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あああ……魔導研究所。


 イヴに乗せてもらい、私たちはバイク型の乗り物でダンジョンに向かっています。空中にあるダンジョンは、暗雲をたちこめています。


「……」


 なんでしょう。このゾクゾクとする悪寒は。大好きなダンジョンでしてよ? 期待に胸を踊らせるものでしょう――いえ。


「まさか……まさかですわよ?」 


 脳筋という評価を受け入れた私だからこそ、申しましょうか。その……苦手なダンジョンも存在しているのです。まさしく脳筋プレイが通用しないような、そのようなダンジョンが……! 


「あああ……」

「な、なに……怖いんだけど」


 後方で呻いている私に対し、イヴは怖れています。ああ、運転中でしたわね……ですが!


 ああ、黒い雲から垣間見える姿。雷鳴が轟く中、複合する施設たち。ああ、ビンゴ! でしてよ……悪い意味で。

――魔導研究所。今回のダンジョンタイプはそうきましたか……。

 実験施設ともされたそこは、トラップ満載のなんともいやらしいダンジョンですの! ゲームプレイ時も私は半泣きになりながら攻略してましたわ……いやはや。


「嫌いなダンジョンあったんだね」

「き、嫌いなどでは……苦手、ですわ」

「そっか……このまま進んで大丈夫?」 

「だ、大丈夫でしてよ!」

 

 イヴは心配そうにしていますが、向かいましょう。ええ、苦手ですが……ですが、ダンジョンはダンジョン! 



 私たちは天空にあるダンジョンに到達しました。辺りには霧がたちこめていましてよ。乱立する研究所。古くからあるとされ、錆びついた建物でもありますわ。


「そっか、罠とか、状態異常特化のダンジョンか」

「ええ、その通りでしてよ……」


 私の天敵ともいえるダンジョンですわ。私が生まれ変わってから、一度も出現してなかったようですわね。本当に稀に出るダンジョン、私のように敬遠する方もおられるでしょうし。


「ご安心ください! こういう時の補助スキルです! お役に立ってみせますから」

「ええ、頼りにしておりますわ!」 


 自身の胸元を叩いたイヴ。なんて頼もしいことでしょう……! 


「ん……?」 


 イヴを褒め称えていた最中、ハンドベルの音がしますわ。それから鈴の鳴るような声――。


「えー、『アミュレット』はいらんかねー? マストアイテムだよー」

「今ならお買い得だよー。セットで買うともっとお得だよー」


 私より少し年下くらいかしら。お二人は双子……? イヴのように癖毛の男女、彼らの方が丸いフォルムをしてますわね。


「アミュレットはいらんかねー」

「いらんかねー」


 彼らの声が遠ざかっていきますわ。霧に隠れるように消えていきました。


「護符かなにか売ってたのかな? あ……買っておけば良かったかな」


 イヴは追いかけようとしましたが、彼らのことは完全に見失っていました。私の方でも捜してみましたが、この場からいなくなっていますわね。


「おっ待たせ―」

「お待たせしました」


 上空から声がしました。オスカー殿とヒューゴ殿も到着です。なんと……絨毯に乗ってです! 魔法の絨毯のようではありませんか! 


「おおお……!」

  

 これはもう、瞳を輝かせるでしょう! 心も躍るでしょう!?  

 私が興奮している間に、二人は着地しました。乗せてくださった冒険者に手を振りながらお礼を言っています。絨毯に残された方々はそのまま飛んでいきました。別ルートから入るようですわね。


 これで全員揃いましたわ。私たちもダンジョンに入ることにしましょう。


「アリアンヌ様。今回はどこから行くの?」

 

 イヴが書物で確認しながら尋ねてきました。どうやら私が熟知しているとも記されているようです。


「……そうですわね。金策重視、宝箱重視、討伐重視――罠が少なめな場所」


 私は考えます。一回一回の攻略に時間がかかっていましたから……ここぞという入口が。


「ええ、長居はしたくありませんわね」

「どんだけ……あれだけダンジョン好きな人が」


 私の呟きをイヴが拾いました。くっ……。


「ええ、決めましたわ! あちらの入口からにしましょう。宝箱がたくさん落ちていましたわ……確か!」 


 私が指したのは、特段と大きな建物。一番宝箱が回収できたはずです……多分、いえ、そうなのです! 私がこれでよしと考えていたところで、挙手してきたのはヒューゴ殿でした。


「――アリアンヌ様。差し出がましいですが、金策にも重点を置いていただけますと。お金が……お金が欲しいのです!」 


 ヒューゴ殿……今回も切実ですわね。ですが、ふふふ。


「ご安心なさって? 通常の宝箱からはお金も出てきますでしょう? 今回はそちらを頼りに進めていきます」

「そういうことだったんですね、これは失礼しました」

「よろしくてよ、おほほほほ!」 


 通常のものでしたら、現金もそう、換金アイテムも出てきますからね。抜かりはありませんことよ。


「ほほほほほ……」


 もう、某ラビット稼ぎはあてにしてられませんもの……! イヴが『あー……例のウサギはねぇ』と口にしてますわ。どこまで共有してますの……!? 


「……ええ、各色回収して参りましょう。ご協力お願いしますわね?」 


 極力全回収でいきましょう。ええ、こうなったら取れるだけ取っていこうではありませんか。彼らへの還元にもなりますもの。



お読みいただきまして、ありがとうございました!

明日も続きを投稿予定です。

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