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ケアン:ネブリムの罪 (Kaern: Niburim no Tsumi)  作者: Bayan
第三章:アクシリア:忘却の炎... アイデンティティと罪の灰の間で
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第二十二話: アクセリアでの最初の一歩


ケアンは高い廊下を歩いた。アカデミーの床の石の一つ一つが、彼の手に握られた石から発せられるかすかな青い光で輝いていた。辺りの音はそれぞれ違っていた…生徒たちの声、足音の反響、鼓動の音、そして大きな窓から吹き込む風の音。それら全てが、彼が新たな世界、あらゆることを経験することになる世界に足を踏み入れたことを思い起こさせた。


彼は壁の大きな銘板の前にしばし立ち止まった。そこには入学した生徒たちの名前、称号、そして階級が刻まれていた。彼の指は再び石に触れ、まるで自問自答しているようだった。「私はこれらの中でどこに立つのだろうか?私はただの彼らの一人になるのだろうか?それとも、自分自身で新たな世界を作るのだろうか?」


その時、遠くから静かで鋭い声が聞こえた。

「ケアン。」


振り返ると、監督官の一人が立っていた。背が高く、厳しい顔立ちで、暗闇を突き抜けるような目をしていた。

「まずはアカデミーのやり方に慣れることだ…そして訓練だ」監督官は、経験と警告の重みを帯びた声で言った。

「最初の挑戦の準備はいいか?」と彼は付け加えた。


ケアンは石を掴んだ。青い光が同意するかのように輝いていた。

「ああ…準備はいい」彼は低くも力強い声で呟いた。


廊下は、まるで彼の足音に合わせて動くかのように動き始めた。それぞれの扉は異なる訓練場へと通じ、それぞれの角には期待と未知への予感があった。埃と石の匂い、そして新たな自由の香りが混ざり合い、彼の内に秘めた力強さを再び呼び覚ました。


突然、彼は遠くの隅から自分を見つめる視線を感じた…それが他の生徒なのか、それとももっと謎めいた何かなのかは分からなかったが、心臓が激しく鼓動し、ニブリアンの半分が囁いた。「気をつけろ…ここにあるものは全てが見た目通りとは限らない。」


ケアンはしばらく目を閉じ、深呼吸をして、石と、内に湧き上がる力強さに意識を集中した。この瞬間こそが真の始まりだった。決して終わることのない旅の始まり、彼の心、精神、魂、そして持てる全てを試す旅の始まりだった。


「最初のレッスン…最初の挑戦…」最初のホールに足を踏み入れながら、彼は独り言を呟いた。そこにはトレーナーが待ち構えており、彼の真の能力の限界を見抜き、アカデミーのシステムへと導く任務を負っていた。


風が再び柱の間を吹き抜け、囁いた。「一歩一歩、一瞬一瞬、挑戦…それが、君を今の君へと形作る…君はここにいる、ケアンは…真の旅が始まったのだ。」


ケアンはホールに入り、そこが広々としていることに気づいた。床は滑らかな石で、壁には輝く石が飾られており、彼の手に握られた石から放たれる青い光線を反射していた。 ホールの中央には、正式な訓練服を着た屈強な男が立っていた。その目は真剣な輝きを放っていた。


「ケアン・ヴァルミル、ようこそ」と、訓練士は大きく、しかしはっきりとした声で言った。そこには反抗的な雰囲気が漂っていた。「私の名はオラム・ケルヴァン。今日、君は最初の試練を受ける…力と秩序の試練だ。」


ケアンは胸が熱くなるのを感じたが、ニブリアンの半分が囁き返した。「集中しろ…これは単なる始まりではない。君の内なる全てを試す試練なのだ。」


オラムは地面に刻まれた、金色の線で照らされた円を指差した。「ここに立ちなさい。」



ケアンは前に進み出て、手に持った石を目の前に置いた。青い光線は金色の線に沿って揺れ、まるで彼の存在と相互作用しているかのように揺れ動いた。


「任務は単純だが、容易ではない」オラムは重々しい声で続けた。「あそこにいる標的に、お前の力を解き放つのだ」彼はホールの奥の隅にある、小さいながらも光り輝く点を指差した。「だが、全ては見た目通りではない…フォースを操らなければならないのだ。フォースに操られるのではなく。」


