貴婦人はコロシアムがお好き。
コロシアムを出て、馬車で王城へと向かうことになります。各々が帰路に着く中、何やら話し声が大きな方々がやってきました。
彼女達はいずれも仮面を着けており、見事なドレスを来ております。貴族の方か、羽振りの良い商家の方か。優雅な暮らしをしているのでしょう。
彼女たちは……向かっているのです。私達のように帰るのではなく、これから訪れるかのようです。それは――夜の部。
「――本当ですわよぉ。あの鍛えられた肉体が……って!」
「で、殿下……ご、ご機嫌麗しゅうございます……! ほら、あんた達もご挨拶なさい!」
はしゃいでいた彼女達が、途端に止みました。それも、殿下のお姿を拝見したからでしょう。彼女達は慌てて礼節をもって挨拶をしました。殿下は上品に手を振って返します。
「――フェル男爵家のご婦人。並びにご息女、かぁ」
彼女達が去った後、殿下は肩を竦めました。呆れてもいる声音ともいえました。殿下は仮面があれどご存知だったようですわね。流石ですわ。
「……オスカー殿のご家族でございますか?」
「そうそうー。大正解――。やるなっ、アリアンヌっ」
「光栄にございます、殿下」
殿下は私を褒めてくださいました……ええ、褒めていただいたということで。
王城に招待され、ご馳走にもなりました。良き一日であったとは思えますわ。
私は自室の窓辺にて、考え事をしておりました。冷える夜ですから、ガウンは欠かせません。
「フェル男爵家、ですか」
ゲーム上では知り得なかったのですが、調べた限りですと。
オスカー殿の母君、そして姉妹の方々。義理であると、血のつながりがないとのことでした。思い出すのは、コロシアムで会った彼女達の服装。とても華やかでしたわね。男爵家、それに名門ですもの。財政は潤っているのでしょう。
「……気にはなりますわね。明日、探ってみましょうか」
幸い、明日も休日ですもの。おあつらえ向きですわね。あとは、口実を考えましょう。
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