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わたくし、脳筋悪役令嬢ですもの。

 地下水路をつっきり、着いた場所。行き止まりとなる場所に、集団が待ち構えていた。私達の存在は知れ渡っていたようですね。


「……早期決着、ですわね」


 ブリジット様やヒューゴ殿が見つかる前に。私達は道中拾った鉄の棒を構えます。


「あなたを守るから」

「ええ、イヴ。――さあ、一網打尽ですわよぉ!」


 ここは、ひと暴れさせていきますわ! 一気に叩いてしまいましょう! 


「守る……って」


 イヴはそう言ってくれましたわね。ごめんあそばせ。私は自在に駆け抜けておりますの! 


「……はあ」


 イヴは私の後方に気を配りながらも、彼もまた鉄棒で殴っています。筋がよろしいですわね! 

 時に相打ちを誘い、相手に足払いを仕掛ける。振り下ろされた武器とて、私と鉄の棒の敵ではありませわ! もちろん、イヴもいましてよ! 

 たくさん暴れまわり、私は最後にボスの男に飛び蹴りをくらわせた。男が倒れ落ちると同時に、私もまた着地。


「……ふう」


 倒れ伏せる男達。目が合ったイヴも頷く。取りこぼしもなさそうですわね。


「――さあ、帰りましょうか」

「……なんだろ。こう実際に目にしてみると」


 脳筋だなぁ、ですって? 今回はやたらとはっきりと言いましたわね!? 


「ほほほ、そうですわね! なにせ私は――脳筋悪役令嬢ですもの」


 名ばかりではなくてよ? 



 その後、警備の人達がやってきました。裏通りの方らが、知らせに行ってくれたと、私はそう思っております。

 ブリジット様は保護されました。状況説明として、ヒューゴ殿も同行されていました。

 ええ、目にした状況を説明しております。


「……もう、去ったかしら」

「……」


 私とイヴは通路の天井部に隠れておりましたから。大暴れしたのが公爵家の者、そう知られてはまずいと。今になって思いましたので、去るのを待っているのです。


「……頃合いですわね。戻りましょうか」

「……」


 イヴは無言ですわね。体が密着しているからかしら、苦しいのですね。顔が赤くなっておりますもの。



 地上に戻りますと、騒ぎになっておりました。私達はこっそりと去ることにしました。ヒューゴ殿の馬をお借りしましょう。改めて、お礼をしなくては。


「……まあ」


 じきに夜明けの時間です。空は曇ったまま、でもよいですわ。日常に戻ってきたと、そう思えましたから。

 日常が続いていくのだとも。そう思えましたから。



 自宅に帰って早々、両親や従者達から絞られました。黙って抜け出したこと、そして汚れや匂う私達。まあ、お怒りはそこで終わりました。一大イベントが控えていますもの。

 入浴、仮眠、食事。それから夜会への支度。時間はあっという間に過ぎていきました。


 アルブルモンド城にて催された夜会。そちらで、婚約のお披露目をされました。

 豪華絢爛な会場、より目を惹かれたのは主役のお二人。


 憂いを帯びながらも美しいブリジット様。まだ、彼女の心は割り切れてないのかもしれません。

 ブリジット様。あなたの側には殿下がおられますわ。一途な思いを示してくださった彼が。


 軽妙なる音楽に乗って、紳士と貴婦人は踊っていく。中央で踊るのは、彼ら。

 どうか、仲睦まじくありますように。


 どうか、この平和が続きますように。

 それこそ、永遠に。


 私もまた、踊りながら。そう、祈り続けておりました――。



お読みいただきまして、ありがとうございました!

明日も投稿予定です。

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