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フルダイブ・テストプレイヤー「勇者に訪れる161の結末」  作者: 虹鳥
仕事、第1週目

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7/58

エンディングリスト No4・No9

人に殺される…という経験をした後となれば、今度は魔物に殺される経験をしてみたい

狂ってしまったからこんな行動を起こしているわけではない、元から狂っているからこそこんな行動を起こしてみたい衝動に駆られる

命は1回きりだからリアルだったら決してやらない、だからこそリアルな体験ができるフルダイブだからこそ体験できることはいくらでも体験をしてみたいものである


「(そういえば、ショキの森の方面に何かスライムのような奴らがいたよな……)」


やられるなら武器も防具も必要はない、謁見の間に入る必要性もない、普通に歩みを進めて行き王城の扉を開いて歩みを進めて行く

そして、2階も地下も完全にスルーして正面の扉をそのまま開いた


再び風が入ってきて紫の髪がなびく

目の前にはオブジェクトではない森が広がっており、改めて見てみるとショキの森と名前が付いている

でも城からショキの森までは少し広い草原が広がっており、そのあちこちにスライムのような敵がいた。

色は黄色で軟体動物な形と言うよりかはお菓子のゼリーのような感触をしていた、半透明でちょっと中に気泡が詰まっている


王道な流れでここに来た場合、剣と盾を持って戦う最初のモンスターになるだろう

剣の試し斬りをするためとか練習台としてここに複数匹設置されている辺り、このゲームの中で最弱の魔物だと思われる

たしかに有名なRPGを筆頭に「スライム=最弱」という印象を抱いているゲームプレイヤーは多いし妹もあまりゲームをやったことない宏樹もそんなイメージを抱いているが俺はちょっと違う

初めてスライムと出会ったのは硬派なファンタジーの中ボスとして表れたのが最初、物理無効で魔法しか効かないという特殊な敵キャラクターで、戦士が何もできなくなってしまい魔法使いのみでしか戦えなくなって本当に苦戦をした


「(さっきまで冷静さを欠いていたけど、剣の1本は持っていた方がいいかもな?色々と試すために)」


一度深呼吸をして、王城で剣を取りに行くことにした……



「おおよくぞ来たぞ!勇者!

話は聞いていると思うが魔王が復活して我が娘がさらわれてしまった!

世界の危機も娘もどうか助けてくれぬか?」

「(はい)」


サクッと剣だけを回収をしてスライムの所に向かうことにした

盾は放置しているけど特別周囲の人から何も言われてないからイベントの進行には関係ないみたいだ



門から外にに出て再びあの草原にたどり着いた、さっきよりも一歩前に出るとスライムがこちらに寄ってくる

ぴょんぴょんと飛びはねながらこちらに近づいてくる、かわいい

着地をするたびにスライムの体がプルンッと脈動している、かわいい

表情などは一切ないのに一生懸命っぽく見えるその動きの一つ一つが本当に可愛らしい

ちょっと、これだと攻撃するのためらってしまう


「(一匹だけ離れた所にいるな、ちょっとまずはアレに近づいてみるか)」


群れから少し離れている黄色いスライムに近づく、今度はちょっと触ってみようかな

中世ファンタジーのスライムは体中にまとわりついて体を溶かしてきて消化される、あるファンタジーの言葉をそのままお借りすると胃袋そのものが襲い掛かってくると表現されていたしな

最弱スライムの場合は大体ぶつかってくる場合が多い

多分後者かな?

そう思いながら待っていると、何か猫が飛び掛かるような感じに身構え始めた

なんとなく剣を前に出し身を護る感じにしてみると飛び掛かって体にぶつかってきた

ドッチボールでボールを思いっきりぶつけられたぐらいの痛みが全身を走る、思ったよりめちゃくちゃ痛い!?

ぶつけられた腹部を抑えながらとっさに後ろに下がってしまう


「クッ・・・・・・」


口からもうめき声のような物が漏れる、考えて見れば落とし穴EDも断頭EDも痛みは確かに感じていた、それなら魔物からの攻撃もちゃんと痛みを感じてもおかしくない

ふと視界の左上に何かが見える?

