、この奇妙な光は何か別のものの兆候だと確信する者もいた。
オラムは腕を組み、厳しい声で言った。
「ケアン・ヴァルミル…力を解き放て。それ以上でも、それ以下でもない。」
ケアンは息を呑み、目の前の石を掲げた。
彼の心の中で、葛藤が爆発し始めた… 人間の半分は自らの実力を証明しようとし、ニブリミの半分は落ち着かない言葉を囁いた。
「私を解放してくれ…炎を見せてくれ、真のお前を見せてくれ…」
彼は少しの間目を閉じ、これまで経験した全てを思い出した。カイラスの灰、第六地区の叫び声、アリシアの血を流す視線。
全てが彼の心に集まり、彼は石へと駆け寄った。
そして突然…!
彼の手から小さな炎が噴き出したが、それは普通の炎ではなかった。
炎は冷たく青い閃光を帯び、まるで火と氷が一つの閃光に溶け合ったかのようだった。
彼の周囲の空気が揺れ、床の金色の円が光に反応し、まるで彼の鼓動に呼応するかのように震えた。
生徒たちのささやきがこぼれた。
-「これは何だ!?」
-「火でもない…氷でもない…!」
- 「…ニブリミのハーフ?」
ウラムは動かず、不安げに目を細めた。
しかし、心の奥底で、この生徒には無視できない何かが宿っていることを感じていた。
ケアンは目を開けた。額から汗が滴り落ちた。
放たれたエネルギーは大したものではないが、本物だった…何かが違っていた。
束の間、生徒たちの目に、これまで見たことのない何かが垣間見えた。畏敬と恐怖が入り混じった瞳だった。
ウラムは一歩前に進み出て、低い声で言った。
- 「もういい。止めろ。」
石の炎は徐々に静まり、青い炎は消え去った。
ケアンはわずかによろめいたが、拳を握りしめ、荒い呼吸をしながら、立ったままだった。
オーラムは皆に聞こえる声で言った。
「これはまだ完全な力ではない…だが、核心には違いない。お前の価値を決めるのは、お前が明らかにした力の奇妙さではなく、それを制御できるか、掌握できるかだ…さもなくば、お前は飲み込まれてしまうだろう。」
しばしの沈黙が訪れ、それから彼はケアンの目をまっすぐに見つめながら続けた。
「アクセリアが求めているのは、ただ力を持つ者ではない…力と共に在り続ける者だ。」
ケアンは答えなかったが、まるで手に持った石が囁くかのように、かすかに頭を上げた。
「私はここにいる…ここにいる。」
オーラムは身振りで示した。
「次。」
ケアンは息が荒いまま、生徒たちの元の場所に戻った。
しかし、心の中では久しぶりに、自分の歩みが無駄ではなかったと感じていた…
彼らは彼を見たのだ。
ケアンが席に戻ると、視線はまだ彼に向けられていた。
ある者はまるで怪物を見たかのように身をすくめ、ある者は驚いて眉を上げた。そして、ほんのわずかな者だけが、静かに感嘆し、微笑みを浮かべた。
一人の生徒が隣の生徒に囁いた。
「彼が普通の人間であるはずがない…」
もう一人の生徒が低い声で答えた。
「でも、もし彼が完全なネプリミなら…ここにはいないはずだ。」
ささやき声が小さな火花のように列に広がり、オラムは足を踏み鳴らさざるを得なくなった。
衝撃はアリーナに響き渡り、金色の円が再び震えた。
「静かにしろと言っただろう! 君たちはアクセリアにいる。真実のすべては、まだ遠い。今見たのはほんの始まりに過ぎない… 他人のことを推測するよりも、自分自身に集中しろ。」
静寂が支配したが、緊張はぴんと張った糸のように残っていた。
ケアンは仲間たちに囲まれ、目を半分閉じ、震える手を隠そうとしているようだった。
手にした青い石が突然冷たく感じられた… あまりに冷たく、この力は自分だけのものではないことを思い知らされた。
彼の胸の中で、葛藤が止まることなく燃え上がった。「もし彼らがもっと多くのことを見たら… 私を恐れるだろうか? それとも、私を見捨てるだろうか?」
残りの生徒たちも一人ずつ円の中に入り始めた。
控えめな火花を散らす者もいれば、弱々しい風を吹く者、あるいはゆっくりと水遊びをする者もいた。
状況は明らかだった。彼らとケアンの行動の違いは、ろうそくの火花と、今にも噴火しそうな火山の火花ほどの違いだった。
しかし、彼の目を最も惹きつけたのは、彼らの力強さではなく、彼を見つめる彼らの表情だった。
彼らの視線は相反していた。恐怖、嫉妬、好奇心、そして時折、秘めた称賛の輝き。
人生で初めて、彼は自分の存在だけでホール全体の均衡を覆せると感じた。
訓練の終わりに、オラムは手の中の記録簿を閉じ、厳しい口調で言った。
「今日はまだ始まりに過ぎない。君たちの中には、才能の芽があることを証明した者もいる…そして、まだそれを探している者もいる。忘れてはならない。アクセリアは誰も待ってくれない。追いつくか…それとも、他の者に先を越されるかだ。」
そして彼はその場にいる全員に向き直った。
「明日は…個人訓練を始めます。」
最後の言葉は、まるで重い石のように砕け散った。
生徒たちはゆっくりと散り散りになり、囁き合う者もいれば、背を向ける者もいた。
ケアンは一瞬立ち止まり、床に浮かぶ金色の円が徐々に消えていくのを見つめていた。
まるで自分と他の生徒たちの間に、目に見えない線が引かれたかのようだった。
