それぞれの乗り物事情。
ギルド内で草のやり取りをしているヒューゴ殿も発見しましたわ。本日も彼は来ていましたのね。良かったですわ。
ヒューゴ殿もあっさりとスカウト成功しました。ギルドの地下室にて闇取引を行い、ヒューゴ殿も闇ライセンスを所持に至りました。
「あとは……乗り物をどうするかですわね」
高度にあるダンジョンに向かうには、飛べる乗り物が必須となります。正規ライセンスを持っているのはイヴだけ。彼だけが乗り物を所有しているのです。
あとは、そうですわね。高額料金を払ってワープゾーンを使用するという手もあります。
「俺、確保してるの自分の分だけだしなぁ……」
既に裏ライセンス持ちのオスカー殿は、毎回ご自身の分は手元に残されているようです。
「すみません……」
ヒューゴ殿は引き継がれてないようですわね。前回あれだけ頑張ってくださったのに……。
「では、私とオスカー殿はワープゾーンを使用しましょうか――」
「!」
ヒューゴ殿はびくっとなりました。その、肩身を狭そうにしていますわ。イヴとの二人乗りになりますわね。ふむ。
「では、ヒューゴ殿。私が持ちますので」
「!!」
ヒューゴ殿はさらに顔をひきつらせています。それこそ避けたいといったご様子です。
「……いえ、私の方でどうにかしますから。幸い、顔見知りの冒険者の方もいますし。なんとしても頼み込んでみます。最初はそうせざるを得ないでしょう」
「待って待って、ヒューゴ待ってって」
ヒューゴ殿は深刻そうにしていますが、気楽に寄りかかってきたのはオスカー殿でした。
「大丈夫大丈夫。ヒューゴ? リラックス―。俺の知り合いに頼んでみるからさ。その人ら、普通に相席させてくれるし。俺も浮かしたりできるし。ゆるーくいこうよー、なっ?」
「でしたら、有難いですが……って、オスカー?」
「俺らの方は心配しないでー。現地集合にしとこー?」
オスカー殿は肩を組まれ、ヒューゴ殿を連れていきました。声が遠ざかっていきますわ。というか今さらですが、お二人はこの時点でもお知り合いでしたのね。
「……二人乗りだ。良かったぁ……今回は二人乗り達成できた」
イヴはイヴで呟いています。
「イヴ? 相乗りお願いしてもよろしいかしら?」
「はいっ、喜んで!」
あら素敵なお返事。イブもにこやかですし、よくわかりませんが良かったですわ。
「ありがとうございます。参りましょうか」
「はい!」
本当に良い返事ですこと。こちらまで気持ちが明るくなってきますわ。
さて、あとはダンジョンですわね。今回は雲に覆われておりますので、こちらからではよく判別できません。大抵は洞窟タイプですから、今回もそうでしょうね。