赤いリングのような形になっていたけど右上部分が4分の1欠けている形ををしていた、これはもしや……


「(HPか?さっきスライムから一撃を食らったから1つ減ったとしたら、HPは初期時点で4

下手すればHPが一気に2個減る魔物の攻撃もあるかもしれないな)」


満タンの時は表示されてなかったっぽいけど……と言うかHP回復手段は、そんなには必要ないかもしれないな?

HPかどうか確認のためにもう一回魔物の攻撃を受けてみるか

もう1回スライムの方に近寄って見てまたも一撃食らってみる

今度は腕にダイレクトアタックを食らってしまってまたもめちゃくちゃ痛い

左上に再び視線を移してみると、さっきのリングが半分になっていた

やっぱりこれはHPで最大は4だ!いてて……


「(いや、倒される覚悟を持ってここに来たんだ俺は!でもEDくる前に最後にひ1つ試したいことがある)」


今度はちょっとでいいから戦いをしてみたい、剣を装備してみてちゃんと構えてみる

さっき咄嗟に守ったときは効いてなかったようだけど今度はどうだろうか?

またもさっきのように飛び掛かる前の身構える形になったところに思いっきり剣を振り下ろした


「フッ!」


ちょっと息を漏らしながら振り下ろすと、ちょっとした抵抗感と共にスライムの体内の方に刃が通る

思いっきり貫かれたスライムは一度体をこわばらせるような形で体が固まるとゆっくりとその体が融解していき地面に溶けていった

………かなり罪悪感があった

いつも勇者ってすごいな、このような命を奪う行為をして世界を救っているのか

魔物であっても自身が命を奪ったという事実に足も腕も震えて動かなくなってくる

…………ああ、ココチがいい、こういった感覚も楽しんでみたかったんだ

動けなくなっている所に魔物たちが迫ってくる

よけなきゃいけないのに、動けない、

一体、また一体と飛び掛かってきて全身に痛みが走って俺のHPはゼロになってしまって体が動かなくなる

倒れていきながら視界はまた暗転していく


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

No4「雑魚ごときにこの俺が!?」


世の中には弱すぎる人だっている、カイザンは戦闘に全く向いていなく

子どもでも勝てる最弱モンスタージェリーコに殺されました!

モチモチとした感触に可愛らしい外見に戦いたくなくなる

気持ちは分かります

でもアンタ……勇者でしょ?!負けるなよ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


またも、死んだらしい

魔物を殺した罪悪感に動けなくなっているところに集中攻撃をされたらしい

けれども今度の死亡は一度経験していたからか、ちょっと「こんなものか」と思ってしまった

慣れって怖いね

でも考えて見れば、多数の集合体に一斉攻撃されるって普通に恐怖でしかない

集団リンチを食らってボロボロになりながらも意識を失っていく

……経験あるからこそ、急に恐怖に震えてくる

それなのになぜ愉しいんだ?

それは昔に狂ってしまってから変わってないから


けれども俺はもう1つの考えてはいけない可能性を考えてしまった


「(人にも試したらどうなるんだろう)」


この世界にはエンディングがいくらでもある、それなら勇者が悪になるEDだってあるはずだ

つまり…………


「(剣で誰かを刺すEDだってあるはずだよな、誰かを殺すという形で)」


ED分岐が色々とあるゲームなら闇堕ちなエンディングだってあるはずだ

先ほど魔物を殺したのにこの腕に重く来る罪悪感

それなら、人だったらどうなるんだろう?と言う意味の分からない好奇心と衝動に駆られている

現実で決して外れてはいけない人の道、ここはフルダイブのリアル経験だからこそやりたい放題させてもらうと考えている

それも、悪人でない普通の人を殺すことだ

よし、善は急げ、いや悪は急げ

駆け足で王城の方へ向かって行った



「おおよくぞ来たぞ!勇者!

話は聞いていると思うが魔王が復活して我が娘がさらわれてしまった!

