会いたい、って思ったから
会いたい。それだけで私は、夜中だろうが朝だろうが彼の元に向かう。
友達にはウザイ女って言われるけど、会いたいってそんなにうざいのかな?
でも、それってお互いしだいって思うんだ。ウザイ人にはウザイ。そうではない人にはそうではない。
だから、私は自分にあったそうではない人を探すんだ。
「玲奈!?今、夜中だろ?」
でも、もうすでに見つけた。いや、私を見つけてくれ人が居るんだ。
どんなに私が会いたくても、それを叶えてくれる人に私は見つけられた。今の恋はとても充実していて、幸せいっぱいだ。
呆れた声で夜中に会いに来た私に声をかけるけど、その顔は愛おしさで溢れている。だから、うざがられてないって分かるんだよ。
「うん、だって会いたかったんだもん」
我が儘って分かってるけど、会えなきゃ不安で眠れないし、我慢すると何かが壊れてしまいそうになる。
いままでずっと我慢していたけど、その分だけいっぱい病気をした。それで、原因を言うと、最初はうざがられないけど、だんだんと顔にイラだいちが見えてくる。
「まったく、お前は・・・まぁ、そんな玲奈も含めて好きなんだけどな」
真司はそんな私に呆れるけど本気では呆れてない。そして、最後にはいつも好きって言ってくれる。だから、私はありのままの私でいれるんだ。
我慢し続けてきた結果、我慢してまで付き合いたいって思わなくなった。そりゃ、場所と時によっては我慢する。
さすがに真司でも夜中なんかは迷惑かな、って思うけど、真司と私はお隣さん。すぐ帰れるし、すぐ行ける。だから、真司が迷惑そうな顔をしたらすぐ帰る。そして、暫くは控える。
私だって、ちゃんと考えているんだよ?真司は会社員、私はOL。明日の予定だって真司の分までちゃんと頭に入れてる。
前の彼氏にはうざがられたけど、真司はうっかり屋さんだから逆にありがたられてる。ちゃんと、相手も見てやってるんだよ?
「真司・・・」
でもね、会いたいって感情だけはいつもあふれ出てくるの。だから、私は足をつい彼の家に向けてしまう。
それが分かれる原因によくなる。分かってる、我慢しなきゃって。
「玲奈、付き合ってくれないかな」
でもね、我慢しなくてもいいって言ってくれたのは真司だけだった。私のすべてを受け入れてくれた。
「私の噂、知ってるでしょ?『いつでも会いたがる、ウザイ女』って」
「知ってる。でも、それを含めて好きになっちゃったんだよ。それくらい、覚悟している」
そんな私でもいいって言ってくれた事が嬉しくて、目の奥が熱くなった。視界が涙で歪む。
私の嫌われる部分を好きと言ってくれた。それが一番、とても嬉しかった。
「え、玲奈!?お、俺のせい?」
「ち、ちがうわよ!!う、嬉しくて。こんな私でもいいなら、どうぞよろしくお願いします」
本当に私は、幸せ者だ。こんな良い人と出会えるなんて。
会いたいって思ったら、すぐに会えるために、わざわざ私のマンションの隣に引っ越してきた真司。
私のためにそんな事をしてくれる真司に私は愛されてるって思う。だから、私も少しでも会いたいをがまんする。
だって、じゃないと優しい真司にもっと負担をかけるほど会いたいが大きくなってしまうから・・・
きっと、これが私の最後の恋だと思う。だから、努力する。
一日一回。それが付き合ったときからの私のルール。破ったら、2日間は禁止。努力は実ってると実感する。これも、私を受け入れてくれた真司のおかげだよね?
―一日一回。そして今日も私は隣の部屋のドアを叩く。