連帯責任ダンジョン。
私たちは入口の方まで戻ってきました。他の冒険者たちはどうやら帰還スキルで戻ってきているようです。
そう……建物は倒壊したまま。ダンジョン探索の続行はほぼ不可能のようです。今日は無理でも明日はおそらく元通りになるでしょう。ゲームと照らし合わせてになりますわね。
「――連帯責任ダンジョンか」
「……!」
倒壊した建物の上に立つ男性。あの魔物の頭部を被った彼は――。
辺りを霧が覆う。再び霧が晴れた頃には――その男性はいなかった。幻ということはないでしょうけれど。連帯責任ダンジョン……連帯責任?
「アミュレットはいらんかねー」
「魔除けにもなるよー。うってつけだよー」
改めてやってきたのは、アミュレット売りの二人組でした。そこに群がるのは冒険者たち。彼らはそれなりにダメージを負っているようです。罠はうんざりだ、とか口々にしておられる。あと――ぼったくりだとも。それでも買い上げているようですわね。
「そうだ……好きに使ったって。うん、一個なら買える。いってきます!」
「イヴ!?」
イヴもまた、あの人の群れに向かっていきました。元々の手持ちがあったようですが、買う気なのでしょうか。
「イヴ殿が戻られるまで、開封と分配を行っておきましょう」
「了解!」
お二方が開けるのは通常の宝箱です。ああ、良かったこと。現金が多めに入ってましたわ。ヒューゴ殿の安堵したお顔。
「それ、開けないの? って、宝箱自体がいいんだっけね。ごめんごめん」
「え!? ……ええ、そうでしてよ? 集めてましてよ?」
オスカー殿はなんてことなく聞いてきますが、こちらはドキドキでしてよ? 差し上げる相手の目の前で開封作業というね……!? というか、企業秘密も同然ですわ。あなたたちでも見られるのは……。
「お待たせー」
イヴも戻ってきました。彼は無事買えたようです。イヴは笑顔ですわ、良い買い物をしたようですね。
「……。はい、アリアンヌ様。あなたの宝箱、僕の方で詰めておきましたから」
「あら、ありがとう?」
イヴったら上機嫌なのですね。リュックに詰め込む作業をやってくれましたわ。
ダンジョン探索、本日はここまでのようです。戦利品も手に入れたことですし、このまま解散かと思われたのですが。
「早目に終わっちゃったしさ。どっか遊びにいかない?」
オスカー殿はまだまだ元気のようです。
「……本当にあなたは元気が有り余ってますね」
ヒューゴ殿も同じ感想を抱かれたようですわね。
「まあ、悪くない提案です。お付き合いしましょうか」
「ええ、私もよろしいかしら」
イヴもでしてよ? 私たちはお金にもゆとりがある状態ですから。疲れもなんのその、街へと繰り出すことにしたのでした――。




