表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

166/438

魔力ぶっぱもお任せあれ※


 木造の研究所、木の板の床が軋みますわ。幸いなのは、明るいとは決していえないものの照明があること。魔物が徘徊していないのもですわね。罠を回避もしないとなりませんから。


「――さて」


 イヴが前方に手をかざしました。彼はスキルを発動したようです。煌々と光るのは宝箱たちでした。そして――危険を記すかのようにドクロマークが浮かび上がっているのは。


「宝箱の位置をわかりやすく。罠の方は可視化してみた。あのドクロマークに触れないようにしてね」


 イヴの説明に私たちは頷きました。


「本当はもっとわかりやすく出来たら良かったけど、温存もしておきたくて――」

「十分十分! ありがとなー、イヴ君!」 


 オスカー殿がイヴの背中をバシバシ頼むと、彼は駆けだしていきました。


「っと、お先! ゆっくり来てなー?」 


 オスカー殿は見事な身のこなしで、罠を回避しつつも宝箱を回収していきました。


「あ、オスカー! ……まったく、せっかちですね」


 ヒューゴ殿は何かを渡そうとしたようですが、彼、かなり先行していますものね。


「……まあ、仕方ありません。お二人には渡しておきます。治療薬です。万が一ということで」

「ありがとうございます。心強いですわ」


 私とイヴはお礼を言って受け取りました。


「では、私も。採取に専念させていただきますね。お互い用心して参りましょう」


 ヒューゴ殿は御自身のペースで進められるようです。


「僕がお守りしますから!」 

「ええ、私もでしてよ」


 私はイヴと共に踏み入れていくことにしました。



 あらかた宝箱はオスカー殿の方で回収してくださっているようです。


「お。大丈夫そうー?」 

「ええ、つつがなく」


 気の向くまま先に行くと思われたオスカー殿でしたが、実際はそうではなく。時折立ち止まってくれていました。こちらの様子も気にしながら、距離を保たれていたようです。そうですわね、そういう御方でした……。


「ねえねえ、イヴ君? 宝箱にもドクロマークあったけど、これってヤバイやつ?」 


 オスカー殿はある宝箱を指さしています。彼は警戒して触らなかったようですわ。


「……そっか。ごめん、説明足らずだった。多分、偽者。空箱だったらまだいいけど、罠とか仕込まれてるかも」

「まじか、あっぶな! イヴ君サマサマじゃん!」  

「そ、そう……?」 


 気にしているイヴも、オスカー殿の明るさで払拭されているようです。陽のオーラ、さすがですこと……! 


「あら」


 私は天井から吊るされている宝箱を発見しました。そちらは光り輝く茶色の宝箱。なんとしても手に入れたいところですが。その下にあるのは、ドクロマークが浮かびあがる隠された罠。 

 天井から落とさなくてはならない。でも下には罠が控えている。なんともまあ……なんともまあですこと! 


「くっ……」


 試しにナイフを投げつけても、はじき返されました。なんてこと!


「そういえば、アリアンヌ様?」

 

 イヴが何かを思い当たったようです。しかも私に関することで。


「魔法使えるよね? って、書に書いてある」

「ぐっ」


 なんでも共有をなさること……! 


「ええ……私は魔法も使えていましてよ。ときに物理無効の敵もいますから。それに備えて習得しましたわ」

「わあ、戦闘狂」

「オスカー殿……オスカー殿?」 


 あなた、はっきりと言いまして? イヴも頷いていますわ……イヴ? ヒューゴ殿は……黙々と採取しておいででした。


 惜しくはダンジョン内でしか使えないことでしょうか。いえ、使えなくはないのですが。色々とありまして……。


「……ですが、なんとしても手に入れたいものですわ。皆様、下がってくださるかしら」


 私は詠唱をし、振りかざした。放たれたのは光の弾――つなぎ目を貫いた。


「はっ!」 


 私は落下していく宝箱目掛けて飛んでいく。宝箱を手にし、罠の上空を飛び越えていった。私が地面に着地すると同時に――ドゴォと光の弾は壁に激突していた。


「……」

「……」


 イヴもオスカー殿も絶句していました。


「……ほほほ、わたくし加減を知りませんのよ」


 私は誤魔化すかのように、高笑いをしました。いえ、そうではありませんわね。

「その……威力のコントロールが上手くいきませんのよ。魔力の消耗も激しいですし、普段は使わないようにしていますの」


 私は自重しています、と微笑みました。イヴやオスカー殿は……まだ引いてますわね。


「……ふふ、続けて参りますわよ。まだまだ宝箱もありますわね!」 

 

 私は両手を叩きました。こちらで仕切り直させていただきましてよ。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