ケアンは深呼吸をした。視線は標的に釘付けになり、石は明るく輝き、ニブリム人の半分が心の中で叫んでいた。「お前の実力を見せろ… 己の姿を。」


最初の火炎放射が彼の手から放たれたが、標的には届かなかった。わずかに跳ね返り、石はさらに青く輝いた。まるで彼の心の周波数と同調させようとしているかのようだった。


「止まってよかった…今度は力と制御のバランスに集中しろ」オラムはそう言いながら一歩近づき、視線を彼から離さなかった。「真の力は爆発にあるのではなく、爆発の方向にあるのだ」


ケアンは再び目を閉じ、石の脈動と周囲を吹き抜ける風を感じ、集中を促された。そして再び発砲した。石から放たれた青い光線が、その中の微かな炎と混ざり合い、標的に命中し、部屋を一瞬の光で照らした。


「素晴らしい…これは始まりに過ぎない」オラムはかすかな笑みを浮かべたが、決して引き下がらなかった。「学ぶべきことはまだたくさんある…ここでの一瞬一瞬が、お前の心、精神、そして魂を試すことになるだろう」


ケアンは疲れを感じていたが、かすかな笑みが顔に広がった。この瞬間は単なる試練以上のものだった…アクセリアへの旅、そしてこれから発見されるであろう力への準備ができたという、内なる宣言だった。


オラム・ケルヴァンは、ホール全体に様々な色で輝くいくつかの小さな標的を指さした。


「さあ…微調整をマスターする能力を試すんだ。それぞれの標的は異なる周波数を持ち、それぞれの色には対応する力が必要だ」と彼は鋭い声で言ったが、かすかな励ましの響きが込められていた。「集中を失えば、すぐに結果がわかるだろう」


ケアンは深呼吸をし、石のエネルギーが手に流れ込むのを感じた。まず赤い標的に焦点を合わせ、その中の火のビームと石の青い光が交わるようにした。光は同時に反射し、標的に衝突し、閃光が空間に広がった。


「よし…非常によし…」オラムは軽く満足そうに頷きながら囁いたが、まだ微笑んではいなかった。「だが、ここからが本当の試練だ…全ての標的が一斉に、しかも動いている。」


標的は突然、ランダムに、そして素早く動き、まるで彼の反応速度と集中力を試しているかのようだった。 ケアンは鼓動が速まるのを感じ、ニブリ人の半分が囁き始めた。「お前のスピードと激しさだけでは不十分だ…全てと調和しなければならない。」


ケアンは一瞬目を閉じ、深呼吸をした。風が吹き抜ける感覚と、手の中の石の静かな反響を感じた。それから目を開け、全ての標的を同時に見つめた。青い光線は内なる炎と調和して流れていた。一つずつ標的を攻撃し、光は正確に命中し、炎は内なるエネルギーの鼓動を映し出した。


オラムは一歩下がり、自分の技を静かに観察した。その目は厳しい評価に輝いていた。


「さあ…お前は理解し始めた。制御は力だけで得られるのではなく、自分自身のあらゆる部分との調和から生まれる…そしてニブリ人の半分との…」彼は低い声で、まるで独り言のように言った。「まだ始まったばかりだ。」


ケアンは顔に血が上るのを感じたが、集中力は失わなかった。 彼が命中させた標的の一つ一つは、アカデミーで自ら築くべき道に石を積み上げるようなものだった。勝利の喜びは、単なる試練の通過ではなく、必要な時に力を呼び起こし、感情だけでなく意図を持ってそれを導くことができるという、制御の感覚だった。


オラムは彼に近づき、膝の上に手を置いた。その触れ方は、ただエネルギーを試すようなものだった。そして言った。「今日は…まだ始まりに過ぎない。だが忘れるな、ケアン・ヴァルミル。道のりは長く、これからの試練は…容易ではないだろう。だが、お前は正しいスタートを切る力があることを証明したのだ。」


ケアンは不屈の決意に輝く瞳で頭を上げ、低くも力強い声で言った。「私はためらわない…あらゆる教訓…あらゆる対決…あらゆる瞬間…それを私の一部にする…そして、私の中のニブリミの半分が、私が持つ力にふさわしいことを証明する。」


