表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

42/438

裏ルートで取得しましてよ!

 それからのイヴは取り返すと息を巻いていました。自分が隠し扉を見つけてみせると誓い、私よりも早く見つけてくれました。さすがですわね。


 地下にある一室。こちらもまた、冒険者ギルドの一部のようですわ。薄暗い部屋の中、柄のよろしくない男女が戯れておいででした。退廃的な雰囲気な場、イヴはより警戒しております。


「……」


 私とてビビッておりますわ。ですが、心持ち心持ち。気持ちでは負けない負けない。

 カウンターの奥にて新聞を読んでいる男性。ひとまず彼に話しかけてみましょう。一番、それらしい方ですもの。


「失礼しますわ。こちらで冒険者登録を行ってくださると、耳にしましたの」

「……ああ、はいはい」


 男性は新聞をそこらに置いて、手続きはしてくださる様子。契約、といきたいところですが。


「――契約の文面、確認させていただけます?」


 捺印をする前に。私は書面を確認したかったのです。無条件とも思えなかったものですから。男性は適当に渡してきました。イヴもまた覗き込んできました。


「……アリアンヌ様、やめた方がいいと思う」


 イヴは顔を顰めてました。それもそう、中々条件の厳しいこと。

 こちらの証は仮扱い。向こうの匙加減で、突然失効してしまうこともあります。

 負担が大きいのはこちらでしょうか――上納金を納める必要があること。ダンジョンでは金策も可能です。金貨自体も落ちておりますし、換金アイテムも落ちていたり。この要求額ですと、かなり持っていってしまわれますわね。


「すみません。この内容だととてもじゃないです。他に何かありませんか? 善処しますので」


 イヴの方で打診しています。それを受けた男性は、イヴをちらりと見ました。


「他、ねぇ? たとえば――偽造とか? 兄ちゃんが持っているのを、そっちの嬢ちゃんに置き換える、とかな? もちろん、手数料はふんだんに頂戴するがねぇ?」

「!」


 イヴが正式な冒険者だと見抜いておられたのね。イヴ当人も驚いています。


「なんだ、それでいいのなら」

「なんですの、そちらでよろしいのですね」


 イヴと私は顔を見合わせました。二人同時でしたもの。


「……うん、僕のはどうなっても構いません。その方向で――」

「あ、お待ちなさい。違うのです、違うのですよ!?」


 周りの方からも視線が集中しております。いずれも私に向けて……人でなしと思われているようですね。本当に違うのですよ? イヴも投げ出さなくてよいのですよ!? 


「ご納得いただける金額を納めてもよくてよ。他の文面も――ええ、問題ございませんわ」

「アリアンヌ様!?」


 イヴも、いつの間に集まっていた冒険者の方々も驚かれていました。そのように驚かれましても、私の目当ては問題ないわけですし。


「……なんだかね。まあ、いいさ。捺印お願いできるかい?」

「はい」


 私は文面での契約を成立させました。私の手に降ってきたのは、冒険者としての証。懐かしき冒険者ライセンスなのです。ゲーム画面では見られませんでしたから、実物が今、我が手に――。


「……」


 黒く禍々しい色をしておりますが、気にしてはいられません。これで私も晴れて冒険者ですわ! ダンジョンもようやくですわ! 


「……」


 私の憶測に過ぎませんが、アリアンヌ様もこうした手順を踏まれたのかも。


「金目当てじゃなくて、名声目当てか。それとも肉体の修行目当てか――」


 男性は私に向けて手をかざしております。権限がどうの呟いていらっしゃるわ。まさか、私のステータスを見ようとしているのでしょうか。まあ、良いでしょう。私も気になりますし、確認を――。


「な、なんだこれは!?」


 男性は椅子から転げ落ちていました。お怪我はなさそうですわね。信じ難いものを見たと、彼は震えております。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