2名の攻略を終えて。
翌朝になりました。七月の朝ですわ。有意義な休日も終え、学生生活がまた始まります。
「……わふ」
私は欠伸を噛み殺しました。かなりの早朝となります。とはいえ、身支度は万全でしてよ。いつでも登校できる状態ですわ。
「――失礼いたします。イヴです」
「お入りなさい」
私の部屋に訪れたのは、昔からの従者。彼はイヴ・ポルト。私によく仕えてくれており――協力者ともいえます。彼ももう制服を着用していました。同じ学園に通っており、私の一学年上ですの。
イヴは――前世はセレステ、私の大親友の一人であったと。彼はそう言ってくれました。だからこそ私はあらゆることを話しました。といっても、イヴは日々が戻った時に前世も含めて記憶が消えてしまうようです。
「失礼するね」
私を椅子に座らせると、彼も正面に座りました。バルコニーに続く窓、その近くの席で私たちは話し合っているのです。
イヴは机の上に書を広げました。そちらに書かれているのは――攻略対象の好感度及び情報。
それだけではありませんでした。記憶をなくした後の対処として、イヴは直前にみっちりと書き込んでいました。これが彼の記憶の対処法なのです。分厚い書に多くのことを――。
「……イヴ? そんなに厚かったかしら?」
「そう?」
「ええ、分厚くてよ?」
「そうなの?」
押し問答になりそうですわね。このへんにしておきましょう。イヴ自身は見慣れているからでしょうか、気づいてないようです。明らかに増量してましてよ……? 元々不思議な書でもありましたから、勝手にページも増えるのでしょうのでしょうか?
「――さて。好感度ですわね」
私は書物にて確認しました。今回エンディングを迎えたオスカー殿、彼は緑の薔薇を手にして笑顔全開ですわ。かつてエンディングを迎えたヒューゴ殿も薔薇は持たれたまま。
「……結局倒れたままですわね」
「流れっぱだしね……」
好感度はハート型の器に入った液体、そう表わされています。オスカー殿のものは、それが倒れてしまい、そこから液体が流れ出てしまってましたの。イヴの言う通り、いまだ流れたまですわ……。
ヒューゴ殿にいたっては破裂してますからね。彼はまあ……こちらのプレゼント攻撃による産物もあってのことでしょうが。オスカー殿も然り。デフォルメキャラとなった彼らは通常運転でしてよ……正直怖くてよ。
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