風は再び広間にささやき、柱の間を通り抜け、まるで彼に語りかけるかのように言った。「汝は始まった…今、一歩一歩が汝を形作る…そして試練の一つ一つが汝の真の力を明らかにする。」


ケアンは石を手に取り、しばし立ち止まった。己の内に宿る力の均衡を感じながら、アクセリアで待ち受けるどんな出来事にも備えた…いつか自分がなろうとするニブリミの半分へと向かう、真の第一歩を踏み出す準備を整えた。




オラムはゆっくりとため息をつき、そして小さく微笑んだ。賢そうに、そして反抗的に。そして言った。「よし、ケアン…次の段階に進もう。個々のコントロールは悪くないが、真の戦闘にはもっと…心と体の協調、勝利への渇望と失敗への忍耐の調和が必要だ。」


トレーナーはホールの別のドアを開けた。そこには長い廊下があり、そこには複数の可動式プラットフォームがあった。プラットフォームはそれぞれ大きさや高さが異なり、中には様々な周波数と色の想像上の敵が動き、薄暗い光の中できらめいていた。


「さあ…試練は、プレッシャーの下での機動力とコントロールだ」とオラムは言った。その声には厳しい響きがあったが、かすかな励ましの響きもあった。「一歩間違えれば、軽率な行動をすれば、君は振り出しに戻ってしまう。だが、どんなに小さな成功でも、君を強くしてくれる。」


ケアンは深呼吸をした。まるで支えてくれるかのように、風が吹くのを感じた。手にした石がわずかに震え、青い光がまるで保護毛布のように彼を包み込んだ。 ニブリアンの片割れが囁いた。「見せてやれ…己の姿を見せやれ…全ての光線、全ての動き、全ての教訓を忘れるな。」


ケアンはプラットフォームの上を歩き始めた。プラットフォームは動きに合わせて揺れていた。いくつかのプラットフォームは突然消え、他のプラットフォームはぎくしゃくと動いていた。彼は視線、足の動き、そして石に宿る力の制御を調和させなければならなかった。青い光線は内なる炎と融合し、全てのエネルギーをそれぞれのプラットフォームへと導いた。一歩ごとに、彼は内から新たな力が湧き上がるのを感じた。


廊下の真ん中に、巨大な幻影の標的が現れた。それはまるで時間のプレッシャーの中で彼の反応を試しているかのように、素早く動いていた。ケアンは立ち止まり、集中力で目を輝かせた。ニブリアンの片割れは独り言を言った。「スピードが全てではない…内面との調和こそが重要だ!」


ケアンは青い光線を放ち、内なる炎と融合した。彼は標的を正確に命中させ、光は廊下全体に広がり、周囲のプラットフォームを照らし、彼の成功を告げた。 オラムは傍らに立ち、注意深く見守っていた。「さあ…君は自分の内に秘めた真の力に気づき始めた。道のりは長いが、今日の教訓は学んだ。制御とは力だけではない。いつ、どこで、どのように使うかを知ることだ。」


ケアンは疲れを感じていたが、かすかな笑みが顔に広がった。誇りと達成感に満ちていた。一歩一歩、放つ光線、命中させる標的…彼は、自分の中のニブリミの半分が単なる力ではなく、知性と集中力によって導かれるのを待つ均衡のとれたエネルギーであることを、自らに証明していた。


オラムは一歩下がり、はっきりとした声を上げた。「ケアン・ヴァルミール、君の修行の第一段階は終わった…だが忘れないでくれ、これは始まりに過ぎない。真の力は、予測不能な事態に立ち向かい、自分の内にあるものを…一瞬一瞬、制御することによってのみ試されるのだ。」


ケアンは深呼吸をした。青い石の光が手の中で踊り、風がまるで彼の最初の一歩を祝福するかのように彼を取り囲んだ。揺るぎない決意に瞳は輝き、彼は独り言を呟いた。

「一瞬たりとも無駄にはしない…すべての学び、すべての試練…私の中のニブリミの半分を強くしてくれる…そして、一歩一歩が私を真の自分に近づけてくれる。」


そして外、ホールの窓から、風が優しく囁き始め、彼を翼に乗せて、これからの試練へと導いた。「これは始まりに過ぎない…真の旅は今始まる。そして、一歩一歩が、あなたを今のあなたにしてくれる。」



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