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かつての男爵家の栄光は……。

「……すみません。僕が離れている間にそのようなことが」


 帰りの馬車の中、イヴが詫びてきました。彼は調べたいことがあると、一時離席していましたからね。


「いいえ、いいのですよ。護衛もついていましたし」


 適切な距離を保ちながらですが、護衛も見守っていてくれました。私は気にしないでと笑いました。


「……本当にすみません。それで調べたことですが――」


 イヴが探ってくれたのは、こちらの男爵領について。


「かつては豊かだったフェル領も、一気に財政が傾くことになりました。それも――男爵の再婚によって」

「!」

「継母も義姉妹もやりたい放題です。彼女達の身の丈に合わない贅沢によって、絞り尽くされています。実子のオスカー様にも冷たくあたっているとか」


 イヴが語るは事実。オスカー殿のご様子や、再婚したご一家からして、それは納得できるものでもありました。


「フェル卿はどうしたというのです。愛した気持ちもおありでしょうが、御子息の実態をご存知ないというの……」


 愛のある再婚だったのでしょうか。随分と好き放題を寛容されておいで。ですが、この実情でしてよ。オスカー殿も苦しんでいるのに……。


「……骨抜きですから。かつては良き領主だったそうですが。諫める気持ちなんて更々ないようですよ」

「なんですって……」

「長年続いたわけですから。露見していくのも避けられなくなったのでしょうね」

「……ええ」


 私は愕然としました。継母側に肩入れをしているのですか。そのような現を抜かした当主から、民も離れていったわけですわね。ああ、なんということでしょう……。


「かつての栄光は聞いておりましてよ。『王の守護神』として――王の盾になっていたとも」


 フェル一族の力を持って、我らが王を守り抜いたという。現代の伝説ともいえますわね。それほどまでの一族がこうも……。


「オスカー殿……」


 あなたはこのような環境でも、民を思って尽力してきた。それは誇ることだと、私は思いますわ。




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