世界の危機も娘もどうか助けてくれぬか?」

「(はい)」


今度は剣と盾を回収して………さて、と言いたかったけどまだ覚悟ができてないのか今でも躊躇している状態になっていた

それなら、前回の周で試せなかったことをやりながら心の準備をしていこう

あの時とは違って盾を持っている、盾の説明欄に書いてあった「自動的に守ってくれる」と言うのがどういった物か気になっている

王城を後にしてさっき死んだ所にまた向かうことにした



再び草原にたどり着くと、あのスライム……もとい、ジェリーコと言ったか?そいつらが近寄ってくる

考えて見ればこういった弱い生物は複数集まって集団戦をしてくる、スライムのような半液体状な生き物であれば集まって大きな一つの生物になったったり、ゴブリンのような人型生物であったら小さなパーティのように罠を張ったり遠距離攻撃を仕掛けたりする

単体で見れば確かに最弱かもしれないけど世の中の弱肉強食を生き残るために群れるのはやはり生き物としての本能か


自動的に盾が守ってくれるというのはどういった物か気になるから装備しないで魔物からの攻撃を受けてみる

ジェリーコの一体がこちらに向かって体当たりをしてきたが目の前に勝手に盾が出てきて俺を守った、こんな召喚する感じになるんだ!?今度はアイテム欄を開いて盾を装備して正面に構えてみると、また敵の攻撃を守ることができた

ちょっと衝撃があったけど前周と違って痛みは全然なかった

正面以外からの攻撃もあったけどそれらも召喚された盾で守ってくれる、もはや完全に剣と比べて有能すぎる

ここがVRMMOだったら完全にチートになってしまう、あくまでアドベンチャーだから成り立っている要素かもしれない、ジェリーコに殺されるみたいな目的のエンディングを迎えるなら周回によっては盾の入手は控えたほうがいいだろう


「(……じゃあ、いよいよ覚悟を決めなきゃいけないかもしれないな)」


盾の仕様は分かった、ならばといよいよと覚悟を決めることにした



再び謁見の間にたどり着いた、誰か人を殺すとなるとその対象は誰にするか

兵士と王様、多分それぞれどっちを刺すかでそれぞれのエンディングを迎えるだろう

この先でも町とかたどり着いたらそこ場所でも誰かを刺すことになるかもしれない

この行為はそんな覚悟を決めるための始まりに過ぎないんだ


………なんか、殺人を正当化するクズの言い訳にしか思えないな、今度小説で使うか!たまには完全悪なキャラクターだって書いてみたいし、主人公勢の一致団結に繋がるしな


いや小説で使ったところ今から俺が殺人することには変わらない

だったらどっち刃を向けることにするか決めた

俺はゆっくりと歩いて行き王様の前にたどり着いた、俺は今から王様を殺そうとしている

初殺害EDを迎えるならせめて重要人物にしたい


「すぅ~~~~~~~~~はぁ~~~~~~~~~」


今までにないぐらいの大きな深呼吸をして剣を装備する

剣を構える、周囲の人達は決して動こうとはしない

俺は思いっきり剣で王様の体を貫いた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

No9「暗殺国家は三日天下」


王様になりたかったカイザンは手に入れた剣で王を貫いた

王がいないなら次の強い奴が王になりカイザンは王になりました

けれどもそんな思想は長続きはしません!

力が支配する国家となると、あなたを力で支配しようとする人がいます!

毎日100人の暗殺者が来て大人気になりました

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人の体を貫いた感触が腕に残った

腹の部分をどこをやったかなんてわからないけど、剣越しに相手の命が消えていく感覚が分かった

これが人を殺した感触か、背負ってしまった十字架は重く感じる気がする

罪悪感が心に突き刺さって引きちぎられそうな感覚

ここまでの感覚とは、こんなにも嫌な感覚なのに

………知れてよかった、なんて思っている

次からは一旦健全なエンディングを迎えることにする

そうじゃないと、この感覚がヤミツキになってしまうと現実世界でも影響が出てしまう

数字が不穏と感じた人は正解です

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