もはや彼は「新入生」ではなかった。
彼は…別の存在になっていた。
胸は疑問の重みで燃えるように熱く感じられたが、心の奥底で、彼は再び静かな声が囁くのを聞いた。
「準備はできている。」
ケアンは円の中心に立ち、指の間の石はうねる青い光を放ち、脈打っていた。まるで彼の心臓が皆に晒されているかのようだった。
額から汗が滴り落ちた。熱さからではなく…この瞬間の重みからだった。
彼は一瞬目を閉じ、自分の鼓動とニブリアンの片割れの囁きが混ざり合うのを聞いた。
「集中しろ…恐れるな…今度は逃げ場はない。」
彼は目を開け、前に手を伸ばし、昨晩練習したようにエネルギーを導こうとした。
周囲の空気が震え、石から放たれる青い光は、かすかな内なる炎の糸のように揺れていた。しかし突然…その力は制御不能に爆発した。
青い炎の光線が激しく吹き荒れ、最前列の生徒たちを襲いそうになった。
何人かは悲鳴を上げて後ずさりし、目を見開いた。ケアンはエネルギーを引き出すことができず、一瞬凍りついた。
しかし、炎が彼らに届く前に、すべてが凍りついた。
空気は冷たくなり、炎は途中で止まり、砕け散った氷の破片はゆっくりと地面に落ちていった。
生徒たちは唖然とし、中には驚きの声を上げる者もいた。
全員の視線がアリーナの端に注がれた。そこには落ち着いた若い男が立っていた。髪は黒く、瞳は氷のように鋭く輝いていた。
レイナー。
彼の手はほとんど上がらず、わずかに動いただけだった。しかし…ケアンの力は、まるで最初から存在しなかったかのように、完全に消え去った。
彼はゆっくりと輪に向かって歩み寄った。低い声だが、はっきりと聞こえた。
「衝動よりも制御が重要だ。」
生徒たちは互いにささやき合った。困惑する者もいれば、彼が畏敬の念を抱きながら入ってきたことに感銘を受ける者もいた。
しかし、ケアンは立ったままだった。呼吸は速くなり、石は混乱に赤く染まっていた。
レイナーが近づくと、その視線はケアンに釘付けになった。
澄んだ視線…だが、重々しい。
まるで胸を貫き、心の奥底を読み取っているかのようだった。
ケアンは嗄れた声で呟いた。「お前…一体何者なんだ?」
しかしレイナーは答えず、ただ氷のように冷たく弱々しく微笑むと、再び手を上げた。
地面の氷は白い粉々に崩れ、まるで最初から存在しなかったかのように消え去った。
監督官のオラムは沈黙し、介入することなくその光景を見守った。まるで、この瞬間のレイナーの出現に全く驚かなかったかのようだった。
もしかしたら、それも授業の一環なのかもしれない。
生徒たちは畏敬の念に打たれ、ある者は恐怖に、ある者は羨望に駆られた。そして輪の中心にいたケアンは、奇妙な寒気を感じた。氷のせいではなく、この人、レイナーが他の人間と違うという感覚からだった。
全く違う。
オラムは前に進み出て、冷たくアリーナを見渡し、そして力強い声で言った。
「今日…君たちは二つの異なる力を見た。一つは抑えきれない燃え盛る炎、もう一つは沈黙し容赦ない氷。忘れるな…アクセリアは力の誇示ではなく、生き抜く者を育成する場なのだ。」
彼の声はまるでハンマーのように落ち、生徒たちの顔はさらに縮んだ。
生徒たちはケアンとレイナーの間を振り返り、これが単なる演習ではなく…必然的にエスカレートするであろう競争の始まりであることを悟った。
ケアンは息を切らしながら立ち尽くし、氷のように冷たい少年を見つめていた。
彼は新たな境界線が引かれたように感じた…冷たく鋭い境界線は、これから何日も彼を苦しめ続けるだろう。
アリーナの喧騒と荒い呼吸音から遠く離れた場所で…病院の白いベッドの上で、別の戦いがゆっくりと繰り広げられていた。
入院二日目。カーテンの隙間から日差しが忍び寄り、薄暗い光が部屋を照らしていた。アリシアはベッドの端に腰掛け、怪我をした脚はギプスで固定されていたが、今日は様子が違った。医師が安心させるような笑顔で入ってきて言った。
「今日は脚をゆっくり動かしていきましょう…もう痛みはありません。」
部屋の機械はいつものようにビープ音を鳴らしていたが、昨日ほど不安な気持ちはなかった。医師はゆっくりとアリシアの脚を取り、正確な動きで膝を動かした。アリシアは伸びたり緩んだり、緊張した筋肉や痛む組織を一つ一つ感じた。痛みは確かにあったが、今は以前とは違う感覚だった。ただのショックではなく、乗り越えるべき試練だった。
「息を吸って…ゆっくりと空気を吸い込んで…一つ一つの動きに集中して。」
アリシアは目を閉じ、心臓の鼓動を抑えようとしながら、深呼吸をした。小さな動き一つ一つが勝利であり、痛みを感じるたびに忍耐の新たな教訓となった。 助手がメモを取り、医師は落ち着いた声で彼女を励ました。
「よかった…小さな動き一つ一つが、再び歩けるようになることに近づいているのですね。」
窓から吹き込む風さえも、「あなたの強さはスピードではなく、粘り強さにある」とささやくようだった。アリシアは、事故以来初めて、体が自分の言うことを聞き始め、再び歩けるようになる道が不可能ではないと感じながら、かろうじて微笑んだ。




