表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

201/438

蔑ろなどは。


 そのままシルヴァン殿と雑談を続けていました。下校のチャイムが鳴っても殿下は戻ってくる気配はありません。やはりブリジット嬢と帰ったのが有力でしょうか……。


「――アリアンヌ様。ボヌール家の方々もお待ちでしょうから。お送りします」

「……ええ、お願いしますわね」


 しびれを切らしたようなシルヴァン殿に提案されました。イヴたちも待たせていますから。これ以上粘ることもないのでしょう。

 私たちが帰ろうとした、その時――扉が開かれたのです。


「……あれ、残ってた?」 


 開かれたのは殿下……帰っていたと思われていた彼でした。


「はあ……殿下、よろしいでしょうか?」 

「な、なんだ? シルヴァン……?」 


 溜息交じりのシルヴァン殿は笑顔で迫っておられます。こちらからは後ろ姿となってますが、中々の迫力でしてよ……? 


「アリアンヌ様はずっとお待ちでした――あなたの婚約者として」

「!」 


 静かな怒り、そういったものをシルヴァン殿は宿していました。私だけでなく、殿下も慄いているようで。


「そっか……悪かったな。あとな、ちゃんと君が婚約者だってことはわかってるからな」

「ご理解いただけてないでしょう。今一度申し上げます――あなたの婚約者はアリアンヌ様です。あなたがないがしろにするような方ではない」


 静かに諭すようなのに、それでも怒気が含まれているような。


「……シルヴァン殿」


 私を庇おうとしてくださっているの? それは嬉しくもあり……そうともいえなくもありました。彼の立場がおありでしょうに。殿下とて気を悪くされるような――。


「……シルヴァン、お前も大概わかりやすいな」


 殿下は微笑んだまま、それなのに渇いた声音でした。


「ってな! あーあ、怒られちゃった。本当ごめんなー?」 


 殿下はシルヴァン殿をおしのけて、私の元へ。彼は両手を合わせて謝ってきています。


「いえ、待っている間も退屈もしませんでしたから。絵画も拝見しておりましたの」


 私は私で嬉しかったのです。殿下がこうして戻って来られるなんて。笑顔にだって自然となりますもの。


「……アリアンヌ、君もなのか」

「殿下?」 

「……いや、なんでもない。さあ、帰ろう帰ろう!」 


 殿下はそれ以上言うことはなく、踵を返されました。




お読みいただきまして、ありがとうございました!

明日も続きを投稿予定です。

気に入っていただけましたら、高評価・ブックマークをしていただけますと

大変励みになります!よろしくお願い致します。